【感想】モモ

ミヒャエル・エンデ, 大島かおり / 岩波少年文庫
(1091件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
554
325
102
9
2
  • 忙しい大人に読んでほしい本です。

    少し前に読んだ本の中に、登場していた作品だったのですが、読んだことがなかったので図書館で探しました。
    児童書コーナーにありましたが、大人にとっても大切なことが盛りだくさんだったように感じています。

    『心を亡くすと書いて忙しいと読む』以前どこかで聞いた言葉を思い返しながら読み進めました。あとがきを読んで、著者の奥様が日本の方であることや表紙の絵も著者の手によるものであることも知り、是非紙の本で手元に置いておきたいと思っています。
    続きを読む

    投稿日:2017.11.14

ブクログレビュー

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  • りんご

    りんご

    子供の教科書に載っていたので懐かしくなり再読。余裕のある時、余裕のない時、大人、子供…その時の自分の状況で全く違った刺さり方をします。星5つじゃ全然足りない、何か大事なものを思い出させてくれる名作。

    投稿日:2024.04.14

  • 張飛

    張飛

    町外れの円形劇場に迷いこんだ不思議な少女モモの物語。童話の形式ではあるが、展開がスリリングで読めば読むほど続きが読みたくなる。また、「聞く」ことや「時間」についても深く考えさせられる。登場人物や登場亀?も個性豊か。ぜひ、一度は手に取ってみてほしい名作である。続きを読む

    投稿日:2024.03.31

  • ごりらがらす

    ごりらがらす

    このレビューはネタバレを含みます

    青木真兵氏のオムライスラヂオにて話題に上がった本作品。児童文学なのか??ってくらいメッセージ性が強い。小学生の時に読んだら全然違う感想になっていたのだろうな。

    時間とは何か?本作品での時間は花で形容されており、時間の自然的な性質と神秘的な存在を上手に表していると思う。時間泥棒が葉巻にするっていう設定も面白い。

    人間的な生活とは何か?について考えさせられる作品だなって思った。科学技術が進歩して生活が便利になった現代社会。一方、資本主義、新自由主義が発展して全てが均質化され、何もかもが商品と化した競争の時代でもある。そんな競争の中では日々賃金を稼ぐこと、自分の商品価値を高めるために効率的に時間を使っている。子供達は小さい頃から塾や習い事をして社会に出る備えをする。つまるところ人間は歯車のひとつになって、せっせと社会という漠然とした大きな装置を動かし続ける機械奴隷のようになっているようにも見える。果たしてそれが人間的な暮らしなんですか??ってのがエンデのメッセージのような気がする。
    じゃあ人間らしい暮らしってのは何かっていうと、やっぱり(1)想像力を働かせること、(2)自然を受け入れること、にあるのではないだろうか。
    (1)については、子供たちがそれを体現している。円形劇場におもちゃがなくたって、自分たちの想像力だけで大航海の冒険に出ることができる。高度な人形のおもちゃや高度なルールのゲームを与えられても、真に楽しむことはできない。ジジも、モモといることで溢れ出るイマジネーションを物語にして話すときは活き活きとしてい(2)についてはベッポや時間の花から見てとれる。ベッポはどんなに長い道のりの掃除であろうと、まず直近の一歩を踏み出してその次はさらにまた一歩と、行先の長さに思い馳せることなく目の前の工程をあるがままに受けいれてこなしていく。人間の時間が花であることも、人間の存在が自然と寄り添ったものであることを象徴にしているように思う。

    なんか、ビジネスの世界にどっぷり浸かっちゃうと人間辞めることになりそうで怖いなって思った。本を読もう!そして自然の中に繰り出そう!

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    投稿日:2024.03.28

  • yoshi1114

    yoshi1114

    珍しく児童文学を読んだ。本書は今回初だが、ミヒャエル・エンデの作品は小学生の頃に読んだ記憶があり、とても懐かしい。まさか成人してからまた読むことになるとは。

    本書『モモ』はとても有名な作品らしく、むしろ大人向けではという声もあるようだ。
    ただ、読んでみたものの登場人物に感情移入できない。確かに時間や心の余裕は大事と思うけど、お金儲けのために昔からの居酒屋をファストフード店に改装したニノを良くないとも思わない。そこに居るイライラした客たちも、過剰に悪いように表現されているように思えてくる。このように感じる自分は、コスパやタイパを重視する「忙しい現代人」を普通のものと捉えてしまっているのだと思う。

    調べると本書の原著の出版は1973年。当時と比べ、世の中はどう変わっているんだろう?
    この先の長い人生、時には効率重視の考え方を横に置いて、「モモ」たちのように過ごして、自分の大事にしたいものを考えても良いのかもしれない。

    もし本書を小中学生の頃に読んでいれば、自分はどんな受け止め方をしただろう? 少し悔しくも思う。
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    投稿日:2024.03.27

  • こん

    こん

    今の自分が読むべき一冊だった。子供は時間に縛られていないってのと、そのことを子供に向けて伝えられるように平易な言葉で(日本語訳ではひらがなで)書いているのが、本の中でモモが成し遂げたことをエンデがやってやろうとしているようで、かっこいいと思った。
    「いちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん、わかるかな?つぎの一歩のことだけ、つぎのひと呼吸のことだけ、つぎのひとはきのことだけを考えるんだ。」
    「時間とはすなわち生活なのです。そして生活とは、人間の心の中にあるものなのです。人間が時間を節約すればするほど、生活はやせほそって、なくなってしまうのです。
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    投稿日:2024.03.24

  • K→T

    K→T

    ◯ 人間が時間を節約すればするほど、生活はやせほそっていくのです。(106p)

    ◯ ほらね、カシオペイア、あたしはやっぱりひとりじゃない。(282p)

    ◯ 不安と心ぼそさがはげしくなってその極にたっしたとき、その感情はとつぜんに正反対のものに変わってしまったのです。(329p)

    ★時短だ、タイパだ、効率化だ、睡眠時間も削って、朝ごはんも食べず、湯船に浸からずシャワーで済ませて、そうやって節約した時間はどこに消えたんだ?1週間が、1ヶ月が、1年が、びゅんびゅん過ぎ去ってゆく。これはきっと灰色の男たちの仕業に違いない。立ち止まって考えよう。ゆっくり話をしよう。
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    投稿日:2024.03.22

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