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渡部昇一, フォルカー・シュタンツェル / 幻冬舎単行本 (2件のレビュー)
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将来の夢は旭川の笙吹いてる土方
このレビューはネタバレを含みます
渡部昇一氏の名を借りた詐欺本という感が否めない。 第一部までは、渡部氏とシュタンツェル氏のQ&A形式である。シュタンツェル氏の論に多少の疑問があるものの、渡部昇一氏による反論で昇華されており、天皇という存在についての再確認ができるものである。 問題は第二部だ。なんと第一部で渡部氏に否定されたはずの論が復活しているではないか!「天皇制」という言葉の連呼、八月革命説、護憲論が大部分である。 まず前書きで、万世一系の天皇は、国体の根幹であり、国民統合の象徴であるという事実があることを記述しているが、本文にはこう続く。 「皇族と結婚する一般人は、(中略)「象徴」としての立場を受け入れていくのであろうか」 「国体は(中略)帝国主義的かち植民地主義的に振る舞いはじめた当時の日本の政策を、イデオロギー面から正当化する目的」 「万世一系は創作である」 ここまで読めば、シュタンツェル氏の論旨は理解できるだろう。私はこれ以上は書きたくない。 他にも、引用される日本の歴史が誤っており、伝聞の形でそれの追及を避けようとしているのが見受けられる。 また、第二部はドイツで出版されたものの翻訳版であるとのこと。ドイツで誤った日本の文化・歴史が流布されていることを考えると、暗澹たる思いである。 この対談後に急逝された渡部氏が無念でならない。自分が主となる本の半分を、このような論旨で埋められるとは...
投稿日:2018.02.09
reso100
下の娘の推薦.天皇に関する議論としては目新しいものはなかったが,元駐日ドイツ大使へのレクチャーとしては非常にわかりやすい説明だと感じた.憲法に関連してシュタンツェルさんの言葉で「憲法はその成立過程を問…題視する必要はないと思います」は,西洋人が憲法についてこれまで見てきたことを踏まえた所から出てきており,非常に説得力のある意見だと思った.「国体」に関する議論は,やや古い発想だと思ったが,通奏低音のように日本人の考え方の中に潜んでいるようだ.続きを読む
投稿日:2018.01.01
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