【感想】詩人なんて呼ばれて

谷川俊太郎, 尾崎真理子 / 新潮社
(9件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 踊る猫

    踊る猫

    あらかじめ主義主張があってそれに自分の言いたいことをあてはめていくのではなく、その時その時に浮かび上がる自然に生まれたことを後からつなげていく。それが谷川俊太郎の流儀なのだろうと思った。それはややもするとかなり散漫な足取りとなりうる。無計画にかつ野放図に、書いたものが広がっていくわけだから……そう考えると尾崎真理子によるこの仕事はそんなバラエティに富んだ谷川俊太郎をポータブルな1冊の本に仕上げたということで、実に「敏腕」というか「辣腕」が発揮されたグッジョブということになる。この詩人を知りたい人に薦めたい続きを読む

    投稿日:2023.07.22

  • シマクマ君

    シマクマ君

     インタビュアーの尾崎真理子さんは読売新聞の文化部の記者だった方のようですが、大江健三郎とか瀬戸内寂聴とかのインタビューもあって、相手が相手だけに、大変だろうと思うのですが、それぞれツッコミどころがいいというのでしょうか、読んでいてイライラしませんね。
     本書は詩人、谷川俊太郎に対するインタビューで、初期から現在に至るまでの、詩人の回想を自然に聞き出しています。読みすすめながら、谷川俊太郎の「詩」の、流行り言葉でいえばアーカイブを自然と辿り直す構成です。
     その上というか、その結果というか、添えられている詩を再読しながら、その当時の詩集まで手にとり直させてくれるという、思はぬ谷川俊太郎総復習の、机のまわりがとっ散らかってしまう、本人は楽しくて同居人には叱られてしまう読書でした。
     ブログにも感想書きました。覗いてみてください。
      https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202108270000/
    続きを読む

    投稿日:2022.03.21

  • 麺とパン

    麺とパン

    小さい頃から知っていたが、よく知らない人ということで、雑誌か何かのおすすめで知り、読んでみた。

    谷川俊太郎は有名だけれども、何もわかっていなかったし、アバンギャルドだけれども、筋が通っている話だった。個人的に意外なことが多く、厚めの本だったが早めに読んでしまった。

    同じような人にはいいかもしれない。
    続きを読む

    投稿日:2020.06.16

  • まこと

    まこと

    このレビューはネタバレを含みます

    谷川俊太郎さんの詩集を何冊か続けて読んだので、興味がわき、図書館で借りたら大当たりの本でした。
    どれだけ内容を理解できたかは別として、知的好奇心がワクワクして、最近読んだ本の中でダントツに面白かったです。
    現代詩の歴史や、谷川さんの詩に対する思いや、私生活まで大変、興味深い内容でした。
    谷川さんと、村上春樹さんを並べているあたりも、面白いと思いました。
    ただ、三人の奥様との関係は(三人ともほめたたえていらっしゃいますが)、女性としてはなんだか複雑な気持ちがしました。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2018.12.17

  • kaonio

    kaonio

    「詩人なんて呼ばれて」(谷川俊太郎/語り手・詩、尾崎真理子/聞き手・文)を読んだ。今年最初の一冊は、詩人谷川俊太郎への3年越しのロングインタビューを含む尾崎真理子渾身の一冊。
    ほんとこれはすごいですから。
    なんだかんだ言ってもやっぱり私は朔太郎でも中也でもなく谷川俊太郎が好きさ。
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    投稿日:2018.07.06

  • kosamebitaki

    kosamebitaki

    聞き手の尾崎真理子さんは、石井桃子の評伝も書かれていて、気になっていた方でした。
    谷川俊太郎は私にとって、「20億光年の孤独」こどもの絵本や、最初にシュルツの「ピーナッツ」を日本に紹介して翻訳した人。そして、佐野洋子のもと夫でした。
    3回目の妻となった佐野洋子。彼女の才能に惚れ込み、刺激を受けながら、批評しないと気が済まない彼女から、きつい言葉を投げかけられながらも、初めて気付かされたたくさんのこと。父である谷川徹三が死ぬまで、「世間知らず」だったと。

    この本は、ご本人も気づいていなかった「谷川俊太郎」を導き出している、すごい評伝だと思いました。
    続きを読む

    投稿日:2018.05.14

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