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宮下規久朗 / 光文社新書 (14件のレビュー)
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総合評価:
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モチヒロ
このレビューはネタバレを含みます
東大文学部卒、美術史家、神戸大教授 ● ポンペイの壁画 「赤ん坊のテレフォスを発見するヘラクレス」 画面下部の中央にいる鷲は、ヘラクレスの父であるゼウスと同時にローマ皇帝を表している。擬人像や寓意によって物語を表現するのは、古代から西洋美術に特有の手法であった。 32 ●美術史の意義 美術というものは古今東西を問わず、どんな天才的作品でも必ず過去の作品と密接な関係をもっており、時間と空間の制約の中からしか生まれないものであって、芸術家の天分や創意工夫などといったものはごくわずかな要素にすぎないのだ。 164 美術を見るということは、感性だけの営為ではなく、非常に知的な行為なのだ。知識があればあるほど作品の意味や機能、作者や注文主の意図がわかって深く鑑賞できる。知識があって鑑賞の邪魔になることはありえないし、知識を軽視して、自分の感性や好き嫌いだけで見ても、ほとんどの美術作品は何も語りかけてくれないだろう。
投稿日:2022.10.30
Kaya
もはや心から感動できることはないのだが、作品の良し悪しはかえって敏感になった気がするし、今後もこうした求道と巡礼を続けるしかないと思っている。本書の何遍かにはそんな思いを吐露している。
投稿日:2021.12.15
もとエモン
美術は、感性だけでなく、知性に働きかけるもの。作品の意味、機能、作者や注文者の意図などの、知識があれば、鑑賞を深めることができる。
投稿日:2021.03.16
赤黒い人
西洋美術については、宗教と時代性に基づくモチーフに関する話など、よく聞く話ではあるが知らないことも多く興味深い。 ただ、特に独特なのは中盤からで、クレパスによる絵や日本の戦争画、踏み絵や絵馬、奉納物…(エクス・ヴォート)、供養人形、アール・ブリュットとそれに伴う(と著者は解釈する)死刑囚の絵など、あまり芸術としては注目されにくい物らの紹介が面白い。 全く知らなかった作家や作品、考え方が多く、これまでいかに分かりやすく、有名どころの「芸術作品」ばかりに注視していたかを実感させられた。続きを読む
投稿日:2020.12.30
まーしー
評価は3.5があればそれにしたい。 ●美術は場も影響してくる →非常に納得がいった。同じ絵でも日本で見るのとその作者の故郷で見るのとはまた違ってくるだろうし、前後にある絵との兼ね合いによっても変わるだろう。 自分の心境や見る時間帯によって、さらには年齢によっても変わってくるのではないか。 これは美術以外にも言えると感じた。例えば、飲食においても東京で同じものは食べられるがやはり本場に行った方が美味しいと思う場面も多々ある。 物の本質を高めるには、そういった外的要因というのも考慮するべきだ。 ●絵の背景を見ること →その時の社会やアーティストの感情等、複数の情報を得て見ることで感じ方が変わる。 今までは心を無にして見ることで心の琴線に触れる絵が良いものだと考えていたし、なぜかそう習って来たような気もする。 ただ、それは正解であって正解でなく、より突き詰めるのならば絵の背景をより学ぶことで見え方が全く異なる。 作者はそれを知的なものだと捉えており、たしかに歴史的背景や美術界の移り変わりによって描かれているものが左右されてきたということもあるようだ。 これは美術以外にも、建築物やそれこそ本においても同様なことが言えるのかもしれない。 背景を学んでから自分の目で見てみるというのは非常に大事と学んだ。
投稿日:2020.06.07
Treasoner
見事な絵画のカラー写真が満載で綺麗な本。新聞や雑誌で掲載された内容を集めた、とのことで全体のまとまりは無いが、章ごとに色んなテーマを扱っている 知らない芸術家がまだまだたくさんいて興味深かった。紹介さ…れる人物が多い分、いつの時代の人だったかを真っ先に明記してほしいと思った続きを読む
投稿日:2019.08.31
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