【感想】コミンテルンの謀略と日本の敗戦

江崎道朗 / PHP新書
(21件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
7
8
4
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ブクログレビュー

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  • エル

    エル

    2022年68冊目。414ページ、累計18,541ページ。満足度★★★☆☆

    旧ソ連は「コミンテルン」という世界の共産主義者ネットワークを構築し、世界「共産」革命を目指して、各国に対する工作活動を仕掛けた。つまり、スパイを送り込み、秘密裏にその国の世論に影響を与え、対象国の政治を操ろうとした。このソ連・コミンテルンの対外工作によって世界各地に「共産党」が創設され・・・。

    欧米では国際政治学、外交史の一分野として、この「スパイ」「工作員」による秘密工作について論じる学問が立派に確立されている。

    本書は、日本の敗戦にも深く影与えたコミンテルンの実態について、当時の文書から豊富な引用も行いながら浮き彫りにするもの

    新書ながら400ページを超える分量に、正直、後半は読み飛ばしたが、特に前半は読んで損がないと言えるだろう

    ただし、後半は前半に比べて少々退屈する内容なので、分量が半分でちょうど良かった。そのため、星は減点
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    投稿日:2022.11.10

  • wayuki

    wayuki

    いろいろ知らない事実があった。
    コミンテルンという旧ソ連発のスパイが、各国の内部に深く入り込み、分断を仕掛けている事実。
    第二次世界大戦は、彼らの工作に日本も欧米ものせられてしまった結果だと。
    その工作は今も続いているとあり、各国のコロナ対策による人権侵害や、ウクライナとロシアの戦いによる新たな冷戦突入は、全てこの共産主義インターナショナル(コミンテルン)の策略なのかと肝が冷える。

    日本はどう立ち回れば良いのか。

    本文の中で右派も保守自由主義と右翼全体主義とに分かれている、と指摘されているが、今の国のコロナ対応を見ていると、全体主義が優勢にも感じる。

    自由主義であり国の権力を厳しく監視する現憲法を護るにも、国防の話にすり替えられ、改憲派が優勢にも見える。
    真に国益を護る政治家がいてくれるかだが、国民ももメディアに煽りに感情的にならず、冷静に判断していかないとと思わされた。
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    投稿日:2022.03.13

  • たつ

    たつ

    戦前の国内、国外の政治背景や思想の根底を理解していなかったので読むことに苦労した。
    人物の相関図をイメージしながら読むことで理解がより深まると思う。

    投稿日:2021.12.11

  • だいちゃん

    だいちゃん

    このレビューはネタバレを含みます

     明治末期、大正、昭和初期の経済状況やマルクス主義の台頭から日本でもエリートを中心に社会主義思想が広がり、コミンテルンの工作をとてもやりやすい環境を作っていった。この大前提を押さえておかないとこの時代は全然理解できないなと感じさせられた。
     そして右か左かではなく、「左翼全体主義者」「右翼全体主義者」「保守自由主義者」と3つに分類するだけでも、相当なパラダイムの変化が起こる。
     社会主義・全体主義思想が蔓延っていた時代に、十七条憲法や五箇条の御誓文の意義を正確に捉えて、保守自由主義を主張した、吉野作造・美濃部達吉・小田村寅二郎や山本勝市には敬意を表するとともに、もっと調べてみたい。

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    投稿日:2021.07.11

  • dannyboy

    dannyboy

    戦時中の右翼全体主義者も左翼全体主義者も純粋な愛国心から行動しているものの、社会が分断し戦争が長引き国家が疲弊すればするほど共産主義革命が実現しやすいというコミンテルンの謀略にまんまと嵌っていたという論旨。

    「各自はベストを尽くしているのに、何故分断は深まるのか」という個人的関心事への示唆があった。例えば、分断を煽ったトランプ大統領は共和党だが、仮に極左のサンダースが大統領になっていた場合、(右派を徹底的に排撃するといった方法=トランプ大統領と同じ戦略で)やはり米国の分断は深めてしまっていたのではないか。
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    投稿日:2021.03.03

  • nobu2kun

    nobu2kun

    『#コミンテルンの謀略と日本の敗戦』

    ほぼ日書評 Day288

    厳密性の高いタイトルが良いタイトルとならない本の代表だ。

    「コミンテルン」などと言われて、ある程度の理解・イメージができる日本人比率は5%程度ではあるまいか?

    にしても一読をお勧めしたい一冊である。本書の主張の如何はさておき、耳障りの良いことを言ってすり寄ってくる輩が、いかなる害悪をもたらすかという観点で多くの真理をついている。

    本書の主張のメインは、直近で紹介した(ビーアド著による)"ルーズベルトに仕組まれた日米開戦"が外部要因にフォーカスした太平洋戦争解釈だとすれば、本書は日本政府の内部崩壊にその原因を求めるという点で、まさに対局をなすものだ。

    この「本筋」に関する感想については(新書版ながら)余りに深いものであるため、追って追記(もしくはコメント)での展開としたい。

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    投稿日:2020.12.11

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