【感想】春から夏、やがて冬

歌野晶午 / 文春文庫
(97件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
7
33
38
7
2

ブクログレビュー

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  • keigo3813

    keigo3813

    久しぶりの歌野作品。

    最初から最後まで暗い世界の中で物語は展開していて鬱々としているのになぜか頁を繰る手がとまらない。

    果たしてますみは平田の心を救えたのか?という疑問は残したままだけど、個人的見解てはさらなる苦痛を与えてしまったのではないかと思う。きっと精一杯考えた末の行動だったのだろうけど。誰も幸せになれなかった途轍もなく悲しい人生を送って人たちのはなし。続きを読む

    投稿日:2024.03.24

  • ちゃかぽこ

    ちゃかぽこ

    このレビューはネタバレを含みます

    歌野晶午はいくつか読んだが、そのなかでもこれはあんまり面白くなかった。楽しめなかった。
    キャラ造形や展開は良いんだけど、詰めの甘さというか、そうなる?エモいのか?という疑問がわいてしまってダメだった。

    死んだ娘と同い年の人間に甘くなる人間臭さや、事故まで仕事人間、事故後は妻を支え、妻を失ってはポッキリ折れて、肺癌でもう生きる気力も無い主人公が得た気力が復讐。しかしそれは仕組まれたもので偽りで、助けたかった彼女が犯人だなんて主人公にとってはショックだろうなあとしか。余計な重圧じゃなかったのかと自分は思った。

    そもそも、ますみの頭の回らなさを描いておきながら主人公を騙せる話を創作出来るのがフィクションすぎてダメだった。真実が混ざっていても。

    最後の最後にますみの行動のわけを医者目線で語るのもちょっとな。話の構造的に第三者は必須だけど、唐突感がある。

    人間ドラマとしての料理の素材は良いし過程も悪くないけど、芯のとこがダメだった。そこを忘れるくらいの強烈な面白さは感じ取れなかった。同作者の他の本のほうが好きだなって感じ。

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    投稿日:2024.02.25

  • 伊鈴

    伊鈴

    このレビューはネタバレを含みます

    死が救いであり希望だったはすが、死をもって救われた。偽の真実だとしてもそれを真実と信じたままでいられたら主人公にとっては最良の選択と満足した最期を迎えられる。
    じゃあ彼女は?結果的に彼女は「君におすすめのギャンブル」に負けたことになる。大金は手に入らず命も落とした。彼女は賭けをしたんじゃないだろうか?と勘繰りをしてしまう。復讐されるか、赦されるか。主人公が生きることを望んでいた彼女にとって、人殺しの罪で投獄中に死ぬことを彼女は望んだだろうか?作中何度か出てくる自嘲するためのバカという言葉。バカ故に極端なバカな方法をもって救おうとしたのかもしれない。
    どちらも孤独でなかったとしたら、少しでも他人と関わる気力や知恵があれば、不条理にさらされることはなかったと思いたい。

    ハッピーエンドでありバッドエンドでもある、罪深き者は一人とは限らないんだ。どちらともどうか安らかに。

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    投稿日:2024.01.24

  • レオン【ネタバレなし】

    レオン【ネタバレなし】

    ミステリー小説には「オチは凄いが途中が退屈」という作品がちょいちょいありますが、この本は最初から最後までとても面白かったです。
    夢中になって読みました。
    短めでサクッと読めるのもいいですね。

    ただ、帯の『葉桜の季節に〜…を超える衝撃』と言うのは言い過ぎですね。
    葉桜の方がよっぽど衝撃的でした。

    展開がかなり読めてしまったのでどんでん返しを求めて読むのはオススメしませんが、あまり期待せず読むと楽しめると思います!
    続きを読む

    投稿日:2023.11.17

  • hito-koto

    hito-koto

    このレビューはネタバレを含みます

     一人娘の春夏を轢き逃げで殺され、妻の英理子もそれがもとで自殺、本人も肺癌にかかり生きる希望が消えかかっている平田誠55歳、スーパーの保安責任者。スーパーで万引きし、(平田誠の娘と同年生まれということで)何も訊かれずに無罪放免された末永ますみ24歳。この2人が織りなす物語。平田の闇を聞かされ、平田に生き続けて欲しいと願ったますみが考えたことは。そして、平田のとった行動は。何とも切ないラストですが、後味如何に関わらず、記憶に残る小説です。歌野晶午「春から夏、やがて冬」、2011.10刊行、2014.6文庫。

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    投稿日:2023.11.08

  • nukunukumann

    nukunukumann

    これは面白い
    天性のホームランバッター歌野晶午
    三振もするがこれはホームラン

    スーパーの万引犯の処遇を決める責任者と万引したダメ女の話しなんだけどなんか読みやすいなと思ってた所からの後半怒涛の展開
    完全にこっちが緩い球投げてたとこに打ち込まれたわ

    表紙が「葉桜の〜」に似てたから、あああれ系かな?みたいなノリで読んで、途中ああ違うのかなからの後半ウホっと興奮したよ
    自分の死生観や家族の有り難さも考えさせられる筆力、奥深い作品でした

    歌野晶午ファンは是非手に取ってもらいたい作品


    °今回のタメになった言葉°
    「桜餅に使われる葉は伊豆に多くあるオオシマザクラのものです、ソメイヨシノの葉は硬くて毛が多いので食用に適しません」
    続きを読む

    投稿日:2023.08.09

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