火花

又吉直樹 / 文春文庫
(345件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
54
120
96
33
11
  • 次回作が楽しみです

    普段、タレントさんが書いた作品というのは全く読まないのですが、
    ”文学界”に掲載された作品ということで随分話題にもなっているので読んでみました。
    いわゆる売れないお笑い芸人が少しずつ売れだして、
    そして解散、引退というところまでを描いた作品になっています。
    売れることのみをわだかまりを持ちながらもよしとする芸人と
    売れなくても自分の目指すお笑いを極めようする芸人。
    二人の対照的な芸人の生き方、そして芸人とはというような話が
    展開されていきます。
    その中の一節で、一つのことをずっと続けてきたことに対して
    ”それは、とてつもない特殊能力を身につけたということやで”
    という一節があります。
    一つのことを愚直に続けるということについて、リスペクトしている
    文章だと思うのですが、ここにはやはり又吉さん自体が芸人ということが
    大きく影響しているのだと思います。
    芸人又吉が客観的に芸人について語る。
    最後は芸人ならではのオチになっています。
    とても、面白い作品でした。
    今後の又吉さんの作品が楽しみです。
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    投稿日:2015.06.12

  • 火花は、散るのか

    芸人だから出版できたという言葉を一蹴するに足る作品。

    芸人が芸人の話しを書くというのは、これまた如何にもだなーと言われそうだけれど、逆に芸人以外にこれだけのリアリティをもってこの物語を書ける人間もいないだろう。

    人を笑わせるという芸人の技術と生き様に対して、正面から描いている。

    芸人だから読者を笑わせよう、ということではなく、
    笑いそのもの、そして人を笑わせるという職業ひいては生き方そのものが表出されている。

    言葉、特に会話のテンポはさすが。これは芸人としての経験が活きているといえる。
    本を愛し、たくさんの本を読んできた人間が物語を書くというのはある種の勇気でもある。

    笑いは楽しいものであるが、苦しいものかもしれない。

    自分が最も得意とするお笑いを描いた後、何を書くのか。
    二作目が楽しみだ。
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    投稿日:2015.06.15

  • 芸人の私小説なんてとんでもない。センスあふれる抒情的表現に引き込まれる人間小説

    売れない後輩芸人と、借金まみれで破天荒ながら哲学的に後輩を導く天才肌の先輩芸人。その二人のやり取りを中心とした、ヒューマンストーリー。

    誰かの生死がかかるとか、ドラマチックな駆け引きがあるとかいう起伏が激しいわけではなく、かといってつまらないわけでもなく、ただただ主人公・徳永に話をする、先輩芸人・神谷の言葉がいちいち心に刺さりまくって痛い。
    二人の会話が何とも抒情的で、刺激的で、ウィットに富んでいて、読者が芸人の世界に興味があろうとなかろうと、誰の人生においても当てはまり、私も何でもないようなところで、何故か涙ぐんでしまったこともあった。
    芸人・ピース又吉の人生観と、作家・又吉直樹の引き出しの深さと大きさが相まって、短い作品ながらも、これまでの読書の中で思わずブックマークやハイライトを付けた箇所が一番多かった作品。

    以下私が一番印象に残った表現を引用する。

    以下、本文引用
    「誹謗中傷は・・・・・(中略)、他を落とすことによって、今の自分で安心するというやり方やからな。その間、ずっと自分が成長する機会を失い続けてると思うねん。可哀想やと思わへん?(中略)俺な、あれ、ゆっくりな自殺に見えるねん」(引用終わり)

    ゆっくりな自殺・・・人として一番痛々しい末路かもしれない。

    心に刺激ではなく、一筋の指針が欲しいとき、何度となく読み返したくなる一冊となった。
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    投稿日:2015.07.16

  • 笑う面白さではなく、突き詰めていく面白さがある。

    幼い頃より今までお笑い漬けの関西にいて、ピースの漫才やバラエティーも見てきました。
    もちろん芥川賞候補というのも手伝って読もうと思いました。
    それはさて置き、最初の1ページ目位の情景描写のなんと繊細かつパンチのあること。思わず一旦閉じました。
    こんな感じで来るとは思っていなかったので、深呼吸しながら太い根性に入れ替えました。
    その後ずっとそれが正解でした。
    漫才とは何か?自分の思うその本質とは?狂気とも思えてくる2人のぶつけ合いは続くのですが、
    入口が広く(読み始め)息苦しさに出口が狭い感じ。でも最後の1ページでストンと胸に落ちてくれました。
    関西弁なので、たとえキツイ言葉でも暖かさが伝わってくる表現で、心に残る作品でした。
    P.S. 誰がこんな事考えんねんという程の『蠅川柳』めっちゃツボに入りました。
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    投稿日:2015.06.29

  • 文章は

     文章は思ったよりずっとうまいと感じられます。あまり奇をてらうわけではなく,でも言葉の選び方は良い,っていう感じで。
    今回の中身は芸人の話なんですが,ちょっと共感をもつのは難しいところもありました。
    ある程度売れるまでに何があったのか,が描かれていないし。
    (直木賞に比べて)芥川賞の対象になる小説がもともとあまり好きではないからというのもあるのかな。
    今回受賞がどうなるのかは正直よく分かりません。

    いずれにしても,次回作,芸人の話でないときに真価が問われるのではないかと思います。
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    投稿日:2015.06.30

  • 私の感覚が鈍いのか??

    敢えてなのかわからないけど、もうちょっとわかりやすく書いてもいいんじゃないのかなぁ?という文章のところがあって、
    そっか、これが純文学なのか…と思いました。
    期待しすぎていたのか、それほど面白いとは思わなかった。
    お笑いって大変な世界なのね、と思ったのと当時に、出てくる人がなんだかすごく痛々しくて、
    これからお笑い芸人をテレビで見るのがちょっとつらくなりそうです。

    主人公が天才だと思っている先輩、ですが、この人天才かなぁ?
    激しいタイプの笑いって、ちょっとわからないです。

    等々と、かなりのツッコミが私の中で湧いてしまいました。
    もうちょっとしたら読み返してみたらまた違う気持ちになれるかもしれません。
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    投稿日:2015.09.03

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ブクログレビュー

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  • まはりく

    まはりく

    又吉ワールド炸裂✨
    お笑いに情熱を捧げる若者たちの様子がリアルに伝わってきます。お笑い好きでも芸人好きでもないが、又吉作品ファンになりました!

    投稿日:2019.11.29

  • 奏悟

    奏悟

    純文学とは....??だが、単に又吉さんが好きで読んででみた。
    舞台で人を笑わせていても、影ではこんな努力や葛藤があるんだろうな。

    投稿日:2019.11.29

  • あいろん

    あいろん

    芥川賞は純文学に与えられる。
    つまり、文章の美しさや表現の多彩さを評価された作品に与えられる。
    たしかに文章は繊細で美しかった。

    神谷さんが芸人について語る最初の方のシーン、徳永と同じように、神谷をかっこいい!と感じさせる口ぶりに引き寄せられた。

    お笑い芸人ていう職業が好きで、お笑い芸人が書くお笑い芸人の話ってどんなんかなぁって。
    読んでみて、すっごいびっくりすることもなかったし、めっちゃ笑えるわけでもないし、芸人としての笑いに対する葛藤とかむしろ真面目なところとか読めて、又吉だなぁって感じ。

    お笑いって奥深いよね。
    続きを読む

    投稿日:2019.11.23

  • gaigai1020

    gaigai1020

    お笑いタレントの又吉直樹が書いた芥川賞受賞作。売れない芸人徳永と先輩芸人神谷との日常を描いた作品。特に感心したのは、情景描写が細かく、するどい。二人のやりとりを楽しめるかどうかがポイント。

    投稿日:2019.11.23

  • muasaru

    muasaru

    このレビューはネタバレを含みます

    ずっと前に買っていたけど今更ながらに読了。
    純粋に芸人であろうとする神谷と、笑いと世間のバランスを取る事に悩み続ける徳永。二人の芸人の生き方を強烈なリアリティを持って描く。ご存知芥川賞受賞作。
    作者自らが芸人であるが故に、下積み時代の苦労や、夢破れていった者たちの悲哀などがきちんと描かれている。
    ラストまで読んでも何が正解だったのか、どちらの生き方の方が共感できるかがわからなかった。
    ストイックなまでに笑いを突き詰めて壊れてしまうのか、そこそこの成功を治めても落ち目になり引退してしまうのか。どちらもあまり幸せに思えない。

    世の中には芸人さんはたくさんいるけれど、長い期間テレビに出続けることができる芸人さんはほんの一握りなんだろう。そう思えば、「最近のテレビはどの番組にも芸人ばっかり出てて辟易する!」という気持ちも少し和らぐか。その裏にはたくさんの夢の残骸が積み重なっているだろうから。

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    投稿日:2019.11.23

  • yuca

    yuca

    このレビューはネタバレを含みます

    火花のように、涙がボタボタと落ちた。
    澄んだままに生きたくとも、それを赦してはもらえない。
    ドリーマーは幸せになれないという。
    でもわたしはリアリストの不幸を知っている。
    だったら誰が幸せになれるというの?
    不条理よ、わたしに何を残す?

    レビューの続きを読む

    投稿日:2019.11.14

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