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又吉直樹 / 文春文庫 (734件のレビュー)
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総合評価:
Dumpling Junky
もしかしたら
作者自身の事を赤裸々に綴ったのでは無いだろうか? 少し難解な文学の様な気がした。
投稿日:2021.03.03
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人が愛しくなりました
ネタバレで読みました。 切なくなるのが嫌で手に取るのが大分遅くなりました。反省です。 等身大の自分と理想の狭間で右往左往し、 上手く出来ずに失敗したり、妥協したり、挫折したり、 それでも悩みな…がら前を向いて歩く人の言葉には グッとくるものがあるし、 おバカな失敗や涙が愛しく感じるものだなと。。 作者を直接は知らないけれど、 心根の優しい人が書いてるんだろうなと思った。 荒んだ心が少しほんわりしました。続きを読む
投稿日:2018.09.21
全体的には
なんとなく無理に笑いを誘おうとした感じがした部分もあったような気もしましたが、全体的には楽しめました。
投稿日:2018.01.20
zaipek
人の心理
人が分かっている、分かってもらえていると期待をしながら生きている一方で、都度感じる孤独感と、それがあるからこその人生観を芸人という視点で良く表現していると思います。
投稿日:2017.12.29
ごろんた
意外とココロにやさしいお味
勝手に「お笑い芸人徳永とナイフみたいな先輩神谷のキツめのお話(それこそ「火花」というタイトルからも)」と思っておりましたが、作者又吉さんのすべての者に向ける愛情もあって、意外とココロにやさしいお味でし…た。ラストもよかったと思います。 (読んでて、私の脳内では勝手に、徳永=又吉、神谷=千原ジュニア になってしまっていたのは、自分でもどうかと思いました(笑))続きを読む
投稿日:2017.10.07
30代にオススメなマンガ本
1
【お笑いと人への愛情を感じる物語】
先輩芸人神谷を、お笑いの師匠と決めた弟子(徳永)との愛情がこめられた日常の物語。 お互い不器用な者同士。信頼・戦友としてお互いを大切にしているけど、ストレートな表現はない。そこを面倒と思ったり、…歯がゆいと感じてしまうと読むのは大変かもしれません。 神谷は売れっ子ではありません。でも、そんなことは徳永には関係ない。その才能に、人柄に引き込まれていく弟子の徳永。神谷とは違う道を迷い考える姿にも注目。 この小説は著者にしかかけないと断言できる程、お笑いと人にへの愛情あふれた小説でした。 続きを読む
投稿日:2017.08.22
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浮世
このレビューはネタバレを含みます
売れない漫才師・徳永からみた、芸人であるということと、その生き様。 『人と違うことをせなあかん』 そう繰り返す、4つ年上の先輩芸人・神谷さんを師として慕うようになってからの、芸人人生の苦悩や葛藤を描いた物語。 ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 印象に残った箇所をいくつか。 ○「喫茶店のマスターの厚意を無下にしたくないという気持ちは理解できる。だが、その想いを雨が降っていないのに傘を差すという行為に託すことが最善であると信じて疑わない純真さを、僕は憧憬と嫉妬と僅かな侮蔑が入り混じった感情で恐れながら愛するのである。」 ⇒見事な表現と描写。”僕”に映る神谷さんという人物は、これ以上でもこれ以下でもなく、純粋な人物なのだ。一度ついた汚れや皺は完全には取り除けないように、純真さは不可逆性を孕む。自分に対してある意味穢れの無い生き方を選択できる神谷さんに対して、もう戻れない道の先で、”僕”はこのような複雑な感情を抱くことになる。 ○「一見すると独特に見えても、それがどこかで流行っているのなら、それがいかに少数派で奇抜であったとしても、それは個性だと言えないのだ」 ○「たとえば一年を通してピエロの格好を全うするという人がいた場合、これは個性と言っていい」 ⇒神谷さんの、個性哲学。個性とは、目に見える能力だけではない。習慣も、個性となり得る、と。確かに。面白い。個性的であるには、盲目的でなければならないのかもしれない。いや、それだけではないか。 独自の習慣と思っていたことが、実は他の誰かが先に発明していたとしよう。それを知った時、模倣だと揶揄された時、その習慣を辞めてしまうことは、実に個性的ではない行動だと思う。”相対的な個”に成り下がってしまっている。 真の個性とは、”盲目であることを選択できる”ことではないだろうか。周囲の声を知っても、敢えて聞こえないふりをする、一貫した自己を持つ者が”絶対的な個”にふさわしい、などと。――――『人と違うことをせなあかん』 ○「神谷さんから僕が学んだことは、『自分らしく生きる』という、居酒屋の便所に貼ってあるような単純な言葉の、血の通った激情の実践編だった。」 ⇒上述した個性について考えると、神谷さんから学ぶ「自分らしく生きる」とは、実に含蓄に富んだ深い言葉であるように思う。実際、最後に”僕”が芸人を終える際、敢えて神谷さんには相談していない。模倣をやめ、周りの声を遮断している。 総括。数年後、また読みにくるだろうなぁ、と思わされる本だった。
投稿日:2024.04.15
とんかつ
この本を読むと本当に面白い人ってもはや面白くないんじゃないかと思ってしまうような、面白いってなんぞやというような芸人の世界の厳しさや美しさ、時間の流れの速さが少し知れたような気がしました。 本当に人生…って一瞬でその中でさらに一瞬しかない火花を芸人はもちろん僕たちも求めているような気がします。その火花は自分が求めているタイミングで咲かせることができる人もいるしそうじゃない人もいる。でも生きてる限りどこかで咲かせられると最後の文で伝えたかったのじゃないかと僕は読み取りました。続きを読む
投稿日:2024.04.08
lho
お笑いをやったことのない人間が到底書けるフィクションではない。読み始めた時は、この作品が「文学」の賞を取っていることに疑問だったが、読んでいくとその理由がわかる。自分の文学に対する視野がまた広がったと…感心させられる。 語り手の思考回路を見れる我々読者からすれば、語り手がなぜ漫才をやっているのか、お笑い、お笑い芸人が好きなのかが不思議なくらい、徳永は考え事が多い。 先輩の神谷さんは、そうそう見かけない異常な人間だ。けれど理解できる。むしろ人間らしい。我々が偶然身につけられた「常識」を偶然身につけられなかっただけ。そんな純粋な神谷さんが歳と共に狂ってしまっただけ。 真城さんの存在は、言葉にするのが難しいが、非常に良い隠し味のようなものだった。遠回しな例えをすると、「もしこの人が自分と同年代で未婚なら真っ先にナンパしていただろうな」と思えるくらい好みの40、50代の女性に対して感じる哀しさに近い。届かない場所にいるはずなのに、もしかしたら自分にも勝機があったかも、と言う世界線を妄想して哀しくなるのだ。続きを読む
投稿日:2024.04.05
しろねこ
泣けたシーン p141「おめでとう。ほんなら、急いで3人と双子とで住む家探さなあかんな」 p143「誰かには届いていたのだ。少なくとも誰かにとって僕たちは漫才師だったのだ」 p143ラストライブ 1…0年経つと二人の関係性がこんなにも変わってしまうなんて。お笑いを取り巻く多くの人生に笑いと感動があった。続きを読む
犬のかたち
ああすごい泣いちゃったなあ、 私がまだ青いからかもしれないけど、常に自分の中で創造と破壊を繰り返して刹那的に笑いを求める神谷がすごい眩しくかっこ良く見えてしまった。 けどもしかしたら全然かっこよくな…んかなかったのかもしれないと読後の今になって思う。 彼はあまりにも自分に純真すぎるが故に屈折しまくっていた。 その屈折光が伝播した先にいたのが徳永。 徳永は独自の想像力で静かながらもどこか常に怯えて竦んでいるように感じられた。 だから恐れを知らない神谷との組み合わせは正直しっくり来ないというか、正解ではなかったように感じる。 互いに抱いていた思いは尊敬や畏怖だけではなくてきっと羨望、憎しみ、嫉妬、愛情と一口に言えるものではなかったんだろう。 けど不器用な2人の絶妙なそのアンバランスさはとても居心地が良かった。 数多の出会いや別れによって付いた傷だらけの、 その荒削りな人生が愛おしい。 お金や仕事、家族や恋人、社会的地位、それらによって形成される生活その全てを投げ打ってでも自分の信じた道を突き進むことは幸せなのか。 自分の手で夢を終わらすのは諦めなのか妥協なのか。 そもそも諦めるってなんだ、夢ってなんだ、なんのために生きてるんだと彼らがこちらに問いを投げかけてくるようで、終盤何度もページを捲るのをためらってしまった。 歪に生き続ける彼らを見て、結局そんな問いを思い浮かべたところで一生正解になんて出会えないんだろうなと思うとどこか寂しくもあり安心もした。 あほんだら、こんなん見せられたら生きるしかないじゃん。 「エジソンが発明したのは闇」 「エジソンを発明したのはくらい地下室」 という彼らのメールのやり取りがなんだかすごいお気に入り。 走り続けた先に光があるのかは分からないけど、走ったことで生じる風を心地良いと感じた人は少なからずいるし、私はこの本を読んで心にぼうっと希望みたいな、光みたいな何かが生まれた。 光があれば影があるけど今ならそのどちらも愛せる気がする。 筆者が漫才師だからか文章に血が通っているように感じられて良かった。 滲み出る又吉さんなりの漫才や人生に対する哲学に少し触れられた気がして嬉しい。 2010のM-1でのピースのネタ、ほんとに好きなんだよな。続きを読む
投稿日:2024.04.02
あやみ
2024.03.29 読了。 有隣堂のYouTubeで又吉さんを拝見して興味を持ったので読むことにした。わたしは、テレビでお笑いを見ても笑いがわからないことが多いのでほとんど見たことがないし、実生活…でもボケつぶしと言われたことが何度もあるくらい笑いのセンスがないつまらない人間なので、なんとなく接点を持っては申し訳ない気がしていたけど、この作品から感じたお笑い業界というのは悲哀に満ちたものだった。終盤に差し掛かった頃から微妙におかしみと物寂しさがミックスされた空気が醸され、なるほど芥川賞。続きを読む
投稿日:2024.03.29
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