ゲンロン0 観光客の哲学

東浩紀 / ゲンロン
(40件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
14
15
7
1
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • ピロロ

    ピロロ

    スラヴォイ・ジジュクを読むきっかけとなった。他の東の著作をほぼ読んでから読むことになった。しかし、そこにある家族論は知らず、その優れた要素を摂取することができたと思う。

    投稿日:2021.04.10

  • KAYUPAN

    KAYUPAN

    批評誌ゲンロンの創刊準備号の体裁をとっているが、実質は東浩紀のそれまでの著作を踏まえた単著思想書となっている。平易な文体で哲学者紹介や数学概念を横断しつつ、資本主義と国家の二重構造を往来する観光客としての思想的抵抗を提示する。第二部以降は第一部に比べ繋がりがなく、あまりまとまっていない印象を受けるが、それぞれ視点が異なっていてアイデアが興味深い。全体として説明が丁寧なので入門的にも読める。
    国家社会・共同体はつなぎかえのスモールワールド、コミュニタリアンの理想としての形式。対して帝国は、新規参入の成長と優先的選択のスケールフリー的な世界で、資本主義やリバタリアンの主眼である。これら二層構造世界での抵抗として、郵便的マルチチュードが示唆されるが、それは自由で安全な往来が担保される観光客、換言すればつなぎかえの誤配、ルソー的憐み、ローティ的共感(偶然的矛盾をアイロニカルに受け入れる感覚)と言える。
    それまでのネグリ・ハートの否定神学的なマルチチュードは、信仰告白に収斂する神秘主義・ロマン主義的自己満足でしかなく、共通思想の「ない」連帯が帝国に抵抗する結びつきが「ある」と信じる物語である。
    偶然的に誤配される観光客を新しい人間の定義として指し示している。
    また、個人でも国民でも階級でもない単位として「家族」を提示する。国民でも階級でもない、必然性と偶然性を包含するアイデンティティ。親から見て偶然性の子どもが必然性に変わる。
    加えて別の視点から、情報社会での主体の構造を分析する。大文字の他者が不在のラカンを基礎に、ニコ生の構造を使ったイメージとシンボルの鏡像としての主体。
    さらに文芸批評的に、ドストエフスキーのテロリスト小説の主人公の弁証法的乗り越えから新しい主体を考察する。亀山郁夫のカラマーゾフ続編空想から見る新しい主体としてのアリョーシャ、運命を子どもたちに委ねる不能の父。「誤配を起こす親としても生きろ」というメッセージで締め括られる。
    続きを読む

    投稿日:2020.11.23

  • junwaka

    junwaka

    改めて読み直した。素晴らしい哲学書は何度読んでも読み応えがあるし、新たな発見があるなと再認識した。
    この本ほど大量の哲学者たちの引用&要約されているものはあまり読んだことがなく(特に要約力が高すぎる)、その圧倒的な読みやすさからも、この本自体があたかも哲学への観光のようだった。
    再読した現在、BlackLivesMatterデモが加速していて、なんでこんな地獄みたいな社会になったのだろうか、とぼんやりだけど切実なガッカリ感が自分の中にあったが、この本はそのガッカリ感に言葉をくれた気がする(直接的な主題ではないが)。
    とにかく素晴らしい本でした。内容はもちろん、読み物として素晴らしい。
    続きを読む

    投稿日:2020.06.02

  • tosyokan175

    tosyokan175

    緊急事態宣言が発せられた最初の土曜日。予定がキャンセルで引きこもり状態なったので、よし、積読解消モードだ!ということで2017年に毎日出版文化賞でチェックしていた本書を開きました。たぶん出版後すぐ読んでも受け取れることの多い読書になったはずですが、3年後このタイミングで読んだからこそ、の浸み込み度が大きかったと思います。今回のパンデミックによってデリケートなバランスで成立していたグローバルとナショナルの関係が崩れていく予感がしますが(同じ土曜日夜のETV特集でも世界の識者がそこ指摘してました…)、そのグローバリズムとナショナリズムの二層構造に分裂してしまった(それは今回のことだけではなくトランプ勝利やBREXITで顕在化はされていた)世界に対する哲学を創出しようという挑戦のプレゼンテーションでした。哲学というと難しいイメージがありますが作者の使う言葉は極めて明快で分かりやすく、分かりやすいキーワードで経済でも政治でもできない哲学ならではの現実世界へのコミットを指し示しています。そのキーワードは「観光客」。グローバルな仕組みとナショナルな社会を楽しみのために行き来する回路をそう呼んでいます。それはアントニオ・ネグリ、マイケル・ハートの「マルチチュード」という概念をベースに、作者が20年前から使っている「郵便」という概念でアップデートしたもの。「観光客」=「郵便的マルチチュード」なのですが、こうやってメモしているとなんのこっちゃ?ですよね。でも、読むとするする分かるのです。今回の災厄に対する危機感が難解な言説も本能的にわかるように鳴っているのかな?時々、東浩紀は読んできたのですが今回が一番するする浸み込んだ感じです。続きを読む

    投稿日:2020.04.12

  • tichinyo

    tichinyo

    ビジネスに染まった生活から距離をおいて物事を捉えるためのガイドとなる。後段の完成稿が読みたくなった。

    投稿日:2020.03.11

  • jkrabi

    jkrabi

    朝日新聞平成の30冊で読んだことのないモノを少しずつ読んでいる。

    人間が豊かに生きていくためには、特定の共同体のみに属す「村人」ではなく、どこにも属さない「旅人」でもなく、基本的には特定の共同体に属しつつ、時折別の共同体も訪れる「観光客」的なあり方が大切だという主張

    の出だしに「いいね」私は昔の知人から「以前は旅人だったのに変わったね」等と言われる。確かに実際の旅をすることは少なくなったが、色々な共同体でどのように私が役立てられるかを考えており、そういった意味では「観光回数の多い観光客」なのだろうかとおもい、楽しくなる。

    が、それ以降の話がさっぱり分からず。朝日新聞社とは合わないなと言う気もしてくる。
    続きを読む

    投稿日:2019.06.24

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

本棚の開き方(スマートフォン表示の場合)

画面左上にある「三」ボタンをクリック

サイドメニューが開いたら「(本棚アイコンの絵)」ボタンをクリック

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。