物理学者、ウォール街を往く。―クオンツへの転進

エマニュエルダーマン, 森谷博之, 船見侑生, 長坂陽子 / 東洋経済新報社
(8件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • kupange

    kupange

    物理学者が金融業界に転身し、クオンツとして働く中で見てきた実態。
    トレーダーや同僚といかにしてモデルを作り上げてきたか。その中での論争や、やり甲斐。
    本音で書かれていて、悪くない。

    投稿日:2012.11.21

  • kumakuma60

    kumakuma60

    このレビューはネタバレを含みます

     素粒子物理学者から、話題のウォール街のクオンツという、ファンドマネージャーみたいなことをやる職業に転進した著者の半生がつづられている。
     素粒子物理学といえばつぶしが利かない典型例のように思えるかもしれないが、まだそこからだって先に道はあるわけで、どこまで行ってももう終わりということはないのかも知れない。

     あなたが研究生活をリタイヤしようと考えている方ならば、2章から6章を読まれるとよいでしょう。研究生活の苦悩と決断が赤裸々につづられています。
     あなたが金融界での成功者としての著者を知りたいとお考えならば、9章から15章を読まれればよいのではないでしょうか。金融工学の実践史を知ることができるでしょう。そして、決して甘い世界ではないことも。

     本書は素粒子物理学の研究者からゴールドマン・サックスのクオンツに転進した著者の半生と周辺史を語った作品です。大学院時代の話で出てくる数々のビックネームには本当に驚かされます。そんな天才達に囲まれ、競争し、生活の糧を得るために転々とする生活に絶望し、著者は研究生活に挫折(本人の主観で!)することを決断します。
     最初の就職先のあまりの官僚的な組織に嫌気が差し、移った先は投資銀行。研究者時代に培った物理の知識とプログラミング技術を利用し、計量経済学の実践に励むことになります。
     ビジネスの世界はある意味お金を稼ぐことが全てです。クオンツはどちらかというと裏方の仕事なので、直接お金を稼ぐのはトレーダーの役目です。このため、いかにクオンツが利益に貢献しているかを示すための熾烈な戦いが繰り広げられます。このような、ある意味醜い争いについても、著者は正直に、自分の気持ちも含めて、描き出します。

     著者は包括的な金融モデルは存在しないと言い切ります。確かに、物理学においては自然界にある物体は、気まぐれに動いているようでも、何らかの規則性に従って動くと考えられます。しかし、市場を動かす人間は気まぐれです。例えば、降水確率50%と聞けば、傘を持っていく人、持って行かない人、そもそも家から出ない人など、様々な反応があり、しかもそれは気分によって変化します。そう考えると、市場を完全に支配する理論の構築などはできないのでしょうね。

     惜しむらくは邦訳者が物理や数学にはあまり詳しくなかったのであろうことです。当初は、全く文意がとれず、途中で読むのをやめようかとも思いました。でも、そこでめげずに読んだ方が絶対に良いと思います。

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    投稿日:2012.01.26

  • tomohirosr

    tomohirosr

    前半は物理学者時代、後半はビジネスマン時代の話。前半では作者の物理への深い愛やら尊敬が伝わってきた。それと同時に物理学で生計を立てていく大変さ、苦悩が書かれていた。後半はクオンツへ転身後の話。前半は物理学の話と同時に生活面が書かれていたのとは対照的に、債券モデルの話やゴールドマン、ソロモンの社風など仕事に関わる話がメインとなる。
    天才物理学者のクオンツへの華麗なる転身の話で、サクセスストーリーだけが書かれているのかと思っていたが、物理学でもクオンツでも苦労が耐えないという話が書かれおり予想外だった。
    時代も、スケールも全く違うが、理系院生から金融業界へ入社した私には、刺激になる本であった。

    ただ、専門性の高い本であると同時に、まさに英語の翻訳本という感じの文体が読みずらかった印象を受けた。
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    投稿日:2011.10.23

  • koheyyy

    koheyyy

    物理の内容に関する記述が多くていつも以上に
    飛ばし読みした。

    クオンツに関して特に新しい発見があったわけではなかった。

    投稿日:2011.09.22

  • オギノ通り

    オギノ通り

    ★物理と金融、絶妙なバランス★クオンツになる前の話が半分近くで、物理への尊敬が伝わってくる。自然の法則の発見する栄誉にあこがれる物理学者の野望、天才が競い合う研究の困難さと物理で職を得る難しさ、稼ぐために移ったベル研究所との肌合いの悪さ、ゴールドマン・サックスに移ってフィッシャー・ブラックと出会い見いだすクオンツの喜び、いずれも素直に伝わってくる。一度移ったソロモン・ブラザーズで感じたGSとの風土の違い(個人が尊重されておらず、ジョン・メリウェザーが別格として君臨する。GSは短い目では貪欲でなく長い目で貪欲、ソロモンは全てが自分のためで神は関係ない)に感じる居心地の悪さも興味深い。
     正統な自然科学を学んだものとして、モデルへの過度な期待を抑制するところに矜持を感じる。モデルはトレーダーに使われないと意味がない。金融工学は突き詰めても物理学のような明快な法則を導けるわけではない。なぜならデータは少なく、市場は作用と反作用が共存する。ある状況では正しいことが、別の状況では間違ったものとなるからだ。「経済学者が自分の理論に純粋な期待を持っているのに対し、クオンツに転じた物理学者は理論に過度の期待を寄せない。基本的な理論と、有用ではあるのだろうが現象学的なオモチャの相違を知っているからだ」。この一歩引いた感じが素晴らしい。
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    投稿日:2011.07.31

  • 忽那ゼミ

    忽那ゼミ

    タイトルが非常に気になったので本屋でそっこー買った本です

    前半は物理を

    後半は筆者がベル研究所、GS、ソロモン、GSと転職して言った経緯が書かれています

    まず前半を読んで感じたことは2つ

    1つ目は物理学のおもしろさ

    最近ひも理論からスタートして物理学に興味を持っていたのですごく興味を持ちながら読めました

    2つ目はPhDの人がいかに大変で苦労しているか

    僕らは大学の学部の中で一番忙しいゼミとか言われているが、そんなの世界の一流の大学から見るとまったく努力していない

    天才たちがこんなにも努力しても一流の学者になるのはほんの一握り

    物理学の大変さと自分の努力の甘さが非常にわかった


    後半で印象に残ったのも2つ

    オプション理論の大家、フィッシャーブラックの話とクオンツとトレーダーの関係

    特にクオンツとトレーダーの関係は僕の中で非常に勉強になった

    クオンツってのがどういう人が働いているのか少しでも興味がある人は読んでください
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    投稿日:2010.10.17

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