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奥田英朗 / 講談社文庫 (18件のレビュー)
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総合評価:
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やしま
ビートルズのことはよく知らないが関心を持つきっかけになった。 奥田秀郎のデビュー作らしいが、心に傷を抱えた人が傷の原因と向き合い再生する話は、ドクター伊良部シリーズと通じるところがある。作者が書きたい…テーマなのかもしれない。 私もここ数年、人を傷つけたことを思い出しては罪悪感に苦しむことが増え、同時に趣味だった創作もできなくなった。自分の救いも求めるような気持ちで読んでいたので、もっと普遍的な救われ方をしてほしかった、というのが勝手な感想。 それでも、読みやすく気取らない文章と温かい読後感はやはり奥田作品。続きを読む
投稿日:2023.05.26
bukurose
敬愛するジョン・レノンに捧げる、人間賛歌、人間肯定の書と感じた。冒頭で1976年からこれで4年連続軽井沢で休暇、とありプラス4で1980年の出来事であと3か月くらいで、あっちへ行っちゃうのかと思ったら…、1976から、なので1979年の夏の出来事なのだった。ああ、あと1年ちょっと生きられる、となにか安心して読み始めた。 「イン・ザ・プール」とか「家日和」あたりは出版されると読んでいたがこのところ遠ざかっていた。「リバー」を読んで読み残したのを読みだしている。 これは奥田氏のデユー作。出版社持ち込み作。デビュー作にしてその後の作品の雰囲気が漂っている。 単行本の表紙はジョンの横顔のシルエット。ジョンの母の交通事故死とか、伯母とか、リンゴの前のメンバーとか、かのキース・ムーン、ブライアン・エプスタインとかビートルズの伝記に出てきた面々が奥田氏の解釈でお盆に生き生きと蘇っていた。・・奥さんの名がケイコでよかった。ヨーコじゃあまりにリアルすぎる。 1997.8.18第1刷(単行本) 図書館続きを読む
投稿日:2023.01.12
み
再読。かなり昔に読んだので詳しい内容は覚えてなかった。奥田さんのデビュー作ということも今回読んで初めて知った。忘れていたおかげで随分と楽しんだ。トラウマと向き合うという重くなりそうな内容なのにユーモア…があるファンタジーで、やっぱり面白かった。続きを読む
投稿日:2022.05.09
はる
最初ちょっと読みにくいお話だな…と思ってなかなか時間がかかりましたが、読み進めるうちに作者の意図が見えてきて面白くなりました。 初めのほうで脱落せずに最後まで読み切ることをお勧めします。
投稿日:2022.04.27
みみどり
某アーティストの史実と作者の実体験をフィクションとして完成したストーリー。 細かい、リアル、想像かき立てる、面白おかしい描写。ファンタジー要素もあり、最後は、まるで包み込まれるような小さな幸せを感じさ…せてくれました。 続きを読む
投稿日:2022.03.17
azeyan
本書は奥田英朗のデビュー作。 奥田氏が好きなジョンレノンが日本で隠遁生活をしていた4年間を実名は無しで面白くて哀愁があり、さらに勇気を貰えた傑作だ。 久々の奥田作を読んだが、その作家を知りたければ、… デビュー作とエッセイを読むようにしている。 今回はその作戦が当たった。 奥田作品の魅力は直木賞の『空中ブランコ』とか 『オリンピックの身代金』で感じていたが、 本作は上手さもさることながら、 ジョンに対しての愛情が感じられた。 便秘の症状をここまで書ける作家は初めてだが、 20年後のあとがきで奥田氏が書いている。 便秘は自分のコピーライター時代の経験からだ。 なるほど納得。 その便秘になったのが神経症だった。 その時に奥田氏が考えたのがすごい。 神経症で人に会うのがつらい、一人でできる仕事は無いか? 『そうだ、作家になろう』 それが作家生活のスタートを書いているのを読んで、 この作家の他の作品もじっくり読んでみたい。 早速、エッセイを読むことを決めた。続きを読む
投稿日:2022.03.13
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