【感想】ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上

ピーター トライアス, 中原 尚哉 / ハヤカワ文庫SF
(26件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
4
6
8
2
2
  • 『高い城の男』の劣化コピー

    よくある「if」ものですが、それ以上でもそれ以下でもありません。
    『高い城の男』をベースに話を広げたらこうなるかな~

    程度で読み始めると 違和感は感じません。


    下巻での展開に期待しつつ星3つ

    投稿日:2016.11.11

  • "キワモノ"ではない

    もし、第二次世界大戦で"大日本帝国"がアメリカよりも早く核兵器を開発できていたら。という前提の作品です。
    何より大日本帝国が、というのがこの作品での最も重要なところであり肝でもあります。
    外国人が想像する間違った日本感のような大日本帝国の描かれ方はコミカルでありながら、史実をしっかりと踏まえており、監視社会の恐ろしさが表現されています。(特別高等警察という存在を知っている私たち日本人にはよりリアルに感じ取れるでしょう)

    作中に"電卓"というものが出てくるのですが、スマホ〜パソコンまで幅広くさすものと理解するほうが読みやすいと思います。(作者的にはスマホレベルに小型化されたものを想定しているのだと思いますが……)

    改変歴史SFだけでなくヒューマンドラマなど様々な要素を盛り込んだ作品でもあります。
    SF好きには是非読んでいただきたい作品です。
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    投稿日:2016.11.11

  • ロボットが出てこない

    上巻でまだ序章の感じ
    世界は天皇を神とする日本がアメリカに勝ちアメリカをドイツと分割統治している時代
    今の多くの日本人からすると甚だしい誤認もあるなぁとは思うものの、戦争当時はどんなだったのか?とも考えさせられる。
    さて後半どうなることか?引き続き読む。
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    投稿日:2018.01.20

  • ディストピア日本が酷い(笑)

    第二次世界大戦で枢軸国側が勝利した後の世界という歴史改変小説。
    現代版『高い城の男』との売り文句であったが,『高い城の男』は長期にわたって積ん読なので,これを機に読みたい ^^; 

    さて,アメリカナイズされたというかステレオタイプも一層こじらせた感じのディストピア日本が酷い(笑)
    徹底的にグロくしておけばSFっぽいってわけじゃねーぞ!と言いたい。

    世界観が染み渡ったところで下巻へ。
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    投稿日:2016.11.19

  • 第二次大戦が枢軸国勝利で終結した北米大陸

    ナチと日本の本国情勢はほぼスルー。なんちゃって日本かもという懸念は杞憂だった。レジスタンス(つまり旧米国)なスマートフォンゲームの名前が「USA」という。今日的歴史改変SFとして及第点以上と思う。

    投稿日:2017.02.04

  • ディックが残した一つの系譜…。

    ではあるのですが、日本人の華族出身者が見ると思想検閲に実際に引っかかってしまうのでは、と感じないでもないです。
    データ解析と購買品の把握はこの作品の中でなくても実際に行われているわけですし…。
    は特に重要な立場にあるわけではないので安心かなとも思いますが、あの戦争に勝利していれば、というのは極右勢力や若い愛国者にとって一種のあれですから、SFということで見逃して貰えなかったら極めてあれですね。
    内容としては歴史の中の日本とアニメ、漫画の中の日本を混ぜ合わせたニホンがなかなかいい味を出しています。
    歴史設定は中々凝っていますね。
    でも、枢軸国が勝利したら、日本とナチスの技術力の差は明白で、日本の立場は非常に厳しいと推測せざるをえないわけなのですが、その点については、ジェット戦闘機技術、ロケット技術、原子力技術の圧倒的格差を同盟時の技術供与で克服したと見ればよいのでしょうか?
    実際の歴史でもソ連が核を持って以降、アメリカは何の手出しもしなかったわけですし、そういうものかもしれません。
    日本人が勝利した歴史というバイアスがかかった作品ですが、その点を割り引くと一種のサイバーパンクで9.11以降のテロ戦争への非難を込めた作品群としては秀逸だと思います。
    後編に期待!
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    投稿日:2018.01.01

ブクログレビュー

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  • tikuo

    tikuo

    1948年、アメリカでの地上戦に日本の皇軍が謎の破壊兵器を投入し、アメリカ全土を制圧してユナイデッドステイツオブジャパン(USJ)を建国した。1988年、終戦時に生まれたベンこと紅功は、USJにおける日本皇軍の諜報部に所属していた。ある日、元上司と思われる男性から「娘が死んだ」と電話を受けた…。

    ディックの名作『高い城の男』同様、第二次大戦を起点としたパラレルワールド物である。もっとカラッとドライな話かと思いきや、わりかし重めのストーリーで面食らった。

    日本皇軍、諜報部、憲兵といった日本人コミュニティに対して、テロ組織ジョージ・ワシントン団が裏の裏をかいて手を回してくる事に対し、日本軍は情け容赦ない鉄槌を下していく。

    割と初期から100円で売られていたのだが、おそらく日本を悪役として描いた反日的な部分に嫌気が差した読者も多かったのではないかと考えられる。しかし、よく読み込んでいくと細部にそうではないことが見えてくるのだ。

    翻訳の作品には非常に珍しく、どうも原作者の意図と思われる日本人名が漢字で書かれる。最初にでてくる日本人が深作慧(ふかさくさと)という漢字を書く時点で、なんか普通じゃないぞという雰囲気が漂う。いくらなんでも作者の意図を無視して六浦賀(むつらが)なんていう漢字を使わないだろう。

    また、序盤では「天ぷらバーガー」などと適当っぽい食事に関しても、卵かけご飯(ゆで卵だが)、「本式の伊勢うどんを出す店は少ない」とまで来ると、この人、日本マニアで日本大好きなのだなと思わざるを得ない。

    1988年に電卓(携帯電話)だの、1948年に巨大ロボットだのと、ありえない設定がでてくるのも、本当じゃないんですよという意思表示なのだろう。『高い城の男』で易を使って意思決定をしていたこととも似ている。

    ただ、上巻ではさほど盛り上がらなかったので☆は3つ。ようやく巨大ロボットらしきものがでてきたので、後半に期待。
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    投稿日:2022.11.30

  • ahiru

    ahiru

    第二次世界大戦で枢軸国側が勝ち、アメリカ西海岸が日本統治下にあるという「歴史改変SF小説」。
    作者がアメリカ人であることを忘れそうになるくらい、日本に詳しい。面白い。

    日本がアメリカに原爆を落とした世界線。真珠湾攻撃を仕掛けなかった世界線。「軍国主義的、かつ日本的」価値観がまだ当然生きていて、まさに勝てば官軍負ければ賊軍。
    ストーリーは石村という帝国陸軍検閲局任務の隊員を主軸に進む。ハッカー?のようなすごい技術を持ちながら、不思議な価値観、数奇な人生を送る石村に目が離せない。

    早く下巻読みたい。
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    投稿日:2021.05.21

  • 油ギッシュタマゴ

    油ギッシュタマゴ

    国立大学物理学研究室の元助手という経歴を持つ編集者が米国の原著を読み、売れると直感し日本語版を編集したという新聞記事を読んで興味が沸いて読み始めた。
    この編集者の慧眼通りの本だった。

    投稿日:2021.04.06

  • hir0cky

    hir0cky

    フィリップ・K・ディックの「高い城の男」を下敷きに、スマホのようなコンピュータ(作中では電卓と呼ばれる)や、巨大人型兵器などの現代ジャパニーズカルチャーを取り込んだ作品。

    表紙のイラストから巨大ロボットが活躍するイメージがあるが、巨大ロボットはあまり登場しない(ただし作中では重要なキーを握っている)。

    訳も分かりやすくて一気に読み終えることができる。
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    投稿日:2020.09.21

  • mowsmow

    mowsmow

    発送は素晴らしいし面白くなる要素があるのに、やはり日本文化と中華文化は東洋文化という一括りにされちゃってる感が強かった。SFとしては割と素直に受け入れられるものではあった。だが前段でも述べたがステイツ・オブ・ジャパンなのに中華要素がどうしても邪魔をしてしまうのが残念だった。東洋を知らない人にはこれでも十分な内容だろうが、我々には粗に見えてしまうのが減点だった。続きを読む

    投稿日:2020.05.12

  • ヤーマン

    ヤーマン

    もしも日本・ドイツの枢軸国側が戦争に勝っていたらというIfの話を元にした話。この本の歴史では、日本は最初にドイツとソ連を攻めアメリカの対日参戦を遅らせ日本が先にアメリカに核を落とすという話だ。この日本は戦時中のように特別警察隊や秘密警察などが暗躍していたり、天皇が絶対視されるなどの戦前・戦中の日本がモデルとされている。憲兵だったベンの愛人?セフレ?友人?はこの後出てくるのか、ジョージ・ワシントン団に拷問され手足を失った特高の女の人はこの後出てくるのか、六浦出元将軍が反日ゲームを流行らせる理由は何なのか。楽しみで下が早く読みたい。続きを読む

    投稿日:2020.05.06

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