【感想】巨大地震はなぜ連鎖するのか 活断層と日本列島

佐藤比呂志 / NHK出版
(1件のレビュー)

総合評価:

平均 5.0
1
0
0
0
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • yasu.sasaki611

    yasu.sasaki611

    ■大陸を構成するプレートと海底下にある海洋プレートは,その構成岩石が非常に異なる。
    ■マントルが上昇してくる海嶺で生み出された海洋プレートは,マグネシウムや鉄に富んだ岩石で二酸化ケイ素を主とする大陸プレートより密度が高いため,海洋プレートは沈み込みやすく,数十億年の年代を有する大陸プレートに比べ,最も古いものでも1億数千万年前のものしか現在の海底には残っていない。
    ■硬い岩盤でできたプレートの下(マントルの一部)には,アセノスフェアと呼ばれる層がある。この領域は粘性を備えており,プレートに比べて軟らかくそれぞれのプレートはこの柔ら内装の上に乗って動いている。
    ■プレートとプレートの境界は「発散型」「収束型」「トランスフォーム型(横ずれ型)」の3つに分けられる。
    ・「発散型境界」は新たに海洋プレートが生み出されている場所であり「海嶺」又は「海膨(かいぼう)」と呼ばれる
    ・「収束型境界」は海洋プレートが沈み込んでおり「海溝」「トラフ」などと呼ばれる溝のような地形が形成されている。沈み込みにくい大陸プレート同士がぶつかってできる「衝突型」と呼ばれるものもありヒマラヤ山脈もその一つ
    ・「トランスフォーム境界」は速度や向きの異なるベルトコンベアが接しているようなもので横ずれ断層が形成されている
    ■プレートの交差点,つまりプレートの沈み込み帯ではマグマが作り出されその上に火山が生まれる。日本列島は火山が点々と分布することで成り立つ「島弧」(弧状列島ともいう)である。日本列島の周辺は北から「千島弧」「東北日本弧」「西南日本弧」「伊豆・小笠原弧」「琉球弧」の5つの島弧で成り立つ。
    ■太平洋プレートは地球上でもっとも古い年代の海洋プレートの一つで東北沖では年間約9㎝の速度で日本列島の方に沈み込んでいる。
    ■「南海トラフ」や「琉球海溝」には年間約4㎝の速度でフィリピン海プレートが沈み込んでいる。
    ■断層のずれ方には3種類ある。
    ・水平に引っ張られて縦に動く「正断層」
    ・水平に押す力で縦に動く「逆断層」
    ・水平に押す力で横に動く「横ずれ断層」
    ■火山は災害を引き起こすが,同時に重金属を地表まで運ぶことのほか,巨大な貯水槽の役割も果たし,降灰は巨大な肥料散布であり,農業を豊かなものにしてきた。
    ■私たちが住む平地は活断層があるからこそ存在している。
    ■平地の中でも水害が少なく水はけのよい少し小高い部分は,活断層によって隆起した場合が多い。大阪はその典型的な例。
    ■地表に出ないタイプの活断層を「伏在活断層」という。
    ■水深6,000~7,000mあたりを基準にそれより深いものを「海溝」,浅いものを「トラフ」と呼ぶ。
    ■「南海トラフ」付近ではフィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に約500万年前から年間約3cmずつ沈み込み続けており,現在までに150~160kmほどに達し,山陰沖辺りまで到達していると考えられる。
    続きを読む

    投稿日:2016.08.06

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。