【感想】直感はわりと正しい 内田樹の大市民講座

内田 樹 / 朝日文庫
(3件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • キじばと。。

    キじばと。。

    2008年から2013年にかけて、雑誌『AERA』(朝日新聞出版)に連載された著者のコラムをまとめた本です。

    この連載について著者は「あとがき」で、900字という分量は書くのにいささか工夫がいると述べており、そのコツとして「冒頭であるテーマを提示して「今日はこんな話をします」といったときに読者が「じゃあ、こんなあたりに話が落ち着くのかな」と予想した通りには絶対に書かないということです」と述べています。たしかに他の論者には見られない議論の進めかただと感じる一方で、いかにも内田樹らしいと思えるようなところに着地しているようにも感じます。

    時事ネタが中心ですが、そのなかでもやはり政治について発言しているものが目を引きます。大阪府の知事と市長を務めた橋下徹の「改革」について、あるいは民主党政権から自民・公明連立政権への移りゆきについて、そのときどきのネタに言及しながら、この国の「知性」の先行きに対する著者の不安が、ほとんど諦めに近いようなことばをまじえつつ、記されています。全体を通して興味深く読みましたが、気分が上向きになるような話はすくなかったように思います。
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    投稿日:2020.10.20

  • katsuya

    katsuya

    内田氏がAERAに寄稿していたコラムを文庫本化したもの。約10年前のもので当時の政治や経済、社会、文化など様々なテーマが取り上げられており、内田氏の指摘が短くまとまっていて読みやすく、理解しやすい。この人の指摘は鋭さというより噛んで言い含めるような浸透力にあるのだと実感。「貧しい人にもっとお金を配分せよというのは、金さえあれば問題は解決するという拝金主義の裏返し」「同じ仕事ができるなら賃金が一番安い労働者が良い労働者」「自分は知らないけどなんだか面白そうな話を排除しないセンス」続きを読む

    投稿日:2018.07.19

  • konnok

    konnok

    内田樹の直感はわりと正しいを読みました。
    内田樹の大市民講座という副題がついている、AERAに連載していた900字コラムを文庫化したものでした。

    内田樹の主張が平易な文章で綴られています。
    教育のあるべき姿と現状のギャップ、日本が直面している危機とそれに対する日本人の認識の誤り、現在の日本の病態は読んでいて肝が冷えることばかりです。

    後書きの最後に「『新しいもの』は、つねに思いがけないところから、それまでとはまったく違う文脈の上に登場する」そのような新しいものが登場することを祈りたい、と書いてあって、本当にそうだなあと思ったのでした。
    続きを読む

    投稿日:2017.11.03

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