【感想】稲と米の民族誌 アジアの稲作景観を歩く

佐藤洋一郎 / NHK出版
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  • bqdqp016

    bqdqp016

    農学博士による、東アジアにおける稲と米の研究結果をまとめたもの。純粋な研究結果というよりも、研究旅行記といった方が的確かもしれない。書かれているのは、インド、タイ、ラオス、ベトナム、カンボジア、中国の6カ国。研究結果も興味深いが、旅行記部分も楽しく読めた。
    「世界には、世界三大穀類と呼ばれる種類がある。米、小麦、トウモロコシの三種で、額面上の生産高はトウモロコシが一位である。しかし、トウモロコシは家畜の餌として消費されたり、アルコールに加工されたりする分が多く、直接人の口に入る分でいうと、じつは米が世界一多く食べられている穀物なのである」p12
    「(米栽培には大量の水が必要)1キロの米を作るのに使われる水の量は3トンにもなるという」p13
    「(どこでも外食できるわけではない)自由に外食できる環境とは、食べるものに満ちあふれている特異的な環境である」p30
    「ここ30年足らずの間に南京の米はずいぶん美味くなった」p258
    「(ハイブリッドライス)市販の種子を播いてそれから次世代の種子を得ようとしても、ある場合には彼らは種子をつけず、また仮に種子をつけても、それらを播いてももはや同じ性格のものが出てくることはない。それらの品種は「エフ・ワン」といって、毎世代専門業者の手になる種子を買い続けなければならない。なぜなら、彼らがもともと「他家受粉植物」といってほかの株の花粉でないと受精できない遺伝的な仕組みをもっているからである。植物には他家受精するものと自家受精するものとがある。稲や小麦のように自家受精するものでも、他家受精でできた株のほうが自家受精でできた株よりもよく育つのだ。この原理を雑種強勢という。その詳しいメカニズムはわかっていない」p266
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    投稿日:2018.10.23

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