【感想】別冊NHK100分de名著 わたしたちの手塚治虫

斎藤環, 園子温, ブルボンヌ, 釈徹宗 / NHK出版
(4件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • tommy_s

    tommy_s

    物語創作の先進性、漫画芸術の技術の先進性、性と愛の文化的理解の先進性、宗教的視点から見た哲学、の四つのテーマで熱い賞賛の批評が、作品をある程度限定しながら、繰り広げられます。あまり真剣に手塚作品を読んではいないのですが、改めて色々と鑑賞したくなりました。
    本書では、諸々の気づき、学びが得られました。やや高尚な内容もあり、必ずしも100%理解できてはいないですが。
    この中で、ブルボンヌさんの「性と愛の章」は名文だと思いました。テーマもわかりやすいためもあるでしょうが、気を使うような微妙な内容を扱いながらも、主張がとても理解しやすい。
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    投稿日:2023.05.24

  • おーい粗茶

    おーい粗茶

    NHKEテレの放送内容を振り返りたくて読んでみたけど、各著者の論が放送よりも掘り下げられた内容になっていて読んで良かった。手塚治虫が日本のマンガに与えた影響を、物語構造論、表現技術論、ジェンダー論、宗教論の切り口でコンパクトにまとめられている。手塚治虫は驚くほどの質を伴った量の作品を残している作家なので、手塚治虫論もまた沢山あるけど、本著はコンパクトに多方面の切り口でそれに触れられるので良いと思う。ここ近年では萌え系ファンの間で、ボクっ娘、ケモナーなどもすでに手塚が何十年も前にやっていたことが発見され話題になったが、新しい読み手の視点があればまだまだ手塚作品の魅力が掘り起こしができるかも知れない。こういう本をきっかけに手塚治虫の新しい若い読み手が増えるといいな、と切に思う。続きを読む

    投稿日:2021.08.16

  • powanda

    powanda

    斉藤環の文、関連する手塚作品を読んでいたこともあり、どんな分析がされているのか興味を持った。斉藤に限らず、ブルボンヌや他の筆者の文もそれぞれの境遇に関連して深い洞察。手塚作品の奥の深さを改めて認識。

    投稿日:2020.08.19

  • nakaizawa

    nakaizawa

    「わたしたちの手塚治虫」斎藤環・園子温・ブルボンヌ・釈徹宗著、NHK出版、2018.01.30
    143p¥972C9470(2018.04.24読了)(2018.02.05購入)
    手塚治虫が生まれたのは、1928年11月3日です。今年で90年になります。
    亡くなったのは、1989年2月9日です。29年前です。60歳だった。
    あと15年か20年ぐらい生きて欲しかったですね。
    「グリンゴ」「ネオ・ファウスト」「ルードウィヒ・B」が未完で終わってしまいました。
    『火の鳥』『陽だまりの樹』『アドルフに告ぐ』などは、単行本で読みました。『ブラック・ジャック』(少年チャンピオン)『三つ目がとおる』(少年マガジン)『MW』(ビッグコミック)などは、雑誌連載中に読みました。『きりひと讃歌』『奇子』『ばるぼら』(いずれも、ビッグコミック)などの雑誌連載中に断片的に見た覚えがあります。
    色んなテーマの漫画を読ませてもらった気がします。こんなにいろんなテーマを扱った漫画家はあまりいないのではないでしょうか。
    結婚してからは、漫画雑誌を読むことはなくなったので、40年近く読んでいないことになります。評判になっている漫画は、単行本でいくつか読んではきました。
    一つの漫画を無駄に長く描いている作家はたくさんいますが、手塚さんのようにいろんなテーマを扱える人はなさそうです。
    この本では、四人の方で、『きりひと讃歌』『奇子』『火の鳥 未来編』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『MW』『火の鳥 鳳凰編』などを紹介しています。
    じつに参考になりました。とりあえず、『リボンの騎士』は読んだことがないので、読んでみようと思います。

    【目次】
    はじめに―手塚治虫の「魂」を受け継ぐ
    [物語の章]『きりひと讃歌』『奇子』 斎藤 環 ―手塚治虫とは何者か
    [表現の章]『火の鳥 未来編』『鉄腕アトム』 園子 温 ―未来のために手塚を読め
    [性と愛の章]『リボンの騎士』『MW』 ブルボンヌ ―曖昧でいい、わからなくていい
    [宗教の章]『火の鳥 鳳凰編』 釈 徹宗 ―善悪を超えて生命は輝く
    手塚治虫 略年譜

    ●手塚治虫が(7頁)
    なぜ、外国の人はこれまで漫画を読まずにいたのだろうか。答えの一つは、彼らの国に手塚治虫がいなかったからだ
    ●感情のメディア(8頁)
    あらゆる表現ジャンルの中で、漫画ほどすみずみまで「感情」の充満した表現は他に類を見ません。最大最強の「感情のメディア」が漫画なのです。
    ●顔・感情・意味(38頁)
    漫画というのは、「顔」と「感情」と「意味」のメディアです。つまり、漫画のコマの中にあるものにはすべて意味があり、無意味なものは描かれない。

    ☆関連図書(既読)
    「ガラスの地球を救え」手塚治虫著、光文社、1989.04.30
    「手塚治虫がねがったこと」斎藤次郎著、岩波ジュニア新書、1989.08.21
    「火の鳥(1)」手塚治虫著、講談社、1978.07.25
    「アドルフに告ぐ(1)」手塚治虫著、文芸春秋、1985.05.30
    「陽だまりの樹(1)」手塚治虫著、小学館、1983.07.01
    「I L(アイエル)」手塚治虫著、大都社、1987.04.30
    「グリンゴ(1)」手塚治虫著、小学館、1988.12.01
    「ネオ・ファウスト」手塚治虫著、朝日新聞社、1989.04.01
    「ルードウィヒ・B」手塚治虫著、潮出版社、1989.08.01
    「海のトリトン(1)」手塚治虫著、秋田書店、1994.11.30
    (2018年8月2日・記)
    商品の説明(amazon)
    天才が描き続けた「生命」を読みなおす
    今や世界中に浸透した漫画・アニメ文化の父、手塚治虫。この「漫画の神様」の作品を、4人の識者が敬愛をもって読み解く。2016年11月に放送されて好評を得たスペシャル番組「100分de手塚治虫」のムック化。手塚治虫生誕90周年となる2018年、改めて手塚作品に触れる手がかりに!
    続きを読む

    投稿日:2018.08.02

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