【感想】街角図鑑

現代版の路上観察学。「超芸術トマソン」のように、街中に溢れているけれど、地味で目立たないモノを図鑑化している。
街中を歩くときの解像度を上げてくれる一冊。

発想が良かった。
街の中にある小さな、専門的な目印などはなんなのか、誰のためのどういうものか、そこに付される記号にはなんの意味があるのか、そういうものを知りたい子供だったので、この本が自分の子供の頃に…あればなあ、と思った。
今も透かしブロックや消波ブロックはなんとなく好きだし。

ミニマンホール内にできる坪庭の発想など、間違い無く、赤瀬川原平の路上観察学会のDNAがここに受け継がれているのがわかってニッコリしてしまう。
子供の頃、サブカルという言葉は知らないまま、赤瀬川原平の周辺にそれを感じ取っていたし、この路線がみうらじゅんに行くと、さらに世俗的（エログロ&仏教。エロスとタナトス。それってまさに世俗の核じゃないの）になるんだよな、と思っていた。ああ、また思い出話してるな。

眺めて楽しく、街に出るのが楽しくなる一冊。
こういうの、好きな大人、子供、本当はいっぱいいるんでしょ。続きを読む

図鑑というより夏休みの自由研究とか、マニアのおもしろブログとかそういった感じの本。自分としてもそれを期待して買ったので満足でした。モノそのもののスペック等を並べるというよりも、さまざまなモノを観察して…わかったことが記載されているおり、それが自分で街中観察しているみたいで面白かったです。
また、最後のフィールドワークの章に同じものばかりを集めることで、違いに気づいてだんだん面白くなってくるということが書かれていたのがこの本を象徴するようで印象的でした。全編通じてそれを体験することができ、またそれを日常に織り込むことで日々の生活の楽しみも少し増えた気がします。続きを読む

マンホールと単管バリケードが好きなので嬉々として買った。載っているものはそれ以外にもパイロンや車止め等、どんな世界にもマニアがあって、どんな製品にもそれにかかわる人々の工夫が詰まっているのだなと、幸せ…な気持ちになる。続きを読む

2022.11.20市立図書館
たくさんのふしぎ最新号（2022年12月号）「名前のチカラ」に三土たつおさんがゲストで登場して、その路上観察学会的活動を紹介していたので、さっそく関連書籍を借りてみた。…デイリーポータルZの企画からうまれたらしい。
ほんとうにあたり前のことなのだけれど、雑草と雑にくくられたものにもひとつひとつ名前があるように、路上のコーンひとつとっても、製造しているメーカーがいくつかあって（多少仕様の違いがあって）、それぞれに商品名があるということにはっとする。電信柱一本にも名前のあるいろいろな要素がくっついていて個性がある。それだけでももうじゅうぶんおもしろい。看板の適当な五線譜や擬木など、見る人が見れば見どころ満載なうえに、いろいろ考えさせられもする。このなかのどれかを実際に自分の身の回りで細かく観察して自分で確認するのもよし、ここには取り上げられていないようなアイテムに注目して独自に観察を始めてもよし。そういうきっかけになりそうな一冊。続きを読む

子どもが喜ぶかなと思い借りましたが、結構大人向けの図鑑。
見たことあるけど、お散歩中何か聞かれても答えられなかったものが沢山載っていて勉強になりました。