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浅暮三文 / 集英社文庫 (1件のレビュー)
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oooba3
また一つ、「当たり」の刑事モノに出会えた。 この作家さんとは、「セブン」でお初にお目にかかった。 その時は、あまりインパクトを感じることはなく、どちらかというと、主人公のキャラえも、ストーリー展開で…も地味な印象だった。 それが、この作品では、一つ一つ調べ潰していく、地に足がついた刑事本来の姿が丁寧に描かれ、ド派手なキャラではないが、なぜか安心して読み進めていた。 さらに、「セブン」で如月と相棒を組んだ「ハシゲン」こと土橋刑事が登場してきたときは、心の中でガッツポーズをしてしまった。 それほど、土橋のキャラは忘れがたく、心に残っていた。 如月と亜坂が土橋の愛弟子のようで、土橋の二人に対する優しいまなざしを感じる。 これからも、土橋を中心に2つのシリーズがリンクして描かれていけばいいなと、思うのだが。 学校からのウサギの盗難、ゴミ屋敷放火、下水道内の爆発。 K署の亜坂刑事は、その三つの事件に違和感を感じていた。 調べていくと、別々の小さな事件のある共通項にたどりつく。 そして、ついに四つ目の事件で、若い女性が殺されてしまうのだが、あとに幼い娘が残される。その娘は無国籍児だった。 その子が言う「内緒の子ども」がせつなく、内緒の子どもは幻の子どもでもあり、そこに確かに居て生きているのに、居ないこととして扱われる。 そういう事実が、悲しかった。続きを読む
投稿日:2018.03.17
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