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真山仁 / 講談社文庫 (95件のレビュー)
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総合評価:
わらぶる
6
宗教 お笑い 人質 役所 メディアの暗部に切り込む
真山先生らしい念入りな取材の上に構築された物語。現実に起こった事件を元ネタに、テレビ というメディアのあり方、行政の関わり等を鋭くえぐる秀作。ハゲタカやマグマは映像化されたけど、本作こそ自戒の念を込め…てテレビドラマ化してもらいたい。 ドラマにするなら今ですよー。続きを読む
投稿日:2016.09.15
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ikochi
2
深いなぁ(o^^o)
ストーリーの深さに満足を感じてます。 一生懸命で悩みながらも我が心に従って進んでいる。人はまさに個々の違いからドラマが生み出されているんだなぁって良くわかる。 社会の中の自分、家族の中の自分。どちらも…自分自身。どちらの自分も好きでいられる生き方ができたら、いいなぁ。続きを読む
投稿日:2016.11.13
"powered by"
にしど
真山仁さんらしくノンフィクションに近いフィクション。邦人が中東でテロ組織に拉致され政府が決断を迫られる。 テロ組織に屈しないという当たり前の世論と、人命を助けたいという人間の本能に気づきハッとする風見…の思いは心を撃たれた。 知らず知らずにテレビの「世論』に流されている自分自身にちょっと待てよと思わせてくれる話でした。続きを読む
投稿日:2022.09.02
Bフォレスト
このレビューはネタバレを含みます
テレビ局と政治家・役人の関係が非常に上手く書かれていた。現実に起きた題材をベースにフィクション化している点も非常に現実的であった。 前記した3者の関係性が中々興味深く表現されていた。
投稿日:2022.06.19
クスクス
何回読んだか分からない本。 風見さんと黒岩さん、戦う舞台は違えど熱い思いを持った2人の葛藤が好き。 ラストは毎回ニヤっとしてしまう。
投稿日:2022.05.07
高岡 亮
『虚像の砦』真山 仁氏 0.本書より 「報道とは、道に報いるとかく。」 「報道にひとが関わる以上、ある程度の主観が入る は当然である。 ただし、大切なのは、様々な角度から事件が取り あ…げられることが必要である。」 「報道とは、闇に光をあてること。 闇をそのまま捨ておかないこと。」 1.虚像の砦の舞台 舞台は、民放キー局です。 本年度は5年に一度の免許申請の時期です。 向こう5年間の財務の安全を総務省に開示、説明が必要となります。 主人公は、報道部門の中堅と、バラエティ部門の中堅の2名です。 報道の彼は、時同じく起きた、海外渡航禁止区域での邦人誘拐事件に当たります。 バラエティの彼は、視聴率が下落する24時間テレビのテコ入れに当たります。 免許の承認は、総務省、国です。 報道、バラエティそして国が、それぞれの思惑で対峙しあいます。 2.読み終えて 記者であった真山さんの想いが垣間見えると感じるのは、わたしだけでしょうか? 真山さんを読みつづける読者ファンは、きっと真山さんの姿勢に惚れているのかもしれません。 続きを読む
投稿日:2021.08.08
honno-遊民
中東で日本人3人が誘拐された実際の事件を背景にして、テレビという巨大メディアの実態を暴く情報小説。 過去にスクープ報道で汚点を残したが、時の政権に批判的な姿勢を貫くテレビ局が舞台。 主人公となるのは情…報番組のディレクターとバラエティのプロデューサー。 再三語られるのは、 「情報とは、情に報いることだ。しかし、報道とは、道に報いて初めてそう呼ぶことができる。ジャーナリストは、真実を追い求めるだけでなく、人としてのあるべき道に報いることが出来なければ、その責任は全うできない」。 誘拐事件を自作自演あるいは自己責任に世論を誘導するためにテレビ局を利用する政治家。テレビ局に絶大な力を持つ大手広告会社。政治権力に阿り、テレビ局内での地位を固めんとする役員。免許更新というテレビ局の生殺与奪権を握る官僚。 二重三重の陰謀が繰り広げられるテレビ局。 そんな中にあって、 「俺たちの絵は、あんたらの嘘の道具じゃないんだ。テレビは映像さえあれば、それでいいんじゃない。映像が正しく使われるように、何で徹底的に取材しないんだ」と、真の報道を貫かんと、事件の真実を求めて現地に飛ぶディレクター。 一方で、視聴率に縛られ自分を見失ってゆくバラエティのプロデュサー。 一般に「公平中立条項」として、放送事業者は、「政治的に公平であることが義務付けられている放送法第3条の2①の2項がテーマともなり、『ハゲタカ』シリーズの著者ならではの、骨太で重厚な小説となっている。 一人のジャーナリストが語る言葉が、印象に残る。 「ジャーナリズムの使命とは、為政者が独裁者への道を歩み始めたと感じた時に、たとえ強引と言われても身を挺してでも阻止することだ」続きを読む
投稿日:2021.01.14
yasudawataru
「虚像」と書いて「メディア」と読ませる本書はあるジャーナリズムあるいはテレビの役割とはなんなのか。あるいはその根底にある日本人の在り方とはなんなのか。小説の体をとっているが、その中身は当時の、あるいは…現代においてもメディアにたいするあるいは我々に対する問いかけである。 面白きゃいい、視聴率を取れればよいといった風潮に支配されているテレビお笑い界と、政府やスポンサーの顔を観ながら買い取りニュースを配信する報道局。そこには人の温かさや笑いが人々を幸せな気持ちにさせるような真の笑いや、政界あるいは産業界からも中立独立し、国民に対し真実を伝え続ける第四の権力としてのジャーナリズムとしての気概は残っていないのか? そこに気骨のあるものが現れても、うまく立ち回れないと途端に左遷されてしまう。結果、無難なお笑いや報道記事が蔓延していくという構造的な問題を抱える放送業界にあって、風見や黒岩は異端児である。 その異端児としての活躍と、業界に巣くうグレーな世界とのやりとりを真山仁独特の語り口とスピード感でドライブしていく。官界の中でも正義心を持ち、お役所仕事をこなしつつも正義感を持って仕事に踏み込もうとする官僚もまた存在する。 本書でも何度も外の力によるテレビ局の在り方が捻じ曲げられる場面が出てくる。しかし最後の最後で少しだけやり返すような、小さくガッツポーズするようなシーンが存在する。そこで一矢報いるあるいはそこから未来が広がっていくという光を感じることができ、これこそが真山仁の真骨頂だと再認識するのだ。続きを読む
投稿日:2018.09.30
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