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窪薗晴夫著 / 平凡社新書 (4件のレビュー)
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saga-ref
多様な日本語の不思議さを理解できる良書。初めは世代間ギャップが生まれやすい略語や、知る人ぞ知る業界用語の考察。モーラという単位が鍵となって、規則性のある略語が生まれることが分かる。世代間で日本語が通じ…なくなるのは、元の言葉を類推できないからということか。後半は方言に関する考察。私の故郷は太平洋側の港町で、漁師の往来から東北から関西の言葉が地元の言葉に取り入れられ、そこに江戸言葉も入る、なかなか面白い土地柄。そうは言っても標準語圏なので、関西や著者の出身地・鹿児島との方言の比較は面白い。続きを読む
投稿日:2021.04.13
tagutti
このレビューはネタバレを含みます
<目次> プロローグ 第1部 中高年の悩み 第1章 昭和の日本語 第2章 何でも略す日本語 第3章 パンツをはかない女性たち 第4章 発音も変わる 第5章 全然OK 第2部 ところ変われば 第1章 日本国内の異文化 第2章 味噌汁派「からい」か「しょっぱい」か 第3章 あなたにくれる 第4章 進化している和歌山弁 エピローグ <内容> 日本語の言語学者の本。「へえ」だったのは、「山茶花」が、もともとは漢字の通り「さんざか」で、音韻の交代が起こった例だという。他に「新し」が「あらたし」→「あたらし」、「秋葉原」が「あきばはら」」→「あきはばら」、「舌鼓」が「したづつみ」→「したつづみ」。まだ普及(定着?)してないが、「雰囲気」が「ふんいき」→「ふいんき」など。パンツの話や省略系の話は聞き飽きたかな? 後半は方言の話で、英語圏などでもあることらしく、鹿児島や和歌山辺りは、日本語っぽいアクセントではなく、英語っぽいアクセントらしい。 逗子市立図書館
投稿日:2019.02.16
inu-no-mimi
限りなく読み物なのだが横書き体裁でところどころ学術書っぽい書きっぷりの部分もあって、なかなか向き合いスタンスがぱちっと決められない本であったが、興味深く読んだ。 「通じない」を、世代差によるものと地域…差によるものの2つに分け、さらに語句によるものと音韻によるものの2つのアプローチから分析解説したもの。 略語の生成法則、語句の意味の上昇下降/拡大縮小、特定の地域でしか通じない俚言、助詞を略せる地域略せない地域、などなかなか面白い。続きを読む
投稿日:2018.10.17
hiro1548
世代や地域でコトバがどう異なるのか、どう利用されるのかを説き明かす。 言葉が持つ意味の変化や、略語の発生メカニズム自体は昔から変わっていないのには感心してしまった。 「我慢」はもともと「自分をえらく思…い、他を軽んじること」という意味なんだそうな。我慢を辞書で調べたことないけど、ちゃんとそう解説されているとも。 「雰囲気」を「ふいんき」と発声するのが増えているのも「山茶花」や「秋葉原」と同じ理由らしい。これに発音やイントネーションの違いも加えると、日本語だけでも多言語コミュニケーションを考えるのに十分だよね。続きを読む
投稿日:2018.01.22
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