【感想】ヤキトリ1 一銭五厘の軌道降下【地球総督府無償提供版】

カルロ・ゼン / ハヤカワ文庫JA
(12件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
1
3
6
1
0

ブクログレビュー

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  • じゅう

    じゅう

    日本の作家「カルロ・ゼン」の長篇SF作品『ヤキトリ1 一銭五厘の軌道降下』を読みました。

    本屋の海外書籍コーナーに置いてあったので海外の作家かと思っていたのですが、日本の作家でしたね… SF作品が続いています

    -----story-------------
    『幼女戦記』カルロ・ゼン×『オーバーロード』so-bin
    圧倒的絶望からはじまる、戦争SF新シリーズ開始!!

    地球人類は国籍の区別なく、全員が商連と呼ばれる異星の民の隷属階級に落ちた未来世界。
    閉塞した日本社会から抜け出すため、「アキラ」は募兵官の調理師「パプキン」の誘いで商連の惑星機動歩兵――通称ヤキトリに志願する。
    米国人――「タイロン・バクスター」
    北欧人――「エルランド・マルトネン」
    英国人――「アマリヤ・シュルツ」
    中国人――「楊紫涵」
    以上の四人との実験ユニットK-321に配属された「アキラ」が直面したのは、作戦遂行時の死亡率が平均70%というヤキトリの現実だった……。
    ウェブ小説の異才による、戦争SF新シリーズ開始

    ヤキトリとは――?
    汎星系通商連合航路保守保全委員会指定による惑星原住知性種管轄局選定により業務受託を行う国連・総督府弁務官事務所合同許認可機構によって認証される特殊宇宙保安産業への従事者。
    商連海兵隊の安価な代用品である。
    日本語由来のスラングで〈ヤキトリ〉と呼ばれている。
    なお、降下作戦での死亡率は平均して7割。
    -----------------------

    第一次世界大戦、第二次世界大戦の「使い捨てにされた徴募兵士」から着想を得て描かれた書き下ろしのミリタリーSF作品です… 気楽に読める作品でしたね。


    「商連」と呼ばれる巨大な星間国家の襲来を受けた「被発見日」以来、異星文明に支配され自治下にある地球… 日本に住む、「伊保津明」は収容所から逃れるため、商連の”調理師”である「パプキン」のリクルートによって商連軍の軌道歩兵「ヤキトリ」に志願する、、、

    米国人の「タイロン」、北欧人の「エルランド」、英国人の「アマリヤ」、中国人の「ズーハン」等の反りの合わない同僚たちとともにK321ユニットとして編成され火星の”キッチン”において訓練を受ける… そこで他の部隊と異なる訓練を受けるK321ユニットの5名は、既存の訓練を受けた部隊との野外演習(サーチ・アンド・デストロイ)において散々な成績しか得ることができず、悶々とした日々を過ごすが、そのうち、既存の訓練を受けた部隊に勝てない理由に気付く。

    そして、訓練に合格したK321ユニットの5名は実戦形式の降下作戦でも、最後まで諦めず、命令を再解釈して必要な決断を自ら行うことで生き残り、「ヤキトリ」としては初めて「商連軍」の本国艦隊に配属される! 5名の凸凹コンビが、仲違いしつつも、同じ目的に向かって、徐々に打ち解けていく展開が良かったですね、、、

    ここで本作品はお終い… 続けて次作を読みたいと思います。


    以下、主な登場人物です。

    「伊保津明(イホツ・アキラ)」
     日本人男性。「ヤキトリ」K321ユニットの一人。
     歪んだ日本社会に反発し、収容所送りになったところをパプキンにリクルートされた。
     独立心が強く、協調性に欠ける。
     以前はスラムで暮らしていたこともある様子。
     一巻の表紙。

    「楊紫涵(ヤン・ズーハン)」
     中国人女性。「ヤキトリ」K321ユニットの一人。
     中国の党官僚の娘。
     極端な性格ではないが、自己のペースをつらぬき、他人に合わせようとしない。
     二巻の表紙。

    「タイロン・バクスター」
     黒人の米国人男性。「ヤキトリ」K321ユニットの一人。
     アキラとの仲が良い。地球にいる家族に頻繁に電話している。

    「エルランド・マルトネン」
     北欧人男性。「ヤキトリ」K321ユニットの一人。
     礼儀正しいがズーハン同様冷めており、一匹狼めいたところがある。

    「アマリヤ・シュルツ」
     英国人女性。碧眼「ヤキトリ」K321ユニットの一人。
     積極的で意志が強く、高慢さが鼻につくためアキラとはしばしば罵り合っている。
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    投稿日:2023.03.18

  • アラタ

    アラタ

    『幼女戦記』が好きなので購入。使い捨てにされるのが常の兵士『ヤキトリ』の物語。
    面白いのは面白いのだが、面白くなるまでにかなり長い。前半は世界観の説明やキャラの性格描写を嫌という程丁寧に描いている。というか丁寧に描きすぎて「早く戦闘が見たいのに!」ともどかしかった。が、読み終えた今は結構満足している。丁寧な描写により出てくるキャラクターに少なからず愛着を持てるようになり次巻を早く読みたくなった。戦闘描写のみではなく彼らの生活を事細かに描くことで。
    ただ、主人公のアキラが何にでも噛み付くのはちょっとイラッとした。性格自体は好感が持てるのだが口が悪い!これもまた作者の掌の上なんだろうけど…何回も読み返したい作品。スウェーデン人は今の所かなり影が薄い。
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    投稿日:2021.02.26

  • 大将

    大将

    幼女戦記を読んで作者の文体に惹かれたので購入。異星人の来訪により没落した人類という設定はすごく好きだった。しかし主人公の性格が反骨心のある割に陰鬱だったり、頭は良さそうな設定なのに実際では理解が遅かったりと中途半端な気がした。周りの人物(主に主人公の仲間)も主人公と衝突したり、愚痴られたりで魅力が薄かった。話の展開としては面白かったので2に期待。続きを読む

    投稿日:2020.12.14

  • liulai

    liulai

    主人公のぼやきと登場人物との喧嘩口調の会話が最初から最後まで続いてちょっとウンザリ。
    戦闘の描写もお粗末でした。
    丁寧に読む本では無いなぁと思い、流し読みしてたら、一日で読み終えました。

    投稿日:2020.11.06

  • tsune105

    tsune105

    ミリタリーSF定番の兵士のベタな誕生物語のSF小説。

    先進国から没落した日本に生まれ育ったコンプレックスまみれな日さ青年が主人公なのだが、作品中盤までの主人公の罵り、葛藤が多すぎて読みづらく、読むの挫折か?と思ったほど。

    「エンダーのゲーム」のような印象的なラストで、挫折せずに良かったと思いつつ、今後のシリーズも期待できる国産のSF作品。

    流石、SFの安心と信頼のハヤカワ。
    続きを読む

    投稿日:2019.06.04

  • ender

    ender

    このレビューはネタバレを含みます

    人を食ったようなタイトルからはどのような内容なのか想像もつかない。

    商連と呼ばれる宇宙人に支配された地球で、惑星軌道歩兵の募集に応じて集まり、主人公と同じユニットを組むことになった地球人たちはひどく相性が悪く、とても一緒に作戦行動を取れそうもない。波乱必死の状況で、予想に違わずひどい目の数々に見舞われるのだが、逆にハラハラさせられるので、読む方としては面白い。

    タイトルもそうだが、商連公用語が「スリランカ語」となっており、当然のことながら何故に?と思うのだが、とにかく虚をつく、あるいは皮肉に満ちた表現が所々に見られる。

    あくの強い『エンダーズ・ゲーム』という印象を受けたが、それだけに爽快感も味わえる、そんな作品。

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    投稿日:2019.03.17

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