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栗本 薫 / ハヤカワ文庫JA (2件のレビュー)
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はむ
「さらしなにっき」 「忘れないで」 「峠の茶屋」 「ウラシマの帰還」 「走馬灯」 「最後の夏」 「パソコン日記」 「隣の宇宙人」 「さらしなにっき」 先輩の子どもの頃の思い出に登場する原っぱと洋館…と窓から見える少女。これ、語り手がその記憶を持つ当人だったら、高橋克彦の記憶シリーズになりそう。当人ではなく、見ている側の人間を語り手にした成果は最後の一行に。 「忘れないで」 日常から終末に接続されるタイプのSF。 「峠の茶屋」 最初の暴走族のあたりは、真面目なのかギャグなのか判断に困った。最後はそう持ってくるのかと面白かった。 「ウラシマの帰還」 栗本さんの「心中天浦島」と同系統の作品。まあウラシマだし。 「走馬灯」 短いんだけど、なぜか印象に残る。これぞワンアイディアもの。 「最後の夏」 作中後半、今いるこの日常が、とある思考によってそのまま人類の終末に反転させられる。栗本さんの終末ものの中では一番好みかもしれない。まさしく「かくもしずかでひっそりとしたほろび」。こうした、今の光景を一変させる作品はいい。 「パソコン日記」 ここから表紙イラスト詐欺(笑) ノリだなあ…… 「隣の宇宙人」 ノリが大事。続きを読む
投稿日:2013.09.17
sii
リリカルSFホラー。 「何とも言えない心細さ、たよりなさ、心もとなさ……夕ぐれどきの泣きたいようなやるせなさがぼくをとらえていた。まだ、まっ昼間、光あかるいビルの谷間の、都会の大群衆の中にいるという…のに。ぼくは原っぱなど知らない。青白い顔の少女も、白い古ぼけた洋館もない、ぼくはそんな幽霊などとは縁がないのだ。だのになぜ……ぼくはこんなにも淋しいのだろう?」続きを読む
投稿日:2012.01.17
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