【感想】告発 児童相談所が子供を殺す

山脇由貴子 / 文春新書
(14件のレビュー)

総合評価:

平均 2.8
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ブクログレビュー

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  • あき(ここのか)

    あき(ここのか)

    2016年とやや古い本であること、人口が多い分扱う件数も多くなる東京ならではかもしれない、という二点は気になるが、児童相談所の実態とその要因について分かりやすくまとめられていた。
    ・児童福祉司は資格をもつ児童心理司と異なり地方公務員が異動してきたに過ぎない。
    ・専門知識がなくても児童福祉司になれるうえ、「児童を保護する必要がない」と判断すれば管理職に報告する必要もなく、保護にあたる手続きより圧倒的に楽になる。
    ・子どもや親の支援という融和的な仕事と、時には「職権保護」として親から引き離す強権的な(当然親と決定的に対立してしまう)仕事を同時に行わなければならない。
    ・そもそも一時保護所が(地域によるだろうが)常に定員ギリギリで、言葉だけでも親が「もう虐待はしない」と言っていればさっさと親元に子どもを帰してしまう(すぐに出そうとする)
    ・こういった背景により真に被害者である子どもより強い言動をする親におもねってしまう
    声をあげることが難しい子どもの立場に立ち続けることの難しさと、児童相談所の実態をもっと知る必要性をとても実感できた。
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    投稿日:2023.04.06

  • 香菜子(かなこ/Kanako)

    香菜子(かなこ/Kanako)

    告発 児童相談所が子供を殺す。山脇由貴子先生の著書。児童相談所の元職員である山脇由貴子先生が児童相談所や児童福祉司、児童相談所の職員、そして保護者の問題点を厳しく指摘しています。児童相談所の闇や児童相談所の問題点について山脇由貴子先生の厳しいご指摘には納得するところがたくさんあるけれど、それでも児童相談所がないよりも児童相談所があったほうが救われる子供たちは多いと思う。児童相談所が子供を殺すというのは言い過ぎかも。続きを読む

    投稿日:2019.09.28

  • yoshio70

    yoshio70

    センセーショナルなタイトルの割に、内容が主観的で説得力があまりない。

    エピソードをもう少し掘り下げて、それを踏まえた提言とすると、より分かりやすくなったのではないかと思う。
    児童相談所の実態や業務を知ろうと思って読んだとしても、紋切り型というか、著者の感想や思いの表明として扱われるくらいで体系的ではなく、あまりよく分からなかった。もともとそれを狙いとしていないにしても、著者の思いを伝えるには効果的な方法ではないと思われる。続きを読む

    投稿日:2019.07.01

  • haru2012

    haru2012

    児童相談所が虐待を見逃し子供を救えていない。知識も経験もなく、配属された公務員である児童福祉司は、報告義務がなく大きな権限を持つにもかかわらず、感情で判断し、子どもを見ず親のいいなりになり、吟味せずさっさと相談を終わらせる。

    機能しないのもあたりまえな構造になっていることを知りました。プロ意識を持った人が育成されるしくみが必要だと思いました。
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    投稿日:2019.06.12

  • 三上 直樹

    三上 直樹

    児童相談所に勤務していた筆者からの厳しすぎる告発。親と子のいびつな関係、専門職とみられている児童福祉司という無責任な仕事ぶり、それに追従する心理司など、これでもかとあげつらっていますが、何とも今回の貴乃花親方から批判されている気がします。
    ただし、私は貴乃花親方を断固支持する人間ですので、山脇さんにも児相をやめずにいてほしかったと思いました。
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    投稿日:2017.11.29

  • mendako

    mendako

    近年、虐待の相談件数は増加の一途をたどっているという。
    報道されるのは、実の親から受けた酷い仕打ちの末の悲しい結末ばかり。
    それに加えて、児童相談所の不手際も大きく報道される。
    本書は、児童相談所で働いていた筆者の、児童相談所が持つ問題点を明らかにしたものである。

    しかし、読み進めるうちに疑問点が次々に湧いてくる。
    何に一番違和感を覚えるかというと、客観的資料が足りないことだ。
    あくまで筆者自身の経験が元になっており、提言などは納得できるもの、同意するものがあるにせよ、基本的には児童相談所及び児童福祉司の、言ってみれば「悪口」に終始しているのだ。

    著者は現場で働いた上で、改善点、問題点を多く見出したのであろう。
    職員の側の意識、制度、その他急を要すると思われるものもあった。
    縦割り行政がもたらす害、それが結果として一番弱いものーー子供ーーに集約されてしまうのも残酷な現実であろう。

    しかし全ての児童相談所がそうなのか。
    基本的に行政のシステムは同じものとはいえ、出会った人々だけを見て、全ての児童相談所が難ありとするのは横暴ではないか。

    そしてここではあまり語られていない問題点として親自身の問題の取り上げ方が気になった。
    いけないと思っていても、余裕のなさから虐待に至るケースの場合、その親をさらに追い詰めるような表現が見られる。
    もちろんどんな理由であれ、虐待はあってはならない。
    しかし、親を追い詰めるだけでは虐待はより見えにくく、また未遂の親をも虐待へと走らせてしまうのではないか。

    本書の告発は児童相談所という組織改革に一石を投じたものだとは思う。
    しかし本当に組織を変えたいのであれば、感情先行ではなく、今一歩踏み込み、取材を行うべきである。
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    投稿日:2017.05.07

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