架空論文投稿計画

松崎有理 / 光文社
(11件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
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ブクログレビュー

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  • ゆうだい

    ゆうだい

    いくつかのアンソロジーで著者の作品を読んでいて、興味が湧いて読んでみたのが本著です。

    本著、研究者心理を専門とする助教(所属は"蛸足大学"で、本著の内容からすると著者の出身でもある東北大学のようですね)が、論文の査読制度のチェック機能が崩壊しているのでは?という仮説のもと、「かけんひ」を使いつつ架空論文を投稿していくというもの。
    この架空論文を書くにあたって、作家たる著者自身が作中に登場するというのも本著の構造の面白いところ。論文自体のアホらしさも含め、著者のユーモアセンスは凄いなぁと唸らされます。

    残念なのは、アカデミックな職業の方々ならおそらくわかってクスッとするであろうネタの数々が、どうにもわからないこと。学術論文の世界に特化しすぎていて、フツーのサラリーマンである自分としては少し疎外感?を感じるくらいでした。
    しかし、大学で研究職をされてるような方であればメッチャ面白いと感じるだろうし、大学院に進もうとしている大学生なんかにも雰囲気を掴むために凄く良い1冊になるのではないかと思います。
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    投稿日:2021.08.09

  • NORIS

    NORIS

    2020.12.5市立図書館
    電子総合文藝誌アレ!(2011年〜2012年、ちなみに某STAP細胞騒動より前)初出の架空論文11本を散りばめ学術論文執筆&投稿界隈をえがいた近過去SF「サイエンス・ユーモア・サスペンス」。とあるポスドクがおこした事件をきっかけに、メタ研究心理学研究室助教のユーリー小松崎✕駆け出し作家松崎有理が始めた架空論文投稿実験の首尾は…? 

    高3長女、手にとってすぐに一気読み。
    大学生までは楽しそうだけど、院生から先はつらそう、研究職になるのこわそう…と進学前から不安にさせてしまったが、まあ予備知識と覚悟はあったほうがいいし(パラレルワールドっぽいフィクションとはいえ、現実の理不尽の数々が種にあるのはうたがいない)、こういうネタのお話をおもしろく読める彼女にはやはりそこそこ適性もあるのだろうと思う。すみずみまで楽しんででっちあげたのであろう架空論文はもちろん、「代書屋ミクリ」や「就職相談員蛇足軒〜」に登場したあの人やこのネタがちらちら登場して「エピソード0」的に楽しめるのもよかった。
    「架空論文投稿実験」そのものが意外と長い歴史をもち、ジョークとしてだけでなくこの作品の登場人物のように現状への警告や告発のための試みも行われているという現実が興味深い。

    虚構新聞を楽しめる人なら間違いなくおすすめ。読むのに時間はかかるけど(著者のいう「するめ」は言い得て妙)それをじっくり味わえるなら学術業界にむいている。これからの世の中、むしろこういったフィクションを通してニュースやレポートを批判的に読み解く力を養うことはかなり大事なので、大学生(とくに進学希望者)は一度は読んでおいてもいいんじゃないかとさえ思う。
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    投稿日:2020.12.05

  • 小凛

    小凛

    学術の未来に危機感を抱いた大学助教授の『ユーリー小松崎』は、学術研究の理想を守る為、知り合いの駆け出し作家『松崎有理』に協力を仰ぎある実験を行うことにした。嘘の論文をでっちあげて査読を通るかどうか調べるというものであったが、修正指導もないまま論文は掲載されてしまう。その後『論文警察』と名乗る怪しい団体に目を付けられ・・・。

    論文不正問題と言えば、一大センセーショナルを巻き起こした事件がありましたが。
    コメディー風に仕上げて、現状に一石を投じるとか風刺なのかとか思ったのですが、そういう側面もあるかと思えど、面白ければいいのかもしれない。
    しかも、後書きによれば、ストーリーの中に差し込むために作られたのではなく架空論文が先なんですね。くすりと笑えて、そうそうと思え、添えられている図もなんか可愛らしい論文でした。
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    投稿日:2020.02.12

  • kyon

    kyon

    すごく面白かった。
    読み始めはなかなか設定が頭に入らず、戸惑いつつ読んでいたけど、なるほど、ユーリー小松崎という架空の人物と松崎有理(筆者)が協力して架空論文を執筆・投稿していこう、というやり取りが小説として書かれており、合間にその投稿した架空論文が掲載されている、という本。
    小説の本文中で出てくる専門用語なんかには注釈をつけてくれているけど、それも書き方がおふざけ感がありよく読むと面白い。
    架空論文はよくこんな研究内容が浮かぶなと感心してしまう。ユーモア溢れるものばかりで、あまり実物の論文というものに接点のない人でも楽しめる。
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    投稿日:2019.09.20

  • ともりぶ

    ともりぶ

    でたらめな論文を投稿して査読機能をチェックしようとする話。研究者ネタや、ばかばかしい架空論文の数々が興味深い。引用文献も良くできてる。代書屋や「出すか出されるか法」につながるのもニヤリ。面白かった!

    投稿日:2018.10.21

  • haru2012

    haru2012

    研究者心理の研究者が、査読チェックがザルであることを証明するため、形式書式は整った架空論文11編を投稿するも受理掲載される。その顛末と提言を論文化するも、かけんひ不採用で投稿料金を支払えず。

    各論文部分が独立していて、結構面白いなと思っていたら、それらが元ネタだったのでした。続きを読む

    投稿日:2018.10.13

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