【感想】吉村昭の平家物語

吉村昭 / 講談社文庫
(20件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
2
6
9
0
1

ブクログレビュー

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  • 梅乃

    梅乃

    このレビューはネタバレを含みます

    刀剣乱舞好きなので、お勉強に…と思って読みました。
    だいぶ時間かかった。
    平家万歳!の話と思ってたんですが、平家が滅びてく話なんですね。
    あと誰がどっちの勢力なのかよくわからずページ戻って確認してました。
    ところどころ大河ドラマや学生時代どっかで聞いたなーみたいな話がありました。
    大河ドラマの影響で頼朝あまり好きじゃないんですが、やっぱり嫌いでした。
    なんて疑り深い人と思いました。
    ついでに梶原景時が嫌いになりました。
    解説で最初子供向けに書かれてたとあって、これ子供向けなんだわー…と思いました。

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    投稿日:2023.11.03

  • dokutoku

    dokutoku

    諸行無常。記録文学の名士が描く平家物語。歴史の証跡を辿るのではなく古典の記述そのものを再現する。盗作しているようで後ろめたさを感じたという。膨大な登場人物。それぞれの運命。少ない感情描写の中にその思いを想像する。流れる歴史を一話一話でも完結させてる。全盛期の驕り高ぶり。根にもたれた恨みは衰えた時に表出する。頭を丸め感傷に浸りながら生きる。敗れた後はそれすら許されない。栄枯盛衰。賢者は歴史に学ぶ。権力交代は何某かの進歩をもたらす。…栄えてなくても終わらぬ政権。過ちが正されることもない。現代日本の衰退は続く。続きを読む

    投稿日:2023.09.16

  • DJ Charlie

    DJ Charlie

    吉村昭の作品は色々と読んでいるのだが、本作は「異色作」と言えるのかもしれない。が、なかなかに興味深く読んだ。
    本作は「古典文学を現代語訳というようにすることで、少年少女向けとして世に問う」という企画で登場しているのだという。言わば「現代語訳『平家物語』 吉村昭 訳」というような一冊なのだ。
    吉村昭は熱心に取材を重ね、そういう成果を踏まえた、作中世界で流れる時間や景色が強く感じられるような、濃厚で精緻な描写で知られていると思う。本作は必ずしもその「本来のスタイル」ということでもない。「翻訳」なのだ。同時に、伝えられている『平家物語』を詳細に訳出しようというのでもない。好いテンポで、「普通の小説」として読み易いように整理して綴っているのだ。そういうことで、作品の起りは「少年少女向け」ながらも、自身も含めて「嘗ての少年少女」、「少年少女と呼ばれた時期も在った筈」という人が読んでも、「有名な『平家物語』はこういう感じ」と興味深く愉しむことが叶う。
    『平家物語』は、通読したことがなくて―と言うより、個人的には「通読した」という方に出遭った記憶が無い…―も、題名は多くの人に知られ、作中に登場する史上の人物達の一部、描かれる挿話の一部も意外に知られていると思う。そういう訳で、『平家物語』にも言及が在る人物や挿話に題材を求めたような小説も色々と在るとは思う。が、本作はそういうモノとも違う。
    巻末の解説によれば、吉村昭は随分と悩みながら本作を完成させたようである。各作品で吉村昭が示した流儀を半ば封印して綴り続けたのだから、「産みの苦しみ」は大きかったのかもしれない。が、それだけに「『平家物語』とは?」に判り易い回答例を示してくれる一冊に仕上がっている。
    『平家物語』で取上げられる所謂「源平合戦」に関しては、物語と史実との違いが指摘されている事項も色々と見受けられる様子である。が、所謂“琵琶法師”の「弾き語り」という芸能の題材となって伝播し、継承され、時代が下って読物となって伝わっている『平家物語』の内容は、「俗にこういうように信じられている歴史」という観方が出来るかもしれない。それが判り易く整理された本書のようなモノに触れるのは、それ自体に価値が在るかもしれない。
    本作を読んでいて思った。「源平合戦」の時代は「遠い昔」である。が、実に「不透明な時代」で、当時の色々な人達の葛藤のようなモノが渦巻いている。そういう「時代の不透明さ」というような要素は、多分この『平家物語』の「源平合戦」のもっと以前から、現代に至る迄、「各々の時代なりに…」という具合に存在し続けているのではないだろうか。
    『平家物語』の原本のような、所謂“古文”を読むのは敷居が高過ぎるかもしれない。が、本作はその内容を「普通の小説」という感じで知ることが叶う。なかなかに好いと思う。
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    投稿日:2023.06.27

  • kazu

    kazu

    祇園精舎の鐘の声諸行無常の響きあり。
    誰もが一度は耳にする平家物語の冒頭であるがその内容は初めて読んだ。
    独特の死生観を持った吉村氏による現代語訳で読みやすかった。

    清盛の横暴、それを諫めバランスを取っていた子重盛。その重盛の死後、一気に破滅へと突き進む平家一族。源平の戦いとその間で激流に巻き込まれる子や女性たち。頼りない法皇。イメージとは違う気性の荒い義経と嫉妬深いが情に厚い頼朝。

    様々な思惑とサムライたちの尊厳が栄枯盛衰の儚さを際立たせている。
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    投稿日:2022.12.04

  • misachi68

    misachi68

    吉村昭氏を初めて知りました。
    あの有名な平家物語をこんな読みやすい現代語訳にしちゃうなんてすごい。
     祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響あり...
    って冒頭部分は中学生の頃だったか暗記させられた記憶しかなく、読んでみたいっていう好奇心だけではどうにもならない高いハードルがありますからね。
    大河ドラマで見た『平清盛』と今放送中の『鎌倉殿の13人』の理解を深めるのにいいと思う。

    こんな読みやすいのに、正直言って清盛の孫たちの名前を把握してるわけじゃないから、途中で飽きてくる。あはは。
    でも読み切りましたよ〜
    終盤の平家没落の物悲しさが痛々しい。

    身内を信じない頼朝の哀れも痛々しい。
    続きを読む

    投稿日:2022.08.18

  • shigezoh

    shigezoh

    読んだことがなかった平家物語。1冊にまとまっているので読みやすい。その分、ダイジェスト感が強くていまいちのめり込めないところがあるけれど、終盤に向けて平家の人びとが大人はもちろん子どもも罪人としてはりつけになったり河原に首がさらされたりする様子はなかなか凄惨。そういう風習が明治初期まで続いていたかと思うと日本もなかなか野蛮だったなと思う。続きを読む

    投稿日:2022.01.27

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