【感想】不安な童話

恩田陸 / 祥伝社文庫
(46件のレビュー)

総合評価:

平均 3.3
2
17
18
5
1
  • 最後はちょっと面白い

    前半はとても重い感じで,読み進めるのが少し大変かも。
    後半は動きがでてきて面白くなります。

    最後の謎解きは古典スタイル。まぁ謎はだいたい予想がついたものの,一人以外な登場人物が・・・,そしてその人が最も怖いつぶやきをするところが読みどころではないでしょうか。続きを読む

    投稿日:2017.10.15

ブクログレビュー

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  • マッピー

    マッピー

    このレビューはネタバレを含みます

    面白かった~!
    もう最初っから引き込まれてしまった。
    核になる人物2人の情緒が不安定なもので、深読みしようとするとミスリードされてしまう。

    にしても、美人でエキセントリックな画家の倫子。
    画家としての才能には溢れていたかもしれないけど、人としてはサイテー。
    周囲を振り回し過ぎるし、我が子をすら愛しているようには見えない。
    これは子どもからするときついな。

    極度に人間嫌いだったはずの倫子の遺書が25年ぶりに発見されて、指定された人物に指定された絵を届ける倫子の息子に、成り行きから同行することになった万由子。
    そこで出会う人たちも腹に一物あるようで、人の記憶を感じ取ることのできる能力を持つ万由子は、徐々に倫子の秘密に近づいていく。

    ただちょっと、論理的に詰め切れていないところがあって、どれが真実なのかが揺らぐ。
    特に、「私のグレーテル」という台詞の意味が、ちょっとよく分からなかった。
    童話をモチーフにした絵を描いていた倫子とはいえ、息子を「グレーテル」と心の中で呼ぶ真意。

    あと、登場人物のどれもが非常にキャラクターが立っていて、なのに活躍の部分と部分の間がカットされているので、シリーズ化を念頭に置いた設定の出し惜しみかなとも思ったんだけど、今のところ続篇はない模様。
    万由子の上司である浦田泰山教授なんて、絶対シリーズキャラだと思うのだけど。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.03.02

  • 生活委員会

    生活委員会

    不思議な世界観と現実的な世界観の間をふわふわと行ったり来たりできるのが好きな所。

    すべて最後に一気に時がすすみ物語が動いていくのが面白かった。

    投稿日:2023.10.01

  • まぬえもん

    まぬえもん

    恩田陸らしくなく最後犯人がわかる。ホラー的な話かと思ってたら違ったんかいってなった。文体や雰囲気が好きではない。

    投稿日:2023.07.29

  • 馬南神空

    馬南神空

    怪力乱神が引き起こしたとしか思えない怪事件の解明は、不可能犯罪という本格ミステリの表看板の一つだし、ライトミステリを中心に、心霊探偵の類いは百花繚乱の観がある。しかし本作のように狭義のオカルト現象を扱うミステリは意外と例が少ないような。ミステリとしては一種の不可能犯罪ものになるのだろうが、ハウは大したことがないので、ホワイダニットになりますか。それよりも、お話がどんな地点に着地するかがさっぱりの、フワフワした感じが、むしろ心地よい。続きを読む

    投稿日:2023.04.02

  • sachichiii

    sachichiii

    このレビューはネタバレを含みます

    ある女性画家の遺作展を観に行ったところから物語は始まる。「見える」感覚のない自分にはわからないことだけど、怖くてたまらない気がする。得することもあるのかな・・・ 万由子は倫子の生まれ変わりなのか。遺言通りに絵を渡しにいくと、本当の倫子が、本当の秒が見えてくる。登場人物は少ないので犯人はすぐに絞れるのだけど、途中でまた事件が起こったりして、謎が増えるのに、解決に向かっているのかわからなくてどきどきした。真相への道が突然な気がしたのは、読み込めていない証拠なのかも。 恩田作品は解決した後の「独白」が好き。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2022.10.02

  • ばあチャル

    ばあチャル

    女流画家高槻倫子の遺作展に出掛けた主人公万由子が、展示されている絵から強烈な怖れを感じ意識をうしなってしまった。

    後日その画家の息子から「母の生まれ変り」ではないかと指摘されることから苦しみが始まる。画家は25年前に殺されたのだったから。

    なぜ、縁もゆかりもない「私」古橋万由子が知っているような気がするのか、画家を殺した犯人は?というあらすじ。

    「生まれ変り」伝説などというまがまがしさは苦手とひきながら読み進んだのだが、すじの面白さにぐんぐん惹きつけられ最後の展開になるほどと思わされた。

    クリスティの「スリーピング・マーダー」の結末も深層心理をうまく取り入れ、そのクリスティの筆運びの恐ろしさに背筋が凍る思いをしたものだが、勝るとも劣らない。

    オカルトでもないエンターテイメントでもない、サスペンス、サイコホラーとあらゆるジャンルを組み込んでミステリーで味付けしてある、稀有な作品とみた。

    恩田陸、3作目らしい。「六番目の小夜子」「球形の季節」と読み進んでくればきっとこの不思議なジャンルの物語にとりこになった読者も多かったのでは。

    私はその後の発展した作品を先に読んでいるので、恩田さんの才能を再確認したわけだが。

    恩田さん独特のおかしみのある語り口も健在確定である。(であるが、この語り口になかなか私は慣れ得ないのだが...)

    子供の頃に読んでもらった童話はずーっと覚えているものだ。とくに寝しなに読んでもらったものは...。怖ろしいことだ!
    続きを読む

    投稿日:2021.09.13

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