【感想】ケルン市警オド 1

青池保子 / プリンセスGOLD
(5件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
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  • 『修道士ファルコ』のスピンオフ作品

    『修道士ファルコ』で、主人公のファルコ共々荒事と事件解決をよく押しつけられている(いや、割と嬉々として引き受けている、と言うべきか)兄弟オドの出家前、治安役人時代の活躍を描くスピンオフ作品。
    『ファルコ』自体が『アルカサル-王城-』の派生作品なので、そちらとも時代設定をほぼ共有していることになる。

    『ファルコ』が修道院を舞台とし、奇跡や聖なるものの存在を排除しない、中世の「物語」「説話」の雰囲気を残す世界観であるのに対して、本作は貧富・貴賤・聖俗の人々それぞれの思惑が、大都市ケルンを中心に入り乱れる、ぐっと現実的な「俗世のミステリ」と言える。
    本家同様、相変わらず中世社会の描写・作画は重厚で精密。舞台であるケルン市の市参事会と司法組織、大司教の権限のバランスなど、ちょっとした背景描写でさえも今後の展開の装置として描かれているような気がして、あれこれ目が離せない。
    オド本人も本家で主人公を喰いかねない個性的キャラであるだけに、彼のキャラ性のルーツがいろいろな所に見えてくるのが非常に楽しい作品。

    【お約束ネタ?】
    ・オドがワーカホリック気味で、かつ有能故に敬遠されがちなところが(ついでに外見も)『エロイカより愛をこめて』のエーベルバッハ少佐を思わせる。
    (彼ほど職権が強くないぶん「組織人の悲哀」的ユーモアも強く出ているのがオドの持ち味か?)

    ・『ファルコ』初期の「神聖盗掠」は小説『修道士カドフェル』の初期エピソードを彷彿とさせるネタセレクトだったが、
    『オド』一巻の事件背景は同じく『修道女フィデルマ』のあるエピソードを思わせる。修道院ものが好きな人はニヤリとできるかも。
    続きを読む

    投稿日:2016.08.16

ブクログレビュー

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  • 海と青硝子

    海と青硝子

    修道士ファルコの一番の理解者だと思う兄弟オドの、警吏時代、待ってました! 先ずは富豪の秘密を嗅ぎつけ狙う貴族! オドは見事謎を解くも、犯人をしょっぴくことはできない。こんなストレスがオドに神を求めさせることになっていくのでしょうか。続きを読む

    投稿日:2022.09.01

  • つこ

    つこ

    ちょっと個性的な絵柄だが、慣れれば本当に面白い。
    のちに修道士となるオドがまだケルン市警として、犯罪捜査に当たっていたころの話。ミステリーとしても上質だが、なんといっても当時の様々な階層の人々の暮らしがきちんと描かれているのが素晴らしい。
    オドはもちろん若いころから頭脳明晰で行動力があり、仲間や部下から絶大な信頼を寄せられている。結構充実した人生を送っていたのにどうして修道士になったのか、巻が進むほど謎が深まる。
    続きを読む

    投稿日:2021.03.28

  • kaoru1031

    kaoru1031

    オド先輩、待ってました!
    ちょっと少佐に似てるけど少佐ほど頭固くないよね笑

    ケルンの駅前大聖堂で、オド先輩に思いをはせてきました笑

    投稿日:2017.02.12

  • より

    より

    なんだか久々に青池さんのマンガ読んだなぁ。
    相変わらず面白い。結構人物がエグくてリアルで人ってのはそう簡単には変わらないものなんだろうな、と思ったり。

    それにしてもエーデルバッハ少尉とちょっと被る堅物警吏。今後の活躍も期待。続きを読む

    投稿日:2016.08.22

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