【感想】はなとゆめ 電子ビジュアル版

冲方丁, 遠田志帆 / 角川文庫
(70件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
9
26
23
2
1
  • 美しいカラー挿画が作品に色を添えます

    歴史小説というと少し堅苦しいイメージがあったのですが、
    綺麗な表紙に惹かれてジャケット買いしました。
    非常に読みやすい文体で、楽しんで読めました。
    綺麗なカラー挿画が作品に色を添えていて、見てるだけでも楽しいです。
    幅広い層の方に楽しんで頂けると思います。
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    投稿日:2013.11.08

  • 女にとって男より大切な人がいてもいいではないか!

    誰かを大切に思う。心から大切に思う。
    それは、異性であるとか、恋人であるとか、そういう必要はないわけで。

    世の歴史小説・時代小説には主従の堅い絆を描いた作品は多い。
    が、それはほとんどの場合において男同士である。
    何故、女同士の友情や主従愛の話が少ないのだろうか。
    何故、女同士はどろどろと嫉妬し、足を引っ張り合う話が多いのか。

    女はあくまで「女」であって主従も友情もなく、
    男に愛され、男を巡って争うだけの存在なのか?

    歴史モノに対してそういう不満を持っていた私としては、読んで爽快な話だった。

    大切な人がただ、大切。
    それでいいではないか。

    主人公・清少納言はこう言う。

    あの『枕』は、清少納言が中宮様のために書いたものだ。
    人はそう言うでしょう。実際、その通りなのです。しかしわたしの中の思いは、また少し違っています。
    わたしと中宮様がともに見出した、愛しい記憶の全て。
    それがわたしの『枕』なのです。
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    投稿日:2014.09.09

  • 枕草子が生まれるまでの物語

    清少納言が宮仕えしていたときの話、枕草子が生まれるまでの物語を、清少納言自身の語り口で明かしていきます。
    それは華に惹かれ華を羨み、謀略の渦に飲まれながらも華に忠誠を誓った日々。清少納言はそんな日々を苦しみや憎しみを含むことなく綴っていきました。
    今の私たちに華はあるでしょうか。大事に思い抱く日々はあるでしょうか。それは千年の時を経ても変わらない人の幸せだと教えてくれます。
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    投稿日:2013.12.04

  • 宮廷は女の戦場!

     予備知識として平安時代の宮廷文化や覇権争いについて知っておかないときついところがありますが、それを乗り越えてしまえば大変面白いというか、凄い作品です。
     清少納言と中宮定子の心温まる交流、宮廷で繰り広げられる壮麗な催し、そしてその裏で繰り広げられる男たちの政争……。
     宮中の女性たちが、華やかな振る舞いや言葉の力で、辛く厳しい現実に立ち向かう様がとても感動しました。
     清少納言にとって中宮定子は、己が生きる意味を見出してくれた唯一の希望なのだなあ、とラストでしみじみとしてしまいました。
     新聞連載時の挿絵を全てフルカラー収録してくれたのも大変うれしい。少し値段は張りますが、イラスト付きのほうが断然お勧めです。
     また、少し穿った見方をすると、清少納言×中宮定子のソフト百合本としても楽しめますよ!
     中宮定子が、清少納言不在のときにあれこれ手紙を送ってよこすシーンとかキュンキュンしちゃいます!
     
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    投稿日:2013.12.22

  • 読み継がれる物語の根底にあるもの

    鮮やかな表紙が書店の平台で目に留まりました。購入も電子ビジュアル版を選択。淡い色彩の美しい挿画が物語のイメージを膨らませてくれます。是非挿画と共に読んでいただきたい。
    あの枕草子の作者、清少納言の一人称で語られる宮中の暮らしや殿上人達の物語。けれど、華やかな世界にも明暗はあり、永遠ではない。 やがて彼女は『枕』を書くために筆を取るのです。ままならぬ世の中で彼女が見出したもの。それは言葉を綴ること、思うことすべてを自由に書き連ねること・・・。
     「紙の上ではわたしは自由」という一節が心に残りました。
    本を愛し、レビューを書く私たちにも通じる想いではないでしょうか。
     
    続きを読む

    投稿日:2013.11.22

  • 恋人や夫よりも大切な人が、女にもいるのです。

    もともと平安時代にまつわる話は大好きで、田辺聖子さんの訳による源氏物語なども何度も読んだものですが、この「はなとゆめ」は、平安時代を舞台にするストーリーでありながら、中宮定子に仕える清少納言はまさにビジネスマンのよう。女性が男性社会の中で働くということを、清少納言をはじめとする女房たちの生き方から強く共感しました。

    とにかく、中宮定子を私が支える!という清少納言が根性が座っていて、気持ちが良いです。
    続きを読む

    投稿日:2014.04.23

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ブクログレビュー

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  • さりー*

    さりー*

    このレビューはネタバレを含みます

    中宮と清小納言の関係と枕草子誕生までの話。清少納言は気が強そうな才女というイメージだったけど、最初の頃緊張してたなんて意外。添い遂げるような純粋さで仕えたいと思う人がいるなんてすごいなあ。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.01.21

  • 万年筆好きムギムギ

    万年筆好きムギムギ

    平安時代に生きた清少納言の物語です。
    なぜ、「枕草子」を書こうと思ったのかが描かれています。
    永井路子さんの「この世をば」で、藤原道長の物語を読んでおり、人間関係やしきたりなどの予備知識があったためすんなり読めました。
    歴史小説ですが、文体は読みやすかったです。
    続きを読む

    投稿日:2024.01.03

  • mochioka

    mochioka

    枕草子の裏方本のような作品。清少納言がどんな気持ち、どんな経緯で枕を書いていたかがリアルに描かれている。
    時代が違いすぎることもあって共感しにくいところも多々あるが、主君の定子をひたすら褒めて愛する感じは現代の「推し」活さながら。批判もあったようだが、逆境に負けず真っ直ぐに推しを信じ抜く人生は楽しそうで眩しく思えた。続きを読む

    投稿日:2023.12.09

  • hemulen

    hemulen

    枕草子の内容と、それを書くに至った背景が小説としてわかりやすく描かれている。

    『枕草子のたくらみ』『平安人の心で源氏物語を読む』や御堂関白記の訳などとあわせて読むと楽しい。

    伊周、隆家兄弟が、花山院の袖を射る事件(長徳の変)とそのすぐ後の清少納言の動きとその理由や、その後の則光や斉信との関係。
    また、その後の清少納言の孤立の具体的な理由。
    定子の「言はで思ふぞ」の手紙の決意。
    権力掌握のため必死な道長の策謀と、時勢をみる貴族たちの動き、定子の覚悟とその女房たちの自負と誇り、決意。

    特に後半、政治色が強くなるほど哀しくて激しい。

    …………伊周と、その弟の隆家、雅な教養はあったんだろうけど…ぼんぼんすぎるっていうか、ちょっとアホ


    続きを読む

    投稿日:2023.11.04

  • えみりん

    えみりん

    「千年の黙 異本源氏物語」という紫式部視点での物語を読んだことがあるが、これは清少納言(中宮定子)視点なので、読み比べをしている感じが面白かった。

    投稿日:2023.08.22

  • あみ

    あみ

    この本の読後、枕草子を読むと、清少納言の中宮定子への敬意と深い愛情が伝わってくる。学生時代に読んだ感じとは全く別物だった。

    投稿日:2023.07.09

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