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朝倉かすみ / 集英社文庫 (11件のレビュー)
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Rina Isokawa
人から見たら「なんて我儘で自分勝手な人なんだろう」と思われてしまうだろう。 「夫として好きじゃ無くなった」と言って、安定的な生活を捨ててまで、自分を通すのを見て 愚かだなぁと思う人もいるだろう。 でも…、私には森進一子の気持ちがよく分かってしまうんだなぁ。 朝倉かすみさんは私の心の中を読めるんじゃないかと感じてしまう。続きを読む
投稿日:2023.04.09
Kiki
専業主婦版の『れんげ荘』みたいだなと思った。 言葉にしたら、「だから何なんだ」と言われそうな、心に浮かぶ一瞬一瞬を描いていくような文章がとても心地いい。今まで生きてきた中のどこかで、私自身もこういうこ…とを考えていた瞬間があったような気がする。こういう着地点もないあれやこれやが生きているってことじゃないかと感じるし、これこそが文学じゃないかと思う。私は好き。続きを読む
投稿日:2022.10.02
whipceamania
わかりやすい非がない夫との生活に少しずつ絶望する話。 自分と重なって身につまされる思いだった ただ、答えがでなかったので読後感がすっきりしなかった。
投稿日:2022.04.27
nkwada
50前の夫婦の妻のほうが、夫のことを夫として好きではなくなったと言って別居し始めるお話で、二人の出会いから別居しての生活の様子が時間軸を行き来して語られるのだが、とても心に響く。自分自身が同世代で離婚…したということもあるのかもしれないが、読み終わるのが名残惜しくて、少しずつ読んだ今年一番の本。続きを読む
投稿日:2021.06.29
まいこ
このレビューはネタバレを含みます
これは離婚小説ではなく離活小説。 冒頭の「あじさいのうた」だけ読むと、いい歳して男の前でわざと二回間違えることを「秘技」なんて言っちゃう森子を痛い…としか思えないのだけど。しかもどうやらなかなかの読書家という設定が浮いてるように感じられて余計に頭が悪く感じてしまうのだけど。(もちろん読書量と知性はイコールではないとはいえ) 結婚当初の相思相愛ぷりを読むと、10年で冷め切ってしまった愛情にしみじみともの寂しさを感じる。 モーちゃんは習慣を大切にする人だと強調されているだけに、果たして今でも森子を愛しているのか、単に今までの結婚生活を続けたいだけなのか分からないのがまたちょっと淋しい。おそらく後者な気もする…。 山田詠美の「無線優雅」が大好きだっただけに、あの二人もこんな結末を迎える可能性は大いにあるな…なんて思うとさらに切ない。 森子がお給料をその人の実力と考えてるのは、それはちょっと違うのではと言いたい。だって旦那の勤務地に合わせるために仕事をやめたり、子育てのためにブランクを作らざるを得ない(地域によっては保育園の信頼度が低かったりするので我が子を手元で育てたいと望むのはわがままとは言えないでしょう…)女性はざらにいるのでフェアじゃないよなぁと。 旦那の稼ぎを自分のものとは考えられないって、一見殊勝なようだけど実は家事労働を軽んじた傲慢な考え方かなと。 森子も堂々とモーちゃんの貯蓄もらってっても少し贅沢な一人暮らしスタートさせたらよかったのに!
投稿日:2020.12.13
nami
結婚10年を迎える夫婦の倦怠感、妻側の心理の変化、10年間の日常が細かく描写されている。夫として好きじゃなくなった、という理由だけではなかなか離婚に踏み切れる専業主婦はいないと思う。それは養われているという事実があるから。森子はあえて自分に試練として自立した生活をやってみたいという抑えられない願望から行動してしまったようだ。本来の自分は贅沢な生活に喜びを感じるわけではないし、養われていることに常に負い目があった、少しずつ自分にとっての幸せは何かについて気付いていく。10年前と現在が交互に語られて途中混乱するけど、10年前と今では自分は変わって夫は外見だけが変わってしまったという現実。森子のわがままで片付けてしまう見方もあるけどなんとなくわかるぅ、と思う自分もいる。
投稿日:2020.01.19
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