【感想】緋の天空

葉室麟 / 集英社文庫
(19件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
2
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8
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ブクログレビュー

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  • 眠る猫

    眠る猫

    天皇の娘以外、臣下の娘でありながら、初めて皇后となった光明子の話。
    元明、聖武の時代を光明子の視点から描いたもの。
    永井路子さんの美貌の女帝が元明天皇(氷高皇女)視点なので、そのちょうど反対側といったところ。

    この本の長屋王は野心が強すぎる印象だけど、それぞれの歴史の点と点の間が小説として繋がって面白く読めた。
    この時代は、蘇我の血を受け継ぐ娘達、持統天皇からの元正、元明と藤原一族との皇位をめぐる駆け引きの執念を描いた永井路子さんの本の方がしっくりくる。

    弓削清人、光明子が子供の頃からお互い知っていたという設定も面白い。

    聖武天皇と光明皇后はある意味では、長屋王の祟りに苦しめられてその半生を送り、仏教に傾倒し、慈善事業に務めていた。

    光明皇后が亡くなってからの話は無くてもいいかな。
    最後がバタバタと駆け足な印象が残ったのは残念。

    この時代は姻戚関係とか複雑なので、永井路子さんの小説のように、重要な人達の系図があると良かったと思う。

    追記
    改めて永井路子さんの美貌の女帝を読み直す。
    やはり、この本での光明子が元正を尊敬し、元正が光明子を気遣うという設定は違和感があり、尊貴の血にこだわる持統天皇から元正までの流れ、心の動き、長屋王の変のくだりなども永井路子さんの考察がしっくりくる。

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    投稿日:2023.07.14

  • haho

    haho

    なんだろう、史実と幻想が混ざっていて途中ファンタジーかな?と感じたり。光明子は〜と思った。など、客観的視点からの箇条書きが多く感じられて、うまく頭に入ってこなかった…

    投稿日:2023.02.26

  • ぴあ野

    ぴあ野

    春の奈良旅以来続く、光明子ブームの一環。
    長屋王の長男・膳夫(かしわで)との、ほのかな想いがポイントとなっている。
    二人に加え、聖武天皇、あの道鏡まで同年だった・・・
    それを知ったときの作者の小躍りする姿が見えるよう。

    一番、読んでいて印象深かったのは、
    彼らの少年時代の冒険の一コマ・
    たぶん、作者は、ここから物語の発想が膨らませたのではないかと
    勝手に思っているほど、心惹かれている。
    大河ドラマ「女城主直虎」で主人公らが井戸を囲んだ幼い日々と重ねてしまった。
    どちらもとても好きな場面。
    後に道を違えることになったとしても、幼い日、共に過ごした記憶は
    きっと心に残っているはずだから。

    小説のこのあとは、正直ね、普通の光明子の物語。
    膳夫は、里中満智子版の長屋王のよう。
    とにかく魅力的な爽やかな男。
    対して、本作の長屋王は・・・ちょっと残念なお父さん。
    でも、私利私欲に走るわけではなく、皇族として臣下・藤原氏の台頭を
    案じ、心砕いた末のこと。

    長屋王事件のあとは、小説もあっけない。
    なんだかな、物足りないな・・・
    けれど、あの少年の日の冒険があるから、私には満足。

    あまりに心惹かれ、
    膳夫と姫の出会いとなった、平城京をちょこっと歩いてしまったほどw
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    投稿日:2022.12.29

  • masato

    masato

    これはついていけなかった(笑)
    奈良時代、聖武天皇の皇后として生きた光明子の物語。
    この時代の歴史ものって読んだことが無いと思う...

    登場人物の名前は記憶の片隅でなんとなく覚えがあるぐらいで、この時代背景やその人物たちのなしたこと、事件など、すっかり忘却の彼方で、再び奈良時代の日本史をこの物語を通じて学び直している感じ(笑)
    なので、どこまでが史実なのかもよくわからず、日本史の教科書を読んでいるような感じになってしまいました(笑)

    本書を通じて「長屋王の変」というもものを理解しました。
    そういうことがあったのね。
    そして、それが光明子に与えた影響。
    天皇を支え、国の為に尽くす!

    葉室さんの描く女性像はいつも芯が強い

    しかし、この時代の天皇位継承も現代とは逆の意味で大変だったんですね。
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    投稿日:2022.10.16

  • なー

    なー

    このレビューはネタバレを含みます

    主人公は光明子かな。
    藤原不比等の次女で、母親は県犬養三千代。首皇子こと聖武天皇の妻となり、孝謙天皇を産んだ女性。彼女の一生を追う体裁を取っている。

    文武天皇が早世し、首皇子(聖武天皇)が成人するまでの中継ぎとされている元明・元正天皇母娘ですが、平城京を作り、『古事記』『日本書紀』を編纂させ…と、大きな功績を残してるんですね。海の向こうで女王様が亡くなったばかりですが、女帝、良いかも。

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    投稿日:2022.09.17

  • ほくほくあーちゃん

    ほくほくあーちゃん

    光明皇后がメインの話。
    幼少期の安宿媛(あすかべひめ)から没年まで。

    光明皇后の名の通り、光を照らしたような人物だった。
    そして、長屋王の息子の膳夫(かしわで)との
    恋とは言いがたい、ほのかな気持ち
    聖武天皇(首皇子)との国を思う気持ち。
    光明皇后もいろんな思いを背負って、
    政をしてたんだなぁー、って思ったよ。

    個人的には、頭の中が「天上の虹」での設定に
    なってるので、
    「長屋王は、こんなに悪いやつじゃない!!」ってなったー笑

    天武天皇や持統天皇、穂積皇子、但馬皇女、大津皇子など
    もぅ、たくさん名前が出てきて、
    私にとっては幸せ過ぎましたー!!
    が、きっと、知らない人が読めば「?」だと思うー笑

    終わり方が少し怖かった。
    孝謙天皇と道鏡の今後に繋がるように思えたよ。
    続きを読む

    投稿日:2021.12.08

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