谷崎潤一郎犯罪小説集

谷崎潤一郎 / 集英社文庫
(69件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
13
26
16
0
1

ブクログレビュー

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  • こうちゃん

    こうちゃん

    このレビューはネタバレを含みます

    短編アンソロジーである。谷崎潤一郎の耽美性が満ち満ちている。『柳湯の事件』、『白昼鬼語』が特に好きだ。読者はもてあそばれて、魅せられる。読む前は実在の犯罪をもとに書かれた作品だと感じてたが、そうではなかった。潤一郎ワールドが甘美に展開されていた。纓子にくるおしい思いを遂げてしまった園村はさすが潤ちゃんである。『痴人の愛』のナオミを思い起こした。「犯罪小説」の話から脱線してしまった。

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    投稿日:2019.06.19

  • イワトビペンギン

    イワトビペンギン

    谷崎の小説を読むのは、これが初めてだ。一般には、『細雪』『痴人の愛』『春琴抄』あたりから入り、氏独特の耽美的な、官能的な、あるいは変態的な世界を楽しむのだろう。そしてその世界は、谷崎をもってすれば、わざわざ「犯罪」という要素などなくとも、純文学の世界で十分描くことができる。
    この本を手にしたのは、したがって、読み手である自分が単に「ミステリーが好き」ということにのみ由来する。が、読んでみて損はなかった。
    解説で渡部直己も言及しているが、最初に感じたのは、いずれの物語も(本書には四編の話が収録されている)実にポー的であるということだった。筆名をE・A・ポーからとった江戸川乱歩に大きな影響を与えたというのも、むべなるかな。ミステリー小説の祖といわれる乱歩に先駆けて、谷崎がミステリー小説をものしていた、というのも新たな発見だった。
    これらの小説が書かれたのは、大正年間のことであり、舞台は東京ではあるが、当然今の東京とは風景そのものが異なる。犯罪現場を壁に開いた木のふし穴から覗くというのは、現代の常識では思いつかないが、「ふし穴」から「覗く」という行為そのものにも谷崎特有のマゾヒズム的変態性が見てとれるように思う。その意味で、たまさか出会った谷崎の犯罪文学集ではあったが、読んでみて、これほど「谷崎文学入門」に相応しい小説もないのではないかという気がした。
    なぜなら「犯罪」というテーマを前提としているがゆえに、そこにいくらかのフェチズムや耽美浪漫といった要素は多かれ少なかれ含まれるという共通認識は、これをテーマとする物語を読む者の共通認識としてあるだろう。この、共通認識のおかげで、読み手は谷崎のアクの強い世界に足をとられることなく、程よい谷崎の変態っぷりを楽しむことができるからである。
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    投稿日:2019.04.19

  • haz3

    haz3

    凄く面白かった。100年前、信じられない。
    尖った人間性というか性癖をがっつり出して魅力的な登場人物たちを描きつつ、後世のミステリに普及する幅広い視点も兼ねたよい作品でした。

    投稿日:2019.04.12

  • D-Rinn

    D-Rinn

    期待以上の面白さ!谷崎文学らしい艶かしさもあるし、ミステリー要素もばっちり体験できる。うーん、好きだ。

    全作品魅力的だけど、しいて一番を選ぶなら『私』かな。
    一言で言ってしまえは、読者=私=…なところにトリック要素があるんだけどそのプロットがさらに狂気を醸し出してる。昭和の文学だけど、文章も読みやすいし。次は長編に再チャレンジしようかな。、続きを読む

    投稿日:2019.03.17

  • fujifujifuji

    fujifujifuji

    谷崎潤一郎、おもしろい!
    一気に引き込まれてしまいました。
    短編4作品。秀作揃いに唸らされます。
    大正時代の風情が趣深い。
    オススメの一冊です。

    投稿日:2019.02.11

  • inarix

    inarix

    小説を書いていなければただの変態なおっさんだったんじゃなかろうか。
    そんな谷崎潤一郎の名とタイトル「犯罪小説集」の文字と並ぶのは、紅い林檎飴で口元を隠した、もの言いたげなツインテールの少女。絵面がなんともいかがわしい。
    ……すごくいい! 表紙カバーにこのイラストを選んだ編集者は良い仕事をした!

    収録されているのは、ある弁護士の事務所にとつぜん現れた青年が、もしかしたら自分は人を殺したのかもしれないと告白する「柳湯の事件」。湯河の目の前に現れた私立探偵を名乗る男が、馴れ馴れしくも彼の前妻の死について推理を語る「途上」。学生時代、寮で起きた窃盗事件を回想する「私」。殺人の日時を示した暗号のメモを手に入れたという友人に振り回され、深夜の人形町で目撃する殺人の顛末を描く「白昼鬼語」。いずれも日本における推理小説の原点となった4篇。

    谷崎にかかれば罪深い妄執や狂気すらも妖しい美しさを帯びてくる(気持ち悪さも大分ある)から不思議。
    続きを読む

    投稿日:2018.11.07

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