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皆川 博子 / ハヤカワ文庫JA (21件のレビュー)
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小さな図書室
皆川博子の短編集は予想をはるか超えて手強い ユーモアあるのはタイトル作品の[猫舌男爵]のみ 苦痛を知る一冊だった
投稿日:2023.12.13
stderror
5編の短編のうち「睡蓮」「猫舌男爵」が特に面白かった。 どちらも地の文がなく、手紙や日記をめくりながらストーリーを埋めていく文章で、その開き方が鮮やかで気持ちい。 皆川さんの著作を読んでいく中で、鶴屋…南北や鎌倉権五郎などのモチーフに複数回出会えるのが少し嬉しい。続きを読む
投稿日:2023.01.01
枝乃
このレビューはネタバレを含みます
短編集。表題作は、読めない日本の稀覯本『猫舌男爵』を巡る外国人翻訳家ヤンと関係者の話。ヤンの余計な気遣いで家庭崩壊しかけているコナルスキ氏が、最後に一応の平穏を取り戻してよかった。「睡蓮」手紙を遡るごとに女性画家の真実が見え、その生涯を噛みしめながら、彼女の美術展に赴いた気持ちになる。「太陽馬」ロシア内戦下で、少尉に随従するコサック兵の秘話。物語を託された側は生き抜いて欲しい。他二作品。
投稿日:2022.07.27
まっしべ
タイトルからの直感のみで棚差しから購入。 解説まで読んではじめて、この作品集の肝が理解出来た。 一見すると全くバラバラに独立した五つの短編集のようで掴み所がないが、丁寧に読み込むことで物語同士が共鳴するとは驚き。読み手が気づく事で、各物語の’孤独’が救われる。 第一印象では「オムレツ少年の儀式」「猫舌男爵」が好き。結局、猫舌男爵についてはわからずじまいだったが、みんな幸せな結末を迎えてなにより。 繰り返し読み必至。 1刷 2021.6.12
投稿日:2021.06.12
brightlog
皆川博子は過去の異国へ誘ってくれるから好きだけど、何かしらのトラウマを残していくので、もうちょっと当分はいいかな…という気持ちになった。『水葬楽』、『睡蓮』は良かった。
投稿日:2020.11.03
橘
面白かったです。 SFとコメディと幻想と…いろいろな色のお話たちでした。 表題作は笑い過ぎました。皆川さんこういうのもお書きになるんだ。ハリガヴォ・ナミコが皆川博子のアナグラムって気付かなかったけど……そして皆川さんの初期?に針ヶ尾さんのお話あるのですね。 「私は猫です」の活用…確かに、これ読んでると日本語ってつくづく変わってるなと思います。 結局誰も「猫舌男爵」を読めていないし、話も噛み合わないのに、ラストは皆さん幸せになる。良いなぁ。 「水葬楽」がとても好きでした。 死が近付くと容器に入り、液体の中で暮らす人々。それを見詰める兄妹は結合児で…。選別された妹だけど、なかなか衰弱が始まらないのがゾッとします。Back Ground Poemがとてもいい雰囲気です。 「オムレツ少年の儀式」もラストの鮮やかさ!と思います。 「睡蓮」も良かった…書簡を時系列の逆から描いていく。これは狂う、と思いました。エーディトの絵、見てみたいです。 「太陽馬」の作中作が好きです。ナチュラルに、内戦中のロシアの描写と繋がるのにおおっとなりました。 解説がヤン・ジェロムスキくんだ!熱い文章で笑ってしまいました。訳者の垂野さんは実在するようなのでこの方の文章なのかな?面白いです。続きを読む
投稿日:2019.12.21
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