【感想】量子物理学の発見 ヒッグス粒子の先までの物語

レオン・レーダーマン, クリストファー・ヒル, 青木薫 / 文藝春秋
(11件のレビュー)

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ブクログレビュー

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  • mimizuku0125

    mimizuku0125

    量子力学の一層の下の話。
    「物質、質量」が発生する仕組みを、極力わかりやすく解説した一冊。たとえ話、ユーモアに富み、難しい内容が、直感的にイメージできるようになっている。読むのが楽しい。

    投稿日:2018.05.13

  • ryokutya87

    ryokutya87

    前半は初心者にも優しい口調で話しかけてくれてとても嬉しかったが、後半に行くにしたがって理解できない専門用語が多くなり、そのうちには初心者への説明を放棄してしまったように感じた。しかも最後には研究費削減への恨み節。
    政治も科学も経済も、もっと一般人に興味を持たせるような伝え方ができないのだろうか。もっと分かりやすく説明をすることはできないのだろうか。と、自分の頭が悪いのを棚にあげて言ってみた。
    内容が理解できたとはとても言えないけれど、量子論は本当に興味が尽きない。まだまだ挑戦するぞ!
    で、結局は、ヒッグス粒子がプラトンの言うエーテルだった。てことじゃないんですかね?
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    投稿日:2017.11.04

  • polyhedron

    polyhedron

    レーダーマン著,青木薫訳ということで,これは読まなくちゃと思ってた。
    冒頭,目次裏に“本書を、税金で基礎研究を支えてくださっている国民のみなさんに捧げる。”とある。著者が伝えたかったのは,「加速器は強力な顕微鏡」という大変シンプルな主張。超ひも理論だ何だじゃなくて,「加速器は凄い顕微鏡!」ってシンプルに報道してくれさえすれば,SSCのときのように納税者から無用な反発はないはずだ,とのこと。
    実際はそんな単純な納税者ばかりではなくて,やはり金かかるのに実用性ないって嫌がられるような気もするが,実験素粒子物理学者としての矜持が感じられる本だった。
    一貫してアメリカの基礎研究への投資が少ないことに警鐘を鳴らしてて,LHCの欧州やスーパーカミオカンデの日本や,中国に置いていかれることを危惧みたいな論調だったけど,えっ…日本が潤沢…?ってちょっと違和感だったのは否めない。

    SSCの打ち切りを嘆き,多様な基礎研究への投資を呼びかけるレーダーマン。結構激しい
    “経済を成長させているのは科学だという、ほとんどの人にとって…わかりきったことを、頭でっかちの経済学者たちが自分たちの専門用語で理解するまでに、なんと二百年以上もかかったというわけだ。”p13

    90年代素粒子物理学コミュニティで起こった極めて対照的な出来事。
    欧州ではwwwが産声を上げた。これは急速に輪を広げ,その後の世界を変革し大きな経済成長につながる。
    一方,アメリカでは研究者たちの必死の努力にもかかわらず,巨大加速器SSCの計画が潰えた。大西洋を挟んで明暗。

    “経済成長を駆動するのは科学研究だという新しい経済理論、というよりむしろ言うまでもない事実は、アメリカ連邦議会では何の影響力も持てなかったし、今に至るも持てないでいる。”p.17
    えっとこれトランプになる前に書かれてるんだけど,アメリカでそうならいったい日本は…?

    LHCの陽子ビーム,1つのパルスに細胞1個ぶんの原子の数くらいの陽子があるらしいんだけど,その運動エネルギーが時速百キロで突っ走るトラック一台ぶんだとかすごすぎるよ…。
    光速の何%とか言うよりはるかに加速器のやばさを感じた。

    こういうところに理論家への反発が垣間見えるの良い。
    “衝突型加速器を作るのは、非常に小さな距離スケールで、この自然界で何が起こっているかを明らかにするためだ。あれこれの理論家の派閥が提唱するどれかの説に、証拠を与えるためなどではないのである。”p.264
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    投稿日:2017.08.09

  • schuma

    schuma

    ヒッグス粒子について、これまでいくつか本を読んだが、存在の明確な予言とどうして質量が生まれるのかをここまで明確にしたものはなかった。弱荷が保存されることで質量が発生するということで、メディアが発信しているヒッグス場の表現が多少なりとも正確性に欠けることがわかった。

    また、科学への投資に対して必要以上の干渉はやめて欲しい。それは科学の発展を妨げるだけではなく、将来の経済への影響も大きいのだから。特に資源の乏しい日本に於いてはなおさらである。
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    投稿日:2017.06.03

  • komoda

    komoda

    Beyond The God Particle
    http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163905235

    投稿日:2017.05.06

  • ぐぐぅ

    ぐぐぅ

    素粒子物理学に関する一般向け書籍としては珍しく、実験屋さん(と言ってもアメリカの大御所であり著名なノーベル物理学賞受賞者)による物理の本。翻訳本の名前が「量子物理学の発見」となっているのは誤解を招くと思う(現代は「神の粒子(=ヒッグス粒子)を超えて(Beyond the God Particle)。あくまで”素粒子物理学”、それも実験を中心とした話なので何を観測しているのか、という話。2012年のヒッグス粒子の発見という発表を受けて、ヒッグス粒子とは何なのか、ヒッグス粒子が質量の起源とはどう言う意味なのか、そもそも”質量”とは何なのか、ということを量子力学や相対論の歴史と初歩的な説明を行いながら、さらに著者たち自身の実験と結果について分かりやすく解説しながら解き明かしていくという内容です。本書の前半の解説は実験家らしく非常に分かりやすいと感じた。さすがに後半のヒッグス粒子と質量の話になってくると、一般読者には理解するのはちょっと難しくなる気もするが、頑張ればついて行けるレベル。量子物理学とか素粒子論の一般向け解説書というと”ひも理論”だとか”宇宙の誕生”だと”余剰次元”だとか、理論家による書籍が多いのだが、本書はそのような話は基本的に排除され、あくまで実験家として視点を集中にシンプルな解説がしあって非常に分かりやすい。基礎科学の重要性を経済学的にも主張しつつ、アメリカ政府の基礎科学への予算削減に対する辛辣な言葉が随所にあふれるところも面白い。本書はそのような政府や国民に対して素粒子物理学というビッグサイエンスへの理解を促し、基礎科学への予算投入を促すように書かれているとも言えそうです。続きを読む

    投稿日:2017.03.14

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