【感想】検察側の罪人(下)

雫井脩介 / 文春文庫
(83件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
13
23
36
3
1
  • 日本版、太陽がいっぱい

    正義とかそういうことより、私はこの本を日本版太陽がいっぱい、と読みました。青春の栄光と挫折です。
    傑作です。

    投稿日:2017.09.16

  • 歪んだ正義と貫く正義どちらも茨の道ですね。

    下巻に入り、作者が変わったのかと思わせるほどの、
    急展開です。でも、展開が早い分、一気に読み進められます。
    法律は万能な正義か!を問う話で、テレビドラマの「相棒」と通じるものがありますが、杉下右京ほど強くはなく人間性ある面々のストーリーです。
    この想いや苦悩がどう表現されるのか、どんな映画になるか楽しみです。
    続きを読む

    投稿日:2018.08.25

  • 人それぞれの正義の求め方

    公訴時効の持つ一面の不条理性を許さじと、別の殺人事件の犯人として極刑を受けさせようとする検事。
    現実には、あってはならない行為だが、それだけで割り切れないテーマを追求した作品で、多彩な登場人物の描き方が興味深かった。続きを読む

    投稿日:2018.10.27

ブクログレビュー

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  • mokamoca

    mokamoca

    前半に比べて後半の方が面白かった。
    尊敬する先輩検事の最上に付き、がむしゃらにやって来た沖野だったが、ある時から最上に対しての不信感が止められなくなる。
    結局、沖野は検事を辞めることになる。
    そこから、最上に対抗する道を選ぶ。
    正義を信じてのことだったが、その先にあったラストは本当に求めていたものだったのか…

    2024.4.9
    続きを読む

    投稿日:2024.04.09

  • mysterymanbo

    mysterymanbo

    加害者に更生の機会が与えられるのは、性善説がベースになっているから。さらに、育った環境や社会が悪いと甘やかし執行猶予を付けるのも量刑の相場となっている。
    そうした反省なき犯罪者の多くが、安易に再犯を重ね新たな被害者を生み出す。
    しかし、なぜこれ程加害者に優しい社会を維持する必要性があるのか、真剣に考えて欲しい。この仕組みで得をするのは、加害者と弁護士くらい。彼らは雇主と顧客の関係なので、再犯すればするほど、仕事が増えていく。そして、損をするのが被害者家族。死人に口なしとばかり、裁判でありえない抗弁をされたり、例え勝訴しても故人が生き返るわけでもなく、賠償金すら払われないケースさえある。このように被害者ではなく加害者側にとって有利な社会のまま放置するのにはわけがある。(人権を錦の御旗にする)弁護士にとっての人権という名の金づるは加害者であって被害者ではないから。もちろん彼らは、犯罪者の減刑のために雇われているので、被害者側の悲しみや苦しみを無視し、姑息な法廷戦術を平気で行う。仕事とはいえ、そこでは一般社会にあるべき良心や正義など期待できない。
    ってことで、このまま加害者優先社会でいいのだろうか?少年法や心神喪失による減刑などのあり方を含めて改めて問うべき。もちろん冤罪を防ぐための努力は必要です。
    さて、「正義とは何か」をテーマにした本書。下巻では、証拠捏造と殺人というワイルド7顔負けの私刑を行った検事の「正義」が問われる。結末は想定内だが、最終章が読ませる。とはいえ、沖野の最上弁護申し入れはやりすぎでしょう。
    おまけで星3つ。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.22

  • きじお

    きじお

    やはり、予想通りの結末。

    淡々と進んでいった印象。
    最上に忍び寄る捜査網がもう少し見たかったなぁ。

    松倉の最後はちょっとやりすぎか。

    投稿日:2024.03.21

  • AT

    AT

    このレビューはネタバレを含みます

    前半は沖野頑張れ立ち上がれという思いで読み進めた。それはこの国においては法によって全ての人間は従いそして、裁かれるべきだと。それは当然の事だと。信じて疑わなかったからだ。
    が、読了後にその思いはグラグラに揺らいだ。
    最上が捕まって、ざまぁ!とはならない複雑な気持ちを抱いた。

    陽の当たるところに居てそこで守られ、その中で問われる正義と、そうでない極限のところで問われる正義。そこにはどれだけ大きな解釈の差が有るのだろうか?
    陽の当たらない方の道を選んだ最上のその先は本当に人間の踏み込む領域では無かったのか?
    最上の行為こそ最も本来の人間臭い行いでは無かったのか?……犯した罪は消えない。それを知ってる者が居る限り。例え、法がそれを無かった事にしてしまったとしても……。(語弊が有るが。)

    結論は出ない。強いて言うなら……、どの立場に立たされているか。で、正義の概念も変わるのか。と。

    (に、しても松倉ーっ!ちと同情してたけど、最後の最後でムカっ!!あいつ、またやるよ!怒)

    悪者が捕まってめでたしめでたしで終わらない結末を用意したこの作品の奥行に拍手を送りたい。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.02.14

  • NFCC図書館

    NFCC図書館

    検察側の判断が逮捕見送りに決しようとする寸前、新たな証拠が発見され松倉は逮捕された。しかし、どうしても松倉の犯行と確信できない沖野は、最上と袂を分かつ決意をする。慟哭のラストが胸を締めつける感動の巨篇!(e-honより)続きを読む

    投稿日:2023.12.04

  • 豆大福

    豆大福

    久々の星5でした。
    下巻では徐々に追い詰められる最上の状況が素晴らしい。
    刑事もの、法廷ものでよくある決定的な証拠を見つけて、法廷であなたが真犯人だ!みたいな感じになるのかなと思いましたが、状況証拠をさがして、そこからは警察が動くリアリティのある内容が逆に良かった。
    どんでん返しや最後にスッキリ終わる刑事ものではなく、最後は切なく悲しい終わり方も雫井侑介さんの素晴らしいやり方だと思います。
    最初は仲が良くなかった最上家も最後の方は悲しい状況で奥さんが頑張って支えようとしてるところや、石狩鍋を食べたくても食べれないところなど涙が止まりませんでした。
    最上が捕まることで、ザマァ見ろと思えるかと思いましたが全然違います。
    彼は彼なりに正義を貫いた、法的には間違ったかもしれないが、正義を貫いたところが人として男としてとても魅力的だと思います。
    沖野のやり場のない気持ちも心に刺さります。
    これから映画を見ようと思います。
    このストーリーより心情をテーマにしている小説を実写化で2時間の短時間で表現できるのか不安です。
    見ない方が良かったと思うかもしれませんが、見てみようと思います。

    追記)
    映画を見ました。本当に残念です。
    映画の感想をここに書くのは間違っていますが、原作を読んでいないと分からないところ多数。
    沖野や最上の心情が全然ダメ。
    映画は星二つ。キムタクがかっこいいだけ。
    続きを読む

    投稿日:2023.09.28

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