【感想】プロローグ

円城塔 / 文春文庫
(13件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
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ブクログレビュー

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  • はるさめマン

    はるさめマン

    じつに円城塔さんらしい作品。めちゃくちゃ回りくどいし読みづらいのに、何故か読み進めたくなる文章。吸い寄せられる構成。本当に不思議な本です。

    たぶんストーリーとしては、円城塔さん自身が小説を書くという行為をどこまでシステム化できるのか、あるいは逸脱できるのかを実験しており、それを円城塔さんの内面を分割したかのような登場人物たちが小説のていで物語展開している、というようなもの。

    「小説のソフトウェア化」が究極の理想系というが、果たしてそれは本当なのか?実現できるのか?悩み試行錯誤する様子を、場所も時間も空間も入り乱れたストーリーで見せられるのは、脳が焼き切れるかと思いましたが楽しく読めたと思います。理解できたかは別として。

    総じて、手放しで面白いとは言えない気がするんですが、のめり込んで一気に読み切ったので、多分面白かったんだと思います。脳が追いついていなくて自信ないですが笑
    続きを読む

    投稿日:2023.11.27

  • umimugi

    umimugi

    文字が生成されて単語となり文章となり、生命が産み出されていくような。
    新たな次元を垣間見たような、やっぱりよくわからないような。
    頭のいい友達と、酔っ払っいながら延々与太話をしてるかのような。
    円城塔の小説は、いつか理解したいと思いながら、背中を追いかけているよう。続きを読む

    投稿日:2021.02.15

  • 枝乃

    枝乃

    私に円城作品を一読で消化する機能が付いていないため、解釈が誤っていることを前提に述べるなら、自動生成に必要なプログラム群が手足を生やして人格を持ち、コツコツと時給自足で奮闘しています。気になった漢字や用語をメモして調べてWordにまとめたところ、何を読んだのかさっぱり不明な備忘録ができました。円城塔の私小説を読んだはずです(たぶん……)。最後に一言、星川さんカムバック。一番のお気に入りでした。続きを読む

    投稿日:2020.12.19

  • こにぱん

    こにぱん

    私小説…?小説=データ。小説データの奥行きにある世界。『エピローグ』を同時並行で読んでいるが、仮に本書の世界があると仮定し、その中からこちらの現実世界を見ると、やっぱりデータ量が大きすぎて耐えられないのだろうか?相変わらずよく分からないが、文を追っていくのが心地良いという感じだった。続きを読む

    投稿日:2020.11.15

  • kzm076

    kzm076

    見るからに前衛的だけど、ある意味で分かりやすく宇宙を飛行しそうなロケットを指差して
    「これは花火です」
    という。
    こちらは「そうかこれは花火か」と思いつつ、宇宙空間を飛んでいくこの不思議な物体を想像する。
    発射直後くらいから飛行物体はその結合を失っていく。見方によっては更なる加速のための意図的な分離にも映るし、見方によっては設計者の意図しない分解にも思える。
    時に蛇行し、時に回転し、時には一瞬姿を消してみせ、すぐその先に現れる。そんな花火ともロケットともつかない不可思議な動きをみせる。何人かはこの辺りで背を向け帰っていくが、なぜか目を離せない。
    だんだんと分離は加速していき、分離したパーツは華やかに爆発する。その爆発によって残った本体は宇宙に向けて加速しているようにも見える。それともその華やかな爆発そのものに意図があるのだろうか。
    ひとつ、またひとつと分離と爆発を繰り返し、宇宙空間と地上のその狭間、最後の空間でもっとも大きなパーツがこれまでにないほど派手に炸裂し、天上は明るく彩られる。
    そして最後に作者は「これは花火です」という。
    そんな話だった。見方によってはSFと文学の可能性に挑んだ意欲作だし、ロケットのようにその限界を超えることを期待してしまうけど、結局のところ地球空間で破裂して地上の人間を満足させることを本懐とした私小説。
    騙されたと言えるような気もするし、気概が足りないような気もするし、でも最初からこんなもんだと言ってるし。そんな苦い笑いをも作者は指差して笑ってるような気もする。
    続きを読む

    投稿日:2019.08.22

  • nightmare5296

    nightmare5296

    紙面上に創造される仮想の土地と架空の13氏族。全ては文字列で出来てる。
    日本語で。
    数式で。
    古典の引用文で。
    プログラミング言語で。
    教養と造詣を深めてなければ読み解けない執筆余談。
    ときどき旅行記。写真付き。
    語り手が断りも入れずに分裂増殖。
    それがだんだん陰謀論じみてきたり。

    様々なアプローチで文学を解体している...のか??それとも、とんち??
    流れるように連なる文章のほとんどが脳みその表面をつるつる滑っていく読書だった。素養ナシ。
    そして急に村某龍の悪口が飛び出してきたところで声を上げて笑う。
    続きを読む

    投稿日:2019.06.07

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