【感想】浜矩子の歴史に学ぶ経済集中講義

浜矩子 / 集英社学芸単行本
(2件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • こたろう

    こたろう

    難しい経済の話を分かりやすいように丁寧な言い回しや例えを使いながら、語り口調で書かれています。
    初心者にも分かりやすい様に工夫している一方で、まどろっこしい・冗長と感じる人も多いかもです。

    自分は「通商」の講義にて、通商秩序と通商理念の歴史的変遷を知れたことが一番印象に残りました。普段よく聞くTPPは広域のFTAであること、WTOは戦争に至った反省を生かして創られたこと、FTA・TPPなどは時代・反省に逆行した動きにならないか注意が必要なんだと知ることができました。

    また、「通貨」の歴史的変遷も勉強になりました。
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    投稿日:2021.01.03

  • あまだのぶゆき

    あまだのぶゆき

    辛口の経済学者として著名な浜矩子さんの最新刊。複雑怪奇な経済を読み解くために、歴史を探訪しエッセンスを引き出しながら現代につなげていくという展開。集中講義形式をとりながら、ミステリー小説のように現象と本質を明らかにしていく様は、読者を飽きさせないという点でも入門的な本としてもとても優れていると思いました。

    最終講義で、筆者は日本経済を俯瞰した時に、まず目に飛び込んでくるのは「歪み」と指摘します。「豊かさの中での貧困」が進行する中、均衡回復と弱者救済が重要だが、しかし、強いものを優遇する今の施策は、さながら「富国強兵マシーン」のようと警鐘をならします。自己浄化できるかどうかは、一人ひとりが問題の本質を認識することと社会をそういう方向に向けていかなければならないとの提起は、その通りだと思いました。

    経済関係の本はあまり読んでこなかったのですが、勉強せなあかんなと反省しました。おすすめの一冊です。

    【目次】
    ・はじめに
    ・第1講義 オリエンテーション 経済の謎はどう解く?
    ・第2講義 経済学のはじまり
    ・第3講義 経済探偵の絵解き術
    ・第4講義 通貨(1) 通貨に命を吹き込むものは?
    ・第5講義 通貨(2) せめぎ合う通貨と通貨
    ・第6講義 通商(1) TPPの正体見れば
    ・第7講義 通商(2) 分断と排除の世界に引き戻されないために
    ・第8講義 租税(1) 政府は市場の「外付け装置」
    ・第9講義 租税(2) 税の体系に求められる哲学とは
    ・第10講義 財政(1) 財政赤字転落への道
    ・第11講義 財政(2) 社会保障費は「敵城の本丸」か?
    ・第12講義 金融政策(1) 移り変わる金融政策の常識
    ・第13講義 金融政策(2) 中央銀行は「政府の銀行」にあらず
    ・第14講義 日本経済の今日的風景
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    投稿日:2016.12.23

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