【感想】スマホが学力を破壊する

川島隆太 / 集英社新書
(38件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
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6
2
0

ブクログレビュー

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  • りょー

    りょー

    スマホの使用と学力、脳に与える影響について、文部科学省や仙台市の教育委員会によって実施された調査から得たデータを用いて、述べられている。
    スマホ使用が日で一時間未満の児童や生徒は未使用であったり、使用時間が長い者に比べてテストの点数が高い傾向にあることが興味深いと感じた。この傾向を棒グラフで見ると「肩」のように見えることから、本書では肩と呼び、この存在について深く分析されている。スマホを所持しているが、日に1時間未満の使用に抑えることができる児童や生徒は、自己管理ができることから、学力も高いと考えられていることが非常に興味深かった。
    また、インスタントメッセンジャー(LINE等)の場合には、この肩の存在は認められないことは不思議であった。
    本書は小学生や中学生の学力と関連づけて述べられているが、これは大人にも関係のある話である。パソコンやスマホの普及により、手書きからキーボードの打ち込みに変わっている。研究により、脳の前頭前野が前者では活発になるが、後者では前者と比べ活発に働かないことが分かっている。技術の革新によって、さらにこの傾向は強まることを著者は危惧し、小中学生にはスマホ等の使用を制限するべきとの提言をしている。
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    投稿日:2023.12.21

  • どんぐり

    どんぐり

    LINEは時間に関わらずもれなく学力を低下させる

    怖いなぁー
    著者のように声を上げてくれる識者が増えてほしい

    こんなデータはたくさんあるのに
    学校ではタブレットが配られたりデジタルデバイスを使いこなそうと言う風潮になっていることがすごくいやです

    調べ物ひとつとっても、辞書で調べるのと、デジタルで調べるのとでは、脳の使われ方が違うと言うことが書かれていてびっくりしました

    大人でも当てはまるだろうなと思います
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    投稿日:2023.10.05

  • 1692937番目の読書家

    1692937番目の読書家

    なんとなく、スマホは教育に悪いかも…を仙台市の子供を対象とした研究で、スマホ・ゲーム・テレビと学力との相関をデータで示した本。子育て世代は必読。

    ・基本的な生活習慣を家族で一緒に過ごすのが一番学習意欲を向上させて、結果学力も向上。
    ・話を聞いてくれる家族がいる子供達の方が学習意欲が高い。
    ・スマホを使えば使うほど学力が下がる
    ・1時間以内のスマホ利用の子供が一番学力が高い
    ・睡眠時間6時間未満は、スマホ利用に関わらず全体的に学力が低い
    ・睡眠時間とは関係なくゲームをする時間が長いほど学力が低い
    ・テレビ視聴時間が長い方が学力が低い(全くしないは学力が低い。1時間未満が最高。)
    ・人間は一つのことしかできない
    ・メディア・マルチタスクは学力、認知力、記憶力、社会性全てを低下させる。
    ・紙の辞書を使って調べると前頭前野が活動するが、スマホやネットで調べたときは活動しない。
    ・テレビ、ゲーム、スマホは前頭前野の機能を、抑制する
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    投稿日:2023.07.20

  • もちこ

    もちこ

    衝撃だったのは、スマホを使い始めた途端に成績がガクッと落ちていくこと、逆に使うのをやめると成績が上がっていること。そして、ITを使うと前頭前野(情報処理や思考の中枢)が働かなくなるという研究結果である。文章を書くときに、手書きで書くのと、PCやスマホで文字を打つのとでは、PCやスマホの方が楽できるから、脳は働かないというのはイメージできていたけど、対話する時に、直接顔を合わせて話すのと、テレビ電話で顔を見て話すのとでも、テレビ電話の方が脳が働かないのは意外で、驚いた。
    とはいえ、育児をする時にスマホが便利なのは事実。だって、家にいながら、病院の予約ができて、待合室で長時間待たなくて済む。出かける前に電車の時間を調べ、初めての場所は授乳室やエレベーターの有無を事前に確認できる。何より辛い時にはTwitterで同志を見つけることができ、産後鬱にならずに済んだ。
    でも、この本を読んだ後に、自分の子どもにスマホを持たせるかどうかを考えると、悩んでしまう。共働き世帯の子どもが、親と連絡をする手段として、携帯は必須だと思うし、でも学力が低下するエビデンスは出ているし…。
    スマホを与えるにしても、我慢させるにしても、親自身がスマホとの上手な付き合い方をお手本として見せることが、今できる最善なのかもと思う。
    本著に収録されている依存度診断の結果は、反省するに十分な数値だったので…。
    スマホの恐ろしさをまざまざと見せつけられた本でした。
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    投稿日:2023.03.25

  • ふじき

    ふじき

    中学生にもなると子は親の言う事よりも「同世代がどうか」にフューチャーしてくから、「スマホ禁止」の中学生があればそのに入学させたい…。
    一方で、コントロールしながら上手く付合う術も訓練させる必要がある。

    ■学習時間や睡眠時間が長かろうが短かろうが、スマホの使用時間が長ければ成績は悪い。(前頭前野の抑制)

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    投稿日:2023.03.06

  • taka

    taka

    このレビューはネタバレを含みます

    スマホが中学生の学力にどのような影響を与えるのかをまとめた本。
    内容は個人的にはかなり衝撃的な内容だった。
    スマホが学力を下げる要因の1つだというのは想像できるが、スマホを使うことによって、学習時間や睡眠時間が削られることで下がると思っていた。
    しかし、そうではなくて、スマホを使うこと自体が学力を下げてしまうという結果はすごい衝撃だった。
    スマホだけでなく、ゲームやテレビもそうだが、使用すると前頭前野が抑制されてしまい、学習効率が下がってしまうのが原因みたい。
    個人的には子供のころにゲームから思考力だったり、知識だったり、学べた部分があるのでゲームはやってもいいと思うが、スマホの使用は絶対に制限しようと思った。

    この本を読んで思ったのは、一部の地域(兵庫県小野市、仙台市、宮城県)では、スマホ使用に関する教育?が始まっているみたいだが、国からは何もアクションがないのはなぜだろうという疑問。
    もちろん、こんな本1冊で国が動かないのは当たり前だと思うし、国が動かすのには膨大な労力がかかるのはわかっているが、著者は有名な教授だし、結果もちゃんと出ているのに。
    エビデンスが足りないからなのか、著者が国に働きかけていないのか(読む限りそんなことはないと思うが)、大人の事情があるのか、そういう社会に対する著者の対応ものせてほしかったなと思う。
    また、著者は研究者なので仕方ないかもしれないが、この結果を受けて、スマホの使用に関して家庭でどのように向き合っていったらいいのか、アドバイスみたいなものももらえるとよかったと思う。

    信じる信じないは個人の自由だし、スマホがないと今の子供たちは学校生活が大変だから使わせているという親もいると思うが、この本を読んで子供とよく相談してスマホとの向き合い方を決めてほしいと思う。
    子供がいる人には絶対に読むべき本だと思う。

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    投稿日:2023.02.12

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