雪盲~SNOW BLIND~

ラグナル・ヨナソン, 吉田薫 / 小学館文庫
(6件のレビュー)

総合評価:

平均 3.2
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ブクログレビュー

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  • 0071

    0071

    このレビューはネタバレを含みます

    あらすじ
    アイスランド。24歳のアリ=ソウルは、北の田舎シグルフィヨルズルに警官の仕事を見つける。レイキャビクに恋人といたが、理解されないままやってきた。上司には事件なんか起こらないと言われ、地元の人々からは興味津々だ。隣人のことなら何でも知っているほどの狭い町。
     地元には、大御所の作家が住んでいて、理由ありの若い女性が移り住み、デンマークへ一度引っ越した男が妻と共に戻ってきた。別の男のもとには、亡くなった父の知り合いだというデンマークの女性が宿泊している。それぞれ事情を抱えなが、娯楽は地元劇団だ。
     ところがリハーサルの夜に老作家が階段から転落死しているのが発見される。一度は事故で片付けられるが、続いて女性が刺されたのが見つかり、警察は捜査に乗り出す。

      アイスランドからまた良いシリーズが出た。大半の北欧ミステリーとは違う点は、主人公がめちゃ若いところと、比較的短めで取っつきやすい、悲惨な場面はあまりないってところ。登場人物たちの事情や過去が断片的に書かれるけど、深みもない代わりに複雑でもないから整理しやすい。淡々とした文章が、アイスランドの田舎の厳しい冬の様子に合っていて、物語に入り込めた。

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    投稿日:2019.07.29

  • シュン

    シュン

     アイスランドのミステリと言えば、エーレンデュル捜査官シリーズで有名なアーナルデュル・インドリダソンだろう。『湿地』『緑衣の女』でガラスの鍵賞連続獲得という快挙を成し遂げた彼の作品は世界各国で翻訳されたため、犯罪が極度に少ないと言われるアイスランドの首都レイキャビックを舞台にした珍しい国籍のミステリーとして名を馳せた。

     何故に犯罪が少ないかと言うと、アイスランドは人口は34万人と、そもそも少人間が少ない。しかも6割が首都圏に集まっている。国土面積は、北海道と九州を足したほどで、人口は旭川市とどっこい。札幌の人口の1/4にも満たない。

     ここで紹介する新しいアイスランド・ミステリの騎手は、ラグナル・ヨナソン。1976年生まれ。法律家やアガサ・クリスティ作品のアイスランド語への翻訳家としても活躍する新進作家である。本書もアイスランド語で書かれたものだが、人口を考えればミリオンセラーにはなり得ない。作家は、独り立ちするために翻訳されて世界に出てゆく必要がある。本書もまた、原書出版の5年後に英国とオーストラリアで英語化されたらしい。そこで素晴らしいことにキンドルのベストセラーリストの一位に輝いたという。まさに逆境から、立ち上がってきたシリーズ第一作なのである。

     このシリーズの主人公は、24歳にして新人警察官。レイキャヴィーク出身だが、雇用先は極北にある人口1200万人のシグルフィヨルズルという、舌を噛みそうな名の街。警察官はたった3人という小さな警察署である。しかも過酷なまでに雪と寒さに閉ざされた真冬の季節。日照時間は一日3時間。新米若手警察官であるアリ=ソウルの青春、恋愛、捜査活動を通して、まるで街こそが主人公であるような、冬の閉塞感に打ちひしがれる日々が描かれる。

     何人もの登場人物の目線で描き分けられる章立てでもある。猫の目のように入り乱れるそれぞれの人物の嘘や思惑、性格や秘密などが思わせぶりで、真実の核に辿り着くための何層もの皮むき作業を強いられているような気分になる。地方都市独特のそれぞれがそれぞれと何らかの関係にあるという複雑な人間模様の中で、若手警察官だけが今は余所者。この孤立感も作品全体に緊張を与えている。

     一方、かつてはニシン漁で賑わったが近年不作で人口が減少する一方のシグルフィヨルズルの海街。地方都市ならではの人々の生活が活写され、首都のレイキャヴィークではリーマンショックによる経済危機に対して大規模な対政府抗議活動が繰り広げられている時代背景なども描かれており、広義におけるうアイスランドという国の直面する課題も窺い知れる。北海道と共通す極寒の生活や、晴れた日の雪景色の美しさも含め、親しみを感じさせる描写も点在して、好感が持てる。

     この後、第五作・第二作の順番で英訳そして和訳(英語版からの邦訳)されているのだが、第五作がオーストラリアで再びキンドル版首位に返り咲いたことの影響であると思う。今年3月に、第二作『白夜の警官』も日本では出版されているので、ぼくとしては次は邦訳の成った第五作ではなく、先に第二作に取り組む所存。主人公の状況に一作だけでも多分な変化が見られるので、これから読もうという諸氏は、先に五作目に取りかからぬ方が賢明であるように思う。
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    投稿日:2019.04.28

  • lonelyrunner

    lonelyrunner

    最近多く見かけるようになってきた北欧ミステリー。
    他と同じく雪のためか、全体的に重苦しい雰囲気が漂う。
    人物描写があっさりで、またミステリーとしてはちょっとあっけないが、シリーズとのことで次作に期待。

    投稿日:2018.06.08

  • 如月久美子

    如月久美子

     『雪盲』が日本初上陸となる北欧ミステリ。
     事件など起こるはずもないアイスランド北端の小さな雪に閉ざされた町で、老作家の転落死事件が起こり、その後、女性が瀕死の重傷を負う事件が起こって、新人警察官のアリ=ソウルが真相に迫ります。

     話は、アリ=ソウルが町にやって来るところから始まります。
     閉塞的な雰囲気が、ずっと漂っているお話。
     アリバイ工作だのトリックだの、そういうのを見破る、ていう感じではなく、じっくりと捜査が進められていく感じ。
     日本とは警察の制度が違うから、最初は違和感があったけど、楽しく読めたかな。
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    投稿日:2018.01.20

  • ちょ

    ちょ

     日本に住み、都会や世界各国の名所というのは、あやふやだとしても情報がある。けれども、アイスランドのシグルフィヨルズルという小さな町を舞台としたこのミステリを読むと。夜のない世界。長い冬の時代、誰もかれもが知り合いである小さな世界。その普段目にしない環境を知るきっかけになる。

     主人公がほんとうにその辺にいそうなお兄ちゃんなのも面白い。これシリーズになるって本当なのか。どうなるんだ、とかね。
     続編に期待。
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    投稿日:2017.08.26

  • そのか

    そのか

    北欧の寒く閉ざされた雰囲気がよい。
    ミステリなのかはよくわからないけど
    もっとなんかどろどろした展開があるかと思ったけど割とあっさりだった

    投稿日:2017.07.31

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