【感想】キャプテンサンダーボルト 下

阿部和重, 伊坂幸太郎 / 文春文庫
(73件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
19
28
15
2
1

ブクログレビュー

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  • Bookrium

    Bookrium

    子供の頃に野球を通して学んだことは全て役に立たというセリフが良かった。
    最近のコスパやタイバを重視して、 何でも安易な成果を求める風潮より、意味も分からずに一生懸命何かに打ち込んだ時代の方が好きだな。

    投稿日:2024.03.02

  • ますたぁ

    ますたぁ

    スリル感、スピード感抜群の映像的なストーリー

    小学生以来の悪ガキコンビ
    高校時代の過去の出来事をキッカケに、決定的に関係が疎遠になっていた
    ひょんな事から再び出会った二人が、世界を巻き込むような壮大な事件に巻き込まれる

    お互いに色々な事情で抱えた借金
    公開中止になった特撮映画
    ゴシキヌマの水を求める謎の組織と銀髪の男
    村上病の謎
    戦時中のB29の不可解な墜落
    テロ組織


    相葉時之と井ノ原悠という名前は、解説でも語られているけど、明らかにアイドルグループを意識してるよな

    二人の性格も真面目と不真面目、熱血とクール、猪突猛進と冷静沈着と対象的だけど
    特撮ヒーローものの「鳴神戦隊サンダーボルト」に思い入れがあるという共通点

    ターミネーターの如く執拗に、そしてタフに追いかけてくる銀髪の男

    謎の美女 桃沢瞳
    色仕掛けを武器に男から情報を引き出しつつ、彼女も何らかの事情を抱えていそうな雰囲気

    それにしても、冒頭の一文「ガイノイド脂肪に注目しろ!」のインパクトよ
    この文章はどっちの思惑なんですかね?
    伊坂さんっぽくはあるけど……


    戦後に発生した架空の病気「村上病」の謎
    新型コロナウイルスのパンデミック前にこの物語が書かれていたんだなぁ
    架空の物語ではあるけど、所々に人々の反応の答え合わせがされた気がする

    国が推奨するワクチン接種
    それに反発する人
    ワクチンのリスクとベネフィットの比較

    所々の設定に物語上の都合のよいファンタジー要素があるけど、実際にバイオテロを起いたら大変な事になるというのが実感できる

    ラストの展開ですけど、あそこの気密性ってどうなんですかね?
    確か人が閉じ込められたときのために通気孔があるようなものですけど
    ま、その辺のツッコミは野暮ですね

    色々と手こずらせたり、いい場面で活躍したりした犬のポンセ(仮称)
    助っ人外国人で巨人の選手ではなかったというヒント
    名前が何かの伏線や前フリかと思ったけど違ったな

    下巻のボーナストラックでも登場してるし、やはりマスコット的な立ち位置なんだろうなぁ



    物語としてはバディものにあたるけど、その執筆背景が何よりのバディものになっているというね

    阿部和重と伊坂幸太郎が打ち合わせして、お互いに担当する章を決め
    さらに出来上がった文章にまたお互いにガンガン手を入れてくという制作方法らしい
    お互いに手の入っていない部分はないとの事

    阿部和重さんの著作は一作も読んでないし、伊坂幸太郎は何作か読んだ程度だけど、設定や言い回しの所々から伊坂幸太郎っぽさは感じる

    世の中に、こんな制作スタイルで出版された作品って他にあるのかな?
    こんな特徴というだけでもこの作品に価値があると思える
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    投稿日:2024.01.25

  • じゅう

    じゅう

    阿部和重と伊坂幸太郎による完全合作の長篇ミステリ作品『キャプテンサンダーボルト〈上〉〈下〉(英題:Captain Thunderbolt)』を読みました。
    『クジラアタマの王様』 、『マイクロスパイ・アンサンブル』に続き、伊坂幸太郎の作品です。

    -----story-------------
    〈上〉
    世界を揺るがす秘密は蔵王に隠されている!
    大陰謀に巻き込まれた小学校以来の友人コンビ。
    異常に強い謎の殺し屋と警察に追われるふたり(と犬一匹)は逃げ切れるか。

    上巻には本編の一時間前を描く書き下ろし掌編小説をボーナストラックとして収録!
    現代を代表する人気作家コンビが本気でタッグを組んで生み出された、このふたりにしか書けない一気読み必至のノンストップ・エンタテインメント。

    女友達を助けたばかりに多額の借金を背負う羽目になった相葉の手にひょんなことから転がり込んだ「五色沼水」。
    それを狙う不死身の(ように見える)冷酷非情な謎の白人が、死体の山を築きながら彼を追ってくる。
    五色沼といえば蔵王の火口湖、そこは戦後にパンデミックを起こしかけた「村上病」のウィルスで汚染されていて、立ち入り禁止地域になっていた。
    この水はいったい何なのか。
    逃亡する相葉は、中学時代の野球部の悪友・井ノ原と再会、ふたりは事態打開のために共闘することに……

    東京大空襲の夜に東北をめざし消息を絶った米軍機。封印された映画に映っていたもの。
    謎が謎を呼ぶ100%ノンストップエンタメ。

    〈下〉
    俺とおまえで世界を救いに行こうじゃないか――
    稀代の人気作家ふたりが合作、その化学反応が生み出した問答無用のノンストップ・サスペンス。

    下巻には本編の後日譚となる書き下ろし掌編小説をボーナストラックとして収録!
    少年時代の悪友ふたりと一匹の犬が、世界を破滅から救うために大博打を決意する。

    逃走する相葉と井ノ原、そしてポンセと呼ばれる一匹の犬。
    二人と一匹を追撃する銀髪のロシア人。
    すべての背後にあるのは「村上病」をめぐる秘密らしかった。
    ウィルスの発生源とされる蔵王の火口湖「お釜」に何があるのか?
    そして主演男優のスキャンダルを理由に封印された戦隊ヒーロー映画に何が映っていたのか?
    太平洋戦争末期に蔵王山中に墜落した米軍機の謎を追う女性・桃沢瞳の助けも借りて謎に挑む二人(と一匹)。
    だが事態を解決するためには、あの銀髪の破壊者との直接対決は避けられない――

    平凡な男ふたりが世界を救うために命をかける。
    その胸にあるのは少年時代の思い出。ちりばめられた伏線たちが反撃のために収束、破滅へのカウントダウンが点滅する中で、人気作家コンビが腕によりをかけて紡ぐノンストップ・エンタテインメントは白熱のクライマックスに突入する!
    -----------------------

    純文学の旗手たる阿部和重と、ミステリ界随一の人気を誇る伊坂幸太郎… 異色の二人がまさかタッグを組み、ともにアイデアを練り、構想が固まったら一人がある章を書き、もう一人がそこに遠慮なく手を入れ、また戻し……というスタイルで執筆を進め、2014年(平成26年)に刊行された作品です。

    ゴシキヌマの水をよこせ―発端は山形のホテルだった… 借金返済のため一攫千金を狙う相葉時之は、手違いからテロリストに命を狙われる羽目に、、、

    絶体絶命の中、逃げ込んだ映画館で旧友・井ノ原悠と再会… 小学校時代の悪友コンビの決死の逃亡が始まる、、、

    破壊をまき散らしながら追ってくる敵が狙う水の正体は… 。

    蔵王・御釜が発生源とされる謎の疫病「村上病」… 太平洋戦争末期に蔵王山中に墜落した米軍機B29… そして、公開中止になった特撮映画… 世界同時多発テロ計画… これらに端を発する陰謀に巻き込まれた相葉と井ノ原は、少年時代の思い出を胸に勝負に出た、、、

    深まる謎と追走劇の果て、明かされる真相とは? ちりばめられた伏線が反撃のために収束する、謎とアクション満載の100%徹夜エンタメ! 巻末に書き下ろし掌編小説を収録する。

    少年野球の仲間だった相葉と井ノ原が、蔵王の御釜に関わるテロ組織の陰謀に巻き込まれていく物語… 銀髪の怪人や髭面男などから追われる中、村上病やB29の墜落、幻の戦隊ヒーロー映画など、様々な要素が絡み合っていくスリリングな展開が愉しました、、、

    危機的な状況でもユーモアを忘れない相葉と井ノ原のナイスコンビが良かったですが… 映画館のれい子さんやレッドこと赤木さんなど、個性的な脇役も魅力的でした。

    世界同時多発テロや細菌兵器等、不確実な現代に起こり得る社会的なテーマを取り上げていることも印象的でしたね… でも、それが暗く描かれているわけではなく、少年野球で学んだ「諦めなければ逆転がある」という信念を貫き通す相葉と井ノ原の行動が希望を与えてくれますね。

    加筆されたボーナストラックで描かれた再会シーンが良かったな… 伊坂幸太郎と阿部和重という2人の人気作家の個性が見事に融合したエンターテイメント作品でした。
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    投稿日:2023.10.19

  • funfunddreissig

    funfunddreissig

    面白いは面白いけど、もしかしてお互いの良さがちょっとずつ消えている感じでは…?阿部和重の単著を読んだことないのではっきりしたことは言えないけど、伊坂幸太郎の良いところは薄まってしまってるような。テイストはふんだんに感じるけど。
    あとあまりにもご都合展開大団円という印象が拭えず、(私が読んだ他の伊坂作品もそういうものはあったのかもしれないけど、あまり気になったことはなかった)そのあたりの大衆小説とそんなに変わらないような。たしかに、「ヒーロー物」をモチーフにしているからこそご都合主義であってもみんな幸せになりましたという結末なのは分かるけど。もう一捻り欲しかった。(欲張り)
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    投稿日:2023.06.02

  • 本田 書太郎

    本田 書太郎

    上下巻の下巻って割と好き。「一冊の長編の後半」ではなく、「上下巻の下巻」が。上巻で登場人物の掘り下げが完了していて、尚且つ展開も盛り上げている状態で、初速の勢いがいいのが下巻。
    上巻も面白かったが、下巻はそのまま疾走感を保ったまま走りきった感じでさらに良かった。
    とは言え、伊坂作品の中では中の下くらいの感じ。個人的な好みとしては。★3〜4。
    と思っていたけど、ラストのボーナストラックが良すぎた。最高の読後感。
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    投稿日:2023.05.31

  • びん

    びん

    恥ずかしながら、これまで阿部和重さんを存じ上げなかったけれど、また一つ小気味いい本と作家さんに出会うことができた。伊坂さんとの共作との事だけど、どこまでか伊坂さんでどこに阿部さんのテーストがあるか意識することなく、ワクワクする気持ちのまま読み終えさせていただいた。 キーワードが沢山ありながら、相葉君と井ノ原君の逃走の間にその一つ一つが解き明かされいく流れがとてもいい。彼らコンビに、物言わぬはずのポンセ(?)もなかなかいい味とリズムを加えてる。(o^^o)続きを読む

    投稿日:2023.04.29

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