【感想】家と庭【無料試し読み特別版】

畑野智美 / 角川書店単行本
(31件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
3
13
13
1
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ブクログレビュー

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  • kao

    kao

    大きなお家に住んで、アパート持ちでお金の心配がない一家の長男 望君
    25歳でフリーターで、姉姉妹の間に生まれた唯一の男の子らしく優しくけど、ちょっと気弱な感じ

    そこが可愛いなぁと思ってサクッと読んでしまった。居心地が良すぎて環境を変えたくても変えられなくなるのは、なんか分かる

    長女の葉子ちゃんが旦那さんの家から出てきた理由が、好きすぎて一緒にいられない!と言う所は
    怖いお姉さんのイメージから愛らしい女性の印象に一気に変わって、この小説の1番お気に入りのに所になりました。


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    投稿日:2024.02.12

  • momo

    momo

    下北沢の実家に住む望と、家族や地元の知り合いとの関わりを書いた本。
    母と三姉妹、バイト先の漫画喫茶のオーナーや後輩、幼なじみに馴染みの店の定員と、地元の周辺で人間関係が完結しているのに、閉塞感はない。
    住人から見た下北沢の、栄えているが気取らなくてよい、独特の空気感が描かれていて興味深かった。

    こちらの作家の本は初めて読んたが、かなり読みやすかった。読後感も爽やか。
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    投稿日:2024.01.05

  • なつ

    なつ

    「家族に普通なんてない」

    下北沢の大きい一軒家に住む女ばかりの姉妹に囲まれた男性のお話。
    最初はとんでもないお姉ちゃんに家族だな、と思っていたけど傍から見ればとんでもなくても、家族にとっては何でもない、仲良しな家族なんだろうなと。
    外からは簡単に家族のことはわからない。
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    投稿日:2023.10.07

  • まな

    まな

    生まれも育ちも下北沢。なんとも羨ましい…と、思わず思ってしまう。
    でも、なんでも揃っている町で居心地がいいからこの場所から旅立つのは困難。家を出る理由がない。なるほどねー。と、しみじみ思ったりして。
    そんな中で育まれてきた家族愛のお話し。続きを読む

    投稿日:2022.10.18

  • Funya

    Funya

     大学を卒業したもののやりたいことも見つけられず、バイトで小遣い稼ぎをして日々を過ごす24歳のパラサイト男の1年を描く。

         * * * * *

     下町風情の残る下北沢の生きやすい空気を描きたかったのはわかります。
     また、どんな自分でもそこにいることが許される中山家の居心地のよさを描きたかったのもわかります。(それは、妻として母としての新しい幸福を得た自分に耐えきれずに出戻った葉子から顕著に伝わってくるからです。)
     さらに主人公の望が、小心者ながら正義感や倫理観を持ち合わせた優しい男であることもわかります。

     それらすべてを承知したうえで思うのです。甘すぎないかと。

     文乃は幼少時代体験から考えてやむを得ないところはあるでしょうが、望はダメでしょう。
     なんだこのモラトリアム男は!? 高等遊民気取りはいいかげんにしてもらいたい。ただの居候にすぎないではないか。
     そう思ってしまいます。

     バイトとは言え望には労働所得があります。なのに家に生活費を入れている形跡がありません。バイト収入は使い放題だということです。(これは文乃や身勝手出戻り女の葉子にも言えることですね。)

     だから、自立心をスポイルするような家を美しく描くのはどうなんだと思います。林太郎やあまねの生き方こそが本来あるべき成人像(不倫はダメだが)ではないでしょうか。

     物語終盤、アパートの家賃収入は誰の所得になるのか。望ではないでしょう。そうすると、管理を業者に委託している形跡がない状態で、家主がインドネシアへと長期滞在しに出かけてはいけないでしょう。(時間的に見て、母親から望に業務の引き継ぎがあったとは思えない。)

     望の(亀の歩みのような)成長物語だと認識しています。決してファンタジーではないとも思っています。
     だからこの現実感の弱さは気になります。(広い庭が彼岸を思わせるような描き方なので、中山家を極楽に見立てているのかもしれませんが。)

     物語はおもしろかったのですが、ツッコミどころ満載の連続テレビ小説を観るかのような作品でしたた。もやもやが残りました。
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    投稿日:2022.09.15

  • マキえもん

    マキえもん

    このレビューはネタバレを含みます

    主人公は、大学卒業後も就職をせずアルバイトを続けている20代男性。下北沢で、母、次姉、妹と暮らしている(父は海外に単身赴任中)。そこに夫婦喧嘩をした長姉が娘を連れて転がり込んでくる…

    私はきょうだいがいないので、4人の関係、距離感を、時に羨ましく思ったり、驚いたりしながら読みました。

    刺激はないけど不満もない町に住んで、このままでいたいと思う人や、出ていきたいと思う人もいて、私も似たような環境なので、どちらの気持ちもよくわかった。嫌だから出ていくんじゃなくて、留まることが不安で出て行きたくなる。

    主人公が就職をしないのは、一見怠惰に見えるけど、4人きょうだいの唯一の男性で長男、将来は親が管理している不動産(アパート経営)を引き継ぐことになる、という環境のせい。就職しなくても不動産で収入があるというのはラッキーなことかもしれないけど、そのせいで別の職に就けなかったり土地を離れられないという足枷にもなる。

    私の親には不動産はないけど、一人っ子で、代々同じ土地に住んでいる家系なので、共感できた。

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    投稿日:2022.06.04

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