【感想】この国のかたち(六)

司馬遼太郎 / 文春文庫
(19件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
4
8
4
1
0
  • 俯瞰的に知り、学べる「日本のかたち」

    司馬遼太郎さんのエッセイ「この国のかたち」最終巻です。全体を通して、色々な時代の日本の出来事・思想が書かれています。

    第6巻では、海軍について多くのページが使われています。日本の海軍は、帝国主義時代の防御ようとして増強されましたが、気がつけば統帥権を武器に歯止めの効かない大きな組織になっていました。歯止めの効かなくなった組織の恐ろしさ、行く末について学ぶことが出来ます

    司馬遼太郎さんの知識の元、俯瞰的に歴史が書かれているので、世界との関わりや時間の繋がりを感じながら読むことができます。

    深堀して知りたい好みの時代も出てくると思います(自分は、明治〜大正〜昭和初期)。

    司馬遼太郎さんの何とも言えない飄々とした語り口。随筆ならではのリズム感。是非読んで見てください❗
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    投稿日:2018.05.24

ブクログレビュー

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  • djuax

    djuax

    森有礼。18歳でロンドンに留学したため、日本的教養が少なく、志士活動の経験もない、質のいい坊や。医学や理化学用語の日本語訳がまだなかった当時、日本語を捨てて英語を国語とすべきだと主張。エール大教授のW・D・ホイットニーに意見を求めたところ反対される。民族というのは共通するのは言語しかない。森は極端な国家主義者で「国家」が富国強兵すれば、民族文化は衰弱してもよいという不思議な純粋思考をもっていた。p.87-88.

    日本文化は過去からの連続性が濃厚。貯蔵能力が高い。古代や中世の歌詞が豊富に保存されている。古事記、日本書紀、梁塵秘抄、閑吟集。文章資料が大量にある。
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    投稿日:2023.04.02

  • ともてぃ

    ともてぃ

    著者の絶命による未完の書。司馬遼太郎が考える日本についての考察。面白かった。本巻は随想集が追加されている。またこれが司馬遼太郎の原風景を述べているようで興味深い。敗戦直後の京都という都市についての考察が興味深かった。続きを読む

    投稿日:2023.01.07

  • smatoga

    smatoga

    司馬さんの絶筆となったこの国のかたち。もう20年以上前のものであるのに全く色褪せない。
    山本権兵衛の評価がとても高いあたりに、合理性を尊ぶ司馬さんの思想が表れているように感じる。
    「祖父・父・学校」は江戸時代と明治の断絶を和算と数学というもの、学校を通じて鋭く描きだしている。司馬さんの少年時代の話で、なんとも興味深かった。
    「役人道について」は、公とはなにかを旧アジア世界と日本の比較を通して語っている。現代でも、刺さってくるテーマであった。
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    投稿日:2019.08.07

  • ysuke5588

    ysuke5588

    司馬遼太郎さんのエッセイ「この国のかたち」最終巻です。全体を通して、色々な時代の日本の出来事・思想が書かれています。

    第6巻では、海軍について多くのページが使われています。日本の海軍は、帝国主義時代の防御ようとして増強されましたが、気がつけば統帥権を武器に歯止めの効かない大きな組織になっていました。歯止めの効かなくなった組織の恐ろしさ、行く末について学ぶことが出来ます

    司馬遼太郎さんの知識の元、俯瞰的に歴史が書かれているので、世界との関わりや時間の繋がりを感じながら読むことができます。

    深堀して知りたい好みの時代も出てくると思います(自分は、明治〜大正〜昭和初期)。

    司馬遼太郎さんの何とも言えない飄々とした語り口。随筆ならではのリズム感。是非読んで見てください❗
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    投稿日:2018.05.24

  • 露草

    露草

    後半からちょっとずつ説教くさく…(笑)

    全巻楽しく読みました。
    時折わが身を振り返り、胸が痛く…頭も痛く(笑)
    本を読むということは、客観的な自省が可能になるという点で、とてもいいことです。

    投稿日:2016.01.02

  • teshigawara

    teshigawara

    このレビューはネタバレを含みます

    「耳はばかですから」と、むかし酒を飲む席で秋田実氏がいわれた。この人は、いまは亡い。昭和初年に東京大学を出ると大阪にもどってきて、旧弊なマンザイを一新した人である。万歳を漫才という文字に変えたのもこの人だったと思うが、漫才はむしろ論理やつじつまが飛躍しなければならない。飛躍のあざやかさこそ漫才の本領なんです、と秋田さんはいわれた。ラジオの漫才を聞いている人は、例えば毛糸編みのアニメをかぞえながらでも聞くことができる。耳というのは言葉についてそれほど許容量の大きいものです、といわれた。「目はそうはいかない。実にうるさい」

    驚くことはたやすくない。大型動物を見て樹の上に跳び上がるリスのように、生まれたままの、さらには素裸の感覚が、物を見、感じ、かつそれを表現する者にはいつも用意されていなければならない。その上で、さまざまな次元での比較や、比較を通じてやがて普遍的な本質まで考えてゆくことが、物を書くということの基本的なものである。

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    投稿日:2015.10.02

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