【感想】依存症のすべて 「やめられない気持ち」はどこから来る?

廣中直行 / こころライブラリー
(7件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 棚田 弘一

    棚田 弘一

    酒、薬物のような「モノ」だけでなく、ギャンブルやネット依存などタイトル通り様々な依存症の原因や事例と、そこから脱け出すための治療法から社会の受け入れ体制まで総合的に語り、問題提起をしている。

    依存症は人どころか動物すべてがかかる可能性があるもので、精神的なところでは哲学の領域に、そして突き詰めて行けば「種の保存」にたどり着くものだ。

    医学的な観点から本書は書かれている。海外の事例も紹介しながら、日本の依存症対策が防止、しかも「依存症に負けない強い心身を作る」など精神論や「禁止されているからダメ」に傾きがちであることに異を唱えている。誰もが何らかの依存症になる可能性はあり、そこから立ち直れる社会を作らない限り再発防止にはならないという言葉に説得力がある。

    医学を中心に哲学や社会の仕組み、歴史など幅広くながらも非常に分かりやすく書かれており、読みやすい。
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    投稿日:2022.08.19

  • kontomo

    kontomo

    依存症の始まりから終わりまで。
    家族関係、友人関係が終わる一方、依存に関わる新たな関係が生まれるという。
    74ページの、立派な親に育てられても〜のくだりでは、そこまで書くのであれば実際にどうやってそういう人間が育つのかまで踏み込んでほしかった。
    97ページ、マルクスの理論化した〜のくだりが理解できない。日本は唯一成功した社会主義国家だと言われたし、資本主義社会の末路はマルクスの予想したとおりになってきているのは事実だろう。理想郷としての、共産主義は存在しなかったといいたいのか?
    もう少し詳しく突っ込んでほしいところもあったが全体的に面白かった。
    覚せい剤に禁断症状がなく、誰かからつけられてる、見られている気になる症状がでることは、芸能人の逮捕後の症状そのものであってなるほどと感心した。
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    投稿日:2016.11.03

  • ucym100

    ucym100

    依存症という生き方を選ばざろうえなかった人の人生をじっくり受け止めて、どんな支援があり得るのかを感がなければならない

    自分で自分をこわそうとするのは、自分をまもるため

    自己効力感が低いと、自分で自分を攻撃する傾向が高まる

    依存症になってしまうと、報酬系は正常にはたらかなくなる。生活から喜びや楽しみが失われる

    行動を作り出す3つの要素 状況、行動、結果 三項随伴性

    BRENDA bio,report,enpathy,needs,direct advice,assessment

    随伴性マネジメント やめると報酬がもらえる

    DARC drug addiction rehabilitation center

    動機付け面接
    依存症治療の第一歩は、自分が依存症であることに「気付く」ことだといわれてきた。なぜならそれが、一番難しいからだ。依存症は「否認の病気」ともいわれてきた
    認めていないのではなく、気づいていなのである。脳の中の「島皮質」と呼ばれる部分の機能が低下していると、このような「気付き」が損なわれる。もともと気がついていなのであるから、認めようもない
    「気づき」を促して自発的な治療意欲をつくること 治療的面接
    動機付け面接には、なんと古代ギリシャの哲学者ソクラテスの教えが生かされている。ソクラテスは本を書かず、人々との対話の中で哲学を作り上げた。ソクラテスが行った対話とは、相手の言うことを認め、あれもこれも認めて、その中で、相手が自分でも気づいていなかった小さな矛盾を取り上げ、それをクローズアップすることだった。こうやって相手の考えを鍛えた
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    投稿日:2014.01.12

  • きうり

    きうり

    実は自分自身が、ある方面で依存症気味なのではないか、と思えてきたので慌てて手に取って読み始めました。

    タイトルに「依存症のすべて」と自信たっぷりに書かれているだけあって、確かに依存症についての原因、現状、治療法、予防、最新の動向、そして総論も各論が過不足なく記されている印象を受けました。

    しかも文章は平易で極めて読みやすく、イラストや図版も多く用いられていて飽きません。

    内容的には、他の依存症関連本をあまり読んだことがないので比較はできませんが、精神論に傾かずに最新の治療の動向をきちんと示してくれていると思います。
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    投稿日:2014.01.03

  • nobuimamura

    nobuimamura

    行動薬理学の専門家の方が書かれた一般向けの本。依存症の脳の働きや行動心理についてはわかりやすく説明されて納得しやすかった。が、臨床的な部分では、突っ込みどころも少しある本ではあるが、予防的な啓蒙書としては仕方のないことだろう。続きを読む

    投稿日:2013.12.12

  • #マスクを外すタイミングに悩む人

    #マスクを外すタイミングに悩む人

    依存症予防啓発について考える上で、自己効力感、心の居場所など、認識すべきことを整理することができた。同時に、依存症そのものへの正しい理解を促し、いま依存症に苦しむ人々とご家族に対する偏見を解消し、理解と受容を図るには…。誰にとっても暮らしやすい社会をデザインするというチャレンジは簡単なことではないけれど、「~だったらいいよね」とやり過ごしてはいけないよなぁ。続きを読む

    投稿日:2013.11.01

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