【感想】この国のかたち(一)

司馬遼太郎 / 文春文庫
(73件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
19
30
19
1
0
  • 「日本とは何か?」に対する司馬遼太郎さんからの手紙

    この本は、歴史的な出来事なり人物なり文化を
    司馬遼太郎さんの視点から書かれた随筆集です。

    全六巻で色々なテーマについて書かれています。

    自分は、「坂の上の雲」を読んだ後だからというのもありますが、
    「3.雑貨屋の"帝国主義"」が大変興味深く面白かったです。

    巨大な異形物との会話から始まり、
    何者かを問うと「参謀本部」と応える。

    司馬遼太郎さんならでは。小説家らしい表現で
    昭和初期の異常性を表してます。

    その他も大変興味深い話ばかりです。


    「・・いわば、二十二歳の自分への手紙を書き送るようにして書いた。(415)・・」

    22歳の司馬遼太郎さんだけでなく、「日本とは何か」を知りたい我々への手紙でもあると思ってます。

    まさに、司馬遼太郎さんからの手紙。
    是非オススメです
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    投稿日:2017.09.15

ブクログレビュー

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  • ピッピ

    ピッピ

    1990年に上梓されたエッセイ本。しかし、充分に読み応えがあります。どの章も重みがあり今を生きる私たちの標になります。
    歴史的知識だけではその時代を理解できません。誰がいつどこでどうしたのか。何故そうなったのか…史実の背景を読み解く必要がありますが、これを読み教科書的のみで浅かった知識が広がり深まりました。
    歴史小説を何冊も書いてきた司馬さんですが、それも明治時代まで。
    あの昭和初期から敗戦に至るまでの日本史に猛烈に怒っています。
    …ながい日本史の中でも特に非連続の時代、ーあんな時代は日本ではないーと理不尽なことを灰皿でも叩きつけるようにして叫びたい衝動が私にはある。…日本史のいかなる時代とも違う、“異胎の時代”とも表現しています。
    日本陸軍、参謀本部の暴走の正体を説いています。
    自分たちの名田を守るために武装して起こった武士の時代。鎌倉時代の坂東武者に代表されるような一所(名田)に命を懸ける潔さ、名誉を尊ぶ気質など日本史を貫くもの。日本人の底流にあるものに目を向けています。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.08

  • ウシ

    ウシ

    ・日本の偉人の評価
    ・日本人及びその国の特性と成立ち
    を司馬遼太郎の極めて主観的でありながら、
    納得感があり、まるで会って話して来たかのような
    語り草がたまらなく面白い。

    投稿日:2023.04.03

  • djuax

    djuax

    近代精神。宗教権威の否定(富永仲基)。科学的合理性・人格の自律(山片蟠桃・三浦梅園)。人間主義(井原西鶴)。

    ※倜儻不羈(てきとうふき)。すぐれていて拘束されない。志が大きく抜きんでている。馬のたづなに拘束されない。独創。独立。
    ※惣は日本の公(共同体)の原形。
    ※皇族の出の人が一兵卒として徴兵される明治の平等主義。
    ※独裁は日本人の気質に合わない。信長。井伊直弼。
    ※尊王攘夷。契丹・女真族に漢民族が服属する宋代。漢民族の王が中国を支配すべきだという考えから。
    ※明治憲法下で天皇は政治に対して能動的な作用は一切できなかった。例外は敗戦時の聖断のみ。
    ※7世紀に統一国家ができたのは隋による侵略に対抗するため? 
    ※隋唐から官制を導入したが、宦官と科挙は採用せず。
    ※藩という言葉が日常語になったのは幕末。
    ※地域色が強く多様なことは大事。
    ※歴代の天皇で中国的な専制を得ようとした天皇は後醍醐天皇だけ。
    ※昭和10~20年は異質な時代。「非日本的」。非連続。※昭和の一時代を過度に醜悪なものと見、他の時代を過度に美化。「日本人は」と全体を一枚岩として語る傾向。
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    投稿日:2023.03.31

  • Goat

    Goat

    司馬遼太郎氏生誕100年でもあり、約20年振りに読み返してみました。
    《この国のかたち》とても素敵な言葉です。いろいろな歴史的背景を踏まえ、政治、経済、社会、文化、生活等々今を生きる私たちに様々なテーマを投げかけ、考えさせられるとてもおもしろい本です。特に、亜細亜への考え方、太平洋戦争に至るプロセス、神や宗教感に対する考えは…。人も20年経つとものの見方がちょっとは深まるのでしょうかね‥‥続きを読む

    投稿日:2023.02.19

  • pokke

    pokke

    30年前「文藝春秋」に連載されていたもの。 著者が今の日本をみたら、どんな風に思い、どんな国のかたちを書くだろう。 歴史的知識の乏しさのせいか、テーマによっては難解な物もあったけど、興味や知識がある物はとても面白く読めた。 学生時代一番苦手な教科だった歴史だけど、この歳になってもっと歴史を勉強したいと思うようになるとは。続きを読む

    投稿日:2023.01.03

  • ともてぃ

    ともてぃ

    はたと、この偉大な歴史小説家が日本という国をどのように思っていたのかが知りたくなり、本書を読み始めた。脈絡もなく続く著者の思いに納得したりそうでなかったり。ただ昭和初期のあの戦争の時代に対する考察は僕の思いと一致した。続きを読む

    投稿日:2022.11.28

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