【感想】世界史としての日本史(小学館新書)

半藤一利, 出口治明 / 小学館新書
(38件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

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    NDC 210
    「本来、日本史は世界史の一部であるはずなのに、学校では別々の科目として教えられてきました。そのため、私たちはどうしても「日本は特別な国」と思ってしまいがちです。しかしいま、世界における日本の地位や立場を正しく知らなければ、この激動から取り残されてしまうことでしょう。「世界史としての日本史」こそが、現代に必要な教養だとわかる一冊です。」

    目次
    第1章 日本は特別な国という思い込みを捨てろ
    第2章 なぜ戦争の歴史から目を背けるのか
    第3章 日本が負けた真の理由
    第4章 アメリカを通してしか世界を見ない危険性
    第5章 世界のなかの日本を知るためのブックガイド
    第6章 日本人はいつから教養を失ったのか

    著者等紹介
    半藤一利[ハンドウカズトシ]
    1930年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。文藝春秋に入社し、「週刊文春」「文藝春秋」編集長、専務取締役などを経て作家に。「歴史探偵」を名乗る

    出口治明[デグチハルアキ]
    1948年、三重県生まれ。京都大学法学部を卒業後、日本生命に入社。現在はライフネット生命保険代表取締役会長兼CEO
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    投稿日:2023.10.18

  • rafmon

    rafmon

    歴史はそれぞれの楽しみ方があっても良いし、どの人物の視点で解釈するのかによっても理解が変わる。浅学非才の身と謙遜しながら、メモ書きも準備せず、半藤一利相手にズケズケと自説を述べる出口治明という構図に新鮮な思いを感じながら。それって出口氏の感想でしょうと苦々しく読みつつも、しかし、それを裏付ける両者の教養の深さに、最後には圧倒されてしまった。勉強になりました。

    第二次世界大戦はノモンハン事件から始まったとするアントニー・ビーバーの考え。満州事変から語る天皇陛下。ドイツ軍がポーランドに侵攻したのがスタートだと言う見方。1936年のスペイン内戦から始まったと言う歴史家もある。あるいは第一次世界大戦から続いていたと、30年戦争だと言う考え方もある。多角的な視点、それぞれのスケールや論理。面白い。

    著者二人にボコボコに言われる松岡洋右。国際連盟脱退。対比して称賛されるのが小村寿太郎。国民に増税、我慢を強いながら何とか勝利した日露戦争。伊藤博文は初めからアメリカの仲介で戦争を終わらせることを考えて金子堅太郎をセオドアルーズベルトとの交渉にあたらせていた。これ以上戦争は続けられない状態の中、何とかポーツマス条約を取り付けたのが小村。しかしロシアから賠償金は得られず、国民はこれ以上戦争を続けられない事情も知らされていなかったために反発。3万人規模が集まっての日比谷焼き討ち事件に繋がる。マスの操作は難しい。危機感を煽るか、嘘を言って士気を高めるか。自虐史観が自尊史観か。会社経営も同じだと。確かにそうだ。戦況の詳細が敵国に伝わる。自国民に詳細を語れぬ場合、どうすべきか。

    マウントのためではない真実に近づくための多面的な知識、教養をきちんと身に付けたいと、意欲に繋がる読書となった。
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    投稿日:2023.01.09

  • kaido

    kaido

    直前に読んだ「日本国紀」とは異なり、日本の歴史を、まさに世界史の視点で、冷静に捉えている印象を持った。どっちの捉え方が適切なのかも含め、自分で絶えず勉強して教養を積んでいかなければならないと思った。いずれにしても、自分の国の、一見すると日常とは関わりが薄いと思ってしまう安全保障なども含め当事者意識を持って政治に参加していかないとならないと思った。続きを読む

    投稿日:2022.10.24

  • Maxy

    Maxy

    出口氏と半藤氏、お二人の知識量と学びの意欲に敬服。彼等よりも若手の世代に向けた、もっと教養をつけろという叱咤に、目を合わせられない。新書を数冊読んで知ったかぶっているのは僕だ。


    quarto

    時の陸軍のエリートたちが根拠なき自己過信を持っていた

    驕慢なる無知であった

    エリート意識と出世欲が横溢していた

    偏差値優等生の困った小さな集団が天下を取っていた

    底知れず無責任であった

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    投稿日:2022.02.22

  • konkon817

    konkon817

    全体的に、今までの課題図書での日清戦争→日露戦争→太平洋戦争の学びが、
    徐々に繋がってきている感覚を覚えています。

    ・元寇は失業対策の一環でもあった説は意外でした。
    ・半藤氏の 坂の上の雲は爽快すぎ という意見も新鮮であった
    ・ノモンハンの夏 もいずれは読みたいと思います。
    ・満州国についてはあまり詳しくないので、もっと深く知りたいですね。
     →奥さんのお祖母さんは、当時引き揚げてきた一人だったそうです。
    ・ドイツのベルリン改造計画[「ゲルマニア」に興味を惹かれました。
    ・「ヒトラー、スターリン」の次は「ルーズベルト、チャーチル」
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    投稿日:2021.08.21

  • toshi1231

    toshi1231

    日本史だけを見るのではなく、世界史の中でその出来事がどうして日本で起きたのかを見なさい。豪華なこのお二人の対談のメッセージです。明治維新の頃、欧米では何が起きていたか(ボーア戦争で英仏は手が離せず、アメリカは南北戦争)。高度経済成長が可能であった条件とは(冷戦、人口ボーナス、軍事費負担なし)。現在の日本の諸問題も、同じように世界の状況の中で考えなければならないだろう。
    それにしても、出口さんの博識ぶりにはあらためて驚愕。半藤さんがあとがきで書いておられますが、出口さんは対談中、一切のメモ書きを持たずに、これだけの内容をすらすらと話されたという。ビジネスの世界に身を置きながら、ここまで教養を深められるのか。
    続きを読む

    投稿日:2021.06.18

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