【感想】だから、居場所が欲しかった。バンコク、コールセンターで働く日本人

水谷竹秀 / 集英社学芸単行本
(31件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
7
13
6
1
0

ブクログレビュー

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  • テクノグリーン

    テクノグリーン

    水谷竹秀著『だから、居場所が欲しかった。:バンコク、コールセンターで働く日本人』(集英社)
    2017.9発行

    2018.1.29読了
     書評を見て購入。ノンフィクション。日本で自分の居場所を見つけることができず、現地採用でタイに移住する人々がいる。語学も学歴も不問だが、3万バーツ(約10万円)という薄給が条件で、一定の需要があるらしい。AIが人間の雇用も奪うと言われる超スマート社会では、居場所を見出せない人間は日本から去っていくのではないか。私は遠くない未来の日本人の縮図を見たような気がする。この生きづらさは一体何なんだろう。なぜ日本で幸せに生活することができないのだろう。声なき声が聞こえてくる。

    URL:https://id.ndl.go.jp/bib/028498888
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    投稿日:2023.01.10

  • ぴちくら

    ぴちくら

    タイのコールセンターを起点に、色んな理由で日本には居場所がなかった人達について描かれたノンフィクション。ここに登場した人達が幸せに暮らしてることを願う。

    投稿日:2022.07.10

  • tatsuostyle1

    tatsuostyle1

    フィリピン編に続いて読破。著者にはこの手の、海外に定住して日本に帰国したくない人間たちにフォーカスしたシリーズをこれからも期待したい。

    投稿日:2021.12.21

  • あああら 1646886番目の読書家

    あああら 1646886番目の読書家

    このレビューはネタバレを含みます

    だから、居場所が欲しかった。 バンコク、コールセンターで働く日本人 単行本 – 2017/9/26

    ありのままの自分を受け入れてくれる居場所があるかどうか
    2018年7月5日記述

    水谷竹秀氏による著作。
    2017年9月30日第1刷発行。

    著者は1975年生まれ。
    上智大学外国語学部卒。
    フィリピンと日本を拠点に活動するノンフィクションライター。
    三重県桑名市出身。
    最新刊は『だから、居場所が欲しかった。』(集英社)。
    ほかに『日本を捨てた男たち』(集英社)など。
    たまに文藝春秋や新潮45などで執筆しています。

    本書は「kotoba」(2013年11号~2014年17号)に掲載されたものを加筆・修正したものです。

    タイの首都バンコクでコールセンターで働く日本人達への取材をまとめた本である。
    読んでみた思ったのは日本社会特有の大人かくあるべしという型にはまることを拒否した人々が多いという印象。
    (途中に日本を捨てた男たちに出てきたような駄目中年も1名登場するあまりに主体性がなさ過ぎる。貯蓄もなさ過ぎ・・タイでもマック難民になってしまっていた)

    男性を買う姉妹や日本に帰っても不安定な非正規雇用など世間の冷たい視線を感じながら生きるならこういったあり方も良いだろう。
    ある意味、日本社会の不寛容さから逃げてきた人達なのだ。
    今、アベ自民によって事実上の移民(外国人技能実習生の拡大)が行われている。
    この不寛容さや制度を変えていないのに移民拡大とは・・
    センスの無さにも呆れる。
    本書に登場する日本人達はある意味大人の対応を行い日本から離れたわけだが、果たして移民達はそういう行動を取るだろうか。
    むしろもっと日本社会とぶつかり日本を変えていく原動力になって欲しいが・・

    もう一つ思い出したのは中国、大連にあるコールセンター。
    TV番組の特集で報道していたけれども日本語しか話せない日本人でほぼ構成されており、といった点もこのバンコクのコールセンターで働くスタッフに通じる。
    まあコールセンターという職種故なのか。

    バンコクでは狭い日本人社会のヒエラルキーの中で低いものとみなされている。
    危険手当とかも当然ないし。
    月給は3万バーツ。
    家賃は月5000バーツ。
    気温も平均29度。
    薄手の服で年中過ごせる。

    やはりというかこの仕事はつなぎの仕事と認識している人も多く高い職歴としても認知されにくい。
    やりがいや面白みはない半面、責任を感じなくて済む仕事。

    本書をノンフィクションとして正直で良いと思ったのはP142からの部分でインタビュワーのある種の自己責任を著者が認めている点。
    同情できる人かどうかで取り上げるかどうかを決めて報道しているのではそれは事実を報道しきっているとは言い難いだろう。
    メディアや市民団体、NPOは同情できる、日本社会が間違っていると主張できる困窮者ばかりを取り上げる傾向があるのは覚えておくといいだろう。
    (それでも自己責任論には大きな問題があるとは思うが)
    著者のデビュー作である日本を捨てた男達にはホントどうしようもない人たちがこれでもかと紹介されていた。
    自分でも読んだ時にこれは自己責任としか言いようがないなと思ったものだ。

    後半、ゲイである人やLGBTの方も出てくる。
    ただタイ社会でも性的マイノリティは差別されているのが現実であり
    (中央官庁や教師などの世界ではいない)
    あくまで性風俗産業を外貨獲得の手段として日本や他国に比べれば容認しているに過ぎないという。

    印象に残った点

    日本でコールセンターが普及し始めたには、フリーダイヤルサービスが導入された1985年以降のことだ。
    中略
    故にコールセンターはまだ数十年という歴史の浅い、割と新しいビジネスなのである。

    フィリピン中部、セブ島への留学斡旋業者に以前、聞いたことがあるが、英語留学する場合、渡航先で英語力を高められるかどうかは日本にいる段階で
    ある程度決まっているという。
    「もちろん日本でできる準備は限られていますが、たとえば、過去に英語の授業を苦手としていても、初級者レベルの文法や単語を改めて勉強しておくことはできます。
    行ってしまえば何とかなると考えている人は、やはり苦労しているケースが多いですね。事前の準備する人は、それだけ英語力の向上に真剣に取り組みます。
    準備をしない人はやはり他人まかせなところが少なからずあり学びたい、身につけたいという意欲においてそもそも負けているのです」

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    投稿日:2021.12.14

  • yagimrm

    yagimrm

    このバンコクのコールセンターの仕事、「海外で働く」というと聞こえは良いけれど、実は学歴・職歴も語学力も必要ない、日本語が喋れれば誰にでもできる仕事。
    そのため日本の社会に馴染めなかった人や事情があって日本を出なければいけなかった人が流れついてきている。
    非正規で時給もタイで生活するのに精いっぱいなくらいで(当然日本円に換算するともっと安い)日本語しか使わないので、貯金ができるわけでもなく何のスキルも身につかないまま、日本よりも居心地の良いタイでだらだらと生活し続ける人たち。日本に帰るお金も、もしものことがあったときに使えるお金もない。
    その中にも働きながら語学や起業などの勉強をしたり、ちゃんと将来のことを考えている人もいる。
    そんな人たちにインタビューをしたという内容。

    まず、こんな世界があったんだ…と衝撃を受けた。
    どの企業がこういったやり方をしているのだろうというのも気になったけど、さすがに実名は出せないよな~

    もし海外で生活したいという気持ちがあるなら、こういった会社ではなく語学なり勉強してもっと収入も社会的地位もある会社で働いた方が良いと思う。

    いつもこういったジャンルの本を読んでいて、他人事とは思えない。
    私は運良く自分に合った会社で、自分のことを理解してくれる仕事仲間と一緒に働くことができているけど、運が悪ければこうはいかなかったかもしれないし、この先そうなる可能性だってある。
    海外に行こうという発想にはならないだろうけど。
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    投稿日:2020.05.29

  • sai

    sai

    このレビューはネタバレを含みます

    時間をかけて取材をしっかり行ったうえで書かれた本。

    日本国内のコールセンターで働いたことがあり、東南アジアに1か月程度しか滞在したことがない私からみても、若干物足りなさを感じる。

    あと数倍、話の広がりがあるとなおよかった。

    ラオスの話は親近感があった。
    あの店、行ったことがあれば、なお楽しめた(- -)

    払ってもいい金額:900円

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    投稿日:2020.04.28

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