【感想】愛の夢とか

川上未映子 / 講談社文庫
(86件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
10
34
23
1
0
  • 川上未映子の魅力がつまった短編集!

    改めて、川上未映子の文章が好きなんだと再認識した。
    緊張感もあるけど、読みやすい文章。
    作品もそれぞれ、儚さだったり、切なさだったり、どうしようもなさだったりが真に迫ってくる。
    僕自身、短編自体が好きなんだけど、これは川上未映子の魅力がつまった短編集だと思う。
    続きを読む

    投稿日:2017.08.09

ブクログレビュー

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  • 青葉

    青葉

    はじめて読んだ、川上未映子の小説。7篇の物語の詰め合わせ。小説(短編集はとりわけ)は、読む前にまず目次を開き、その作家さんの言葉の選び方を見てしまうけれど、この本の短編タイトルはどれもドンピシャによかったな。「愛の夢とか」はもちろんだけど、「三月の毛糸」「お花畑自身」、「十三月怪談」は同じくらい好きだった。「日曜日はどこへ」もいい。私の日々の中にも確かにある、ちょっとした希望と絶望の両方を想いながら読んだ。続きを読む

    投稿日:2024.04.04

  • jaco319

    jaco319

    不思議な世界観なのに身近な感じがするのはなぜ
    独特な文体で別世界に引き込まれるけど
    ふと「ああなんかわかる」と妙に現実的
    死んでしまった後の気持ちのぐるぐるするあたり
    ちょっとふっと泣きそうになった

    投稿日:2024.04.01

  • はる

    はる

    うまく言葉にできないということは、誰にも共有されないということでもあるのだから。つまりそのよさは今のところ、わたしだけのものということだ。

    終わりは終わりの顔をしてわたしたちを訪れるようなことはこれまでだってなかったし、これからだって決してない。何かとよく似た顔をしてやってきて、通りすぎたうんとあとにあれが最後だったと気づくだけ。続きを読む

    投稿日:2024.02.23

  • ma

    ma

    このレビューはネタバレを含みます

    限りなくリアルに近いファンタジー。面白かった。
    やっぱりこの方の文章はすごく美しくて、大好きだなと思った。

    十三月の怪談、時子視点の終盤でどんどん平仮名が多くなっていくのがおもしろかった。それだけ認知とか感覚とか意識が遠のいて、揺らいでいってたのかな。多分時子が死後見ていた世界は幻想で、それは潤一も同じなんだけど、たしかに2人はそこにいて、「本当」ってなんなんだろうってすごく思った。

    「いまがいつだって、それにここがどこだっていいじゃない、いまふたりでここにいることはどちらにしたってほんとうのことなんだから」

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.02.19

  • inome

    inome

    筆者の作中には、ピアノ曲の描写が登場することが間々ある。私はそのピアノのまるい音色や楽曲の印象を光のようにあらわす言葉で、それが好きでも嫌いでもすっかり世界に入り込んでしまうような瞬間にいつもうっとりする。続きを読む

    投稿日:2024.01.31

  • rvhw

    rvhw

    難しい話もあったけど
    やっぱり綺麗な表現をされる方で読み終わって世界が違って見えた。
    また色の違う短編集で汲み取りきれない作品もあったけど2つの作品がすごく好きでそれについて言及したい。

    「愛の夢とか」
    なんだかんだで私にとって身近なピアノが題材。
    何歳になってもどんな状況でも自分が決めてやり遂げたいって決めたことに向かって努力することって本当に美しいことなんだと客観的に思えた。
    同時に、音楽はそれだけ人の心を動かす何かがあるんだとも感じた。
    読み終わってすごくピアノが弾きたくなったな。

    「十三月怪談」
    この状況でこの作品に出会えたことは運命だったのかな。
    年始の色々で今生きていられることに感謝しなきゃと思っていた私にさらにそのことを強く思わせてくれた。
    死んでしまったら何もできない、でも生きていればなんだってできる。
    いつか死ぬ恐怖に怯えるより生きていられる今に感謝してしたいことをたくさんしよう。
    「死」は突然全てを変えてしまう。それは突然訪れるかもしれないしゆっくり訪れるかもしれない。「死」に関わった人の人生すらも変えてしまうかもしれない。
    でも、それでも私は生きてる。あなたは生きてるでしょ、そう伝えられた気がした。
    1時間もかからずに読める作品なのに読み終える頃には泣いてた。
    不思議なお話なのに、なぜだか涙が止まらなかった。
    続きを読む

    投稿日:2024.01.06

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