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金子民雄 / 集英社新書 (1件のレビュー)
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鮎
オマル・ハイヤームの『ルバイヤート』は名前だけなら高校世界史で習うが、やはり世界史では作品の内部まで触れられることは少ない。私もタイトルでこの本を手に取り、実際読んでみるまでは『ルバイヤート』の中身は…全く知らなかった。 宮廷詩人でもあったハイヤームが厭世主義者で、イスラーム法では禁じられている酒を賛美する詩をたくさん読み、当時の人々から白眼視されていたという事実には驚愕を隠せなかったし、同時に少し「人間らしさ」というか、万能の天才として所謂畏怖に近い感情を抱いていたハイヤームを少し身近に感じられるようになった。 筆者の『ルバイヤート』愛は絶大なもので、各国各時代のルバイヤート文献について事細かに記載してある。大発見と謳われた文献が偽物だと暴かれるまでの経緯は、読んでいてワクワクした。 すんなり頭に入ってくる口語体で記述がなされているため、少しでも世界史や文学に興味がある方はぜひ手に取ってほしい1冊であった。続きを読む
投稿日:2021.06.24
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