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藤谷治 / 小学館 (10件のレビュー)
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百子
吐きそう…。津島の津島たる所以はここであったか…。もしかしてまだあったりする?こわいよー。 途中まで熱い青春小説を読んでいたのに中盤超えたあたりから罪の話…太宰…罪の告白… なんでも書けるという藤…谷治恐るべし… もう3巻読むしか無い。続きを読む
投稿日:2022.10.30
浦島くん
この本の曲のテーマはレ・プレリュード。 リストはピアニストとして優秀だったかもですけど 正直オーケストラ作家としてはもひとつ。 洗足 レプレ youtube ぐらいでヒットします。youtubeの指…揮は現田さん。 本ではずっとデフォルメしてひどく書かれていますが 舞台となっている洗足の演奏はずっと素敵です。 ハイデルベルグまで教えてもらいに行ったチェリストが先生から Das ist cello. と言われ弾いた先生の音階が次元の全く違うものなので正直打ちのめされますよね。 教えられていたものが実は「私の常識=世界の非常識」というあるあるネタ。 更には「音を出している‡音楽をしている」というダメ出し。 音楽家にとっては全否定ですけど本質的。ま、それを乗り越えるのが音楽家だけど。 それはさておき、正直、この終わり方は困る。 「船に乗れ!3」を読まなくては気が気でならない。続きを読む
投稿日:2021.01.06
matchyy
誰しもが持つ、あの時のあの選択。 (以下抜粋) ○先生はそれを、抽象的なはげましの言葉なんかじゃなく、親指の位置で、十六分音符で、つまりはひとつひとつの鍛錬でもって、僕に伝えていたのだ。(P.120…)続きを読む
投稿日:2020.12.27
Macomi55
後半はキツかった。 前半は絶好調だった。 南さんとお付きあいを始め、毎日音楽や演奏について熱く語りあい、「二人で一緒に芸大に行ってデュオを組む」という夢も語り合う。 演奏のほうでも二人とも学校…のオーケストラの第二バイオリンとチェロのそれぞれトップを任され、パートを引っ張っていく存在に。さらにサトルはフルートの貴公子伊藤君から、文化祭でバッハのフルート・ソナタの伴奏を頼まれ、美人のピアノ講師、北島先生からもイベントでのデュオの相手を頼まれる。個人レッスンの曲もどんどんレベルが上がり、毎日が忙しくて、楽しくてたまらない。 そして、極めつけはドイツ・ハイデルベルクへの短期留学。サトルが知らないうちに親族のうちで着々と準備が進められ、「夏休みにハイデルベルクに行ってこい」と突然、お祖父様から言われる。向こうには伯父夫婦がいて、面倒を見てくれ、チェロの先生も斡旋してくれていて、言うことのない留学。恵まれたお坊っちゃん。 しかし、ハイデルベルクのチェロの先生に言われたことは「君は、暫く音楽を演奏してはいけない。音階だけを練習しなさい。」「君のチェロの弦は鳴っていたが、楽器は鳴っていない」。 大きな挫折。 帰国すると、周りからは「音が変わった」と褒められるが、そんなことは耳に入らないくらい悲しい出来事が続く。自分が悪いのかどうかも分からない。理不尽で耐えられない出来事。そして、ムシャクシャして虚ろな心のまま罪を犯す。と言っても、警察に捕まるような犯罪ではない。傍目からは分からない、自分だけがずっと十字架を背負っていかなければならないような罪だ。 前半はあんなに牧歌的で楽しい青春時代だったのに、急に大人にさせられたようだ。 音楽あり、哲学ありの高校生活。こんなことを経て、サトルのチェロはサトルだけの本当の音楽を奏でることが出来るようになるのであろうか?俳優さんが自分の人生の波乱万丈を肥しにしているみたいに? 第3巻が楽しみである。続きを読む
投稿日:2020.10.18
だいち
まさかの展開に驚きだった。一生懸命に生きているのに、それが故に犯す過ち。それは若さゆえとは言い切れない、人間なら誰しもが起こしうる過ちなのかもしれない。サトルの絶望も、南の嫉妬と行動も。金窪先生という…友人であり師を陥れてしまった過ちも。人生というリセットできない環境で、サトルは今後なにを思いどう行動するのか。今これを書いているサトルはどういう状況なのか。音楽的な内容は何一つわからない。タイトルの船に乗れという言葉と、今の物語がどうつながっていくのか、心の動きに注目しながら次の巻へと進んでいきたい。続きを読む
投稿日:2019.05.06
tamazusa_do
さまざまな要素を含む第二部だから、感想を綴るのはとても難しい。 我が世の春を歌う恋人たちが希望に満ちた未来を夢見る冒頭から、二人がそれぞれ償いきれない罪を犯して魂の地獄へと落ちていく、その落差はあまり…に大きい。 津島サトルは、南枝里子が行くからという理由で、高校受験の折には一度は不合格となった芸大を再び目指すことになる。 去年と同じく、オーケストラの練習も始まり、伊藤と文化祭で合奏することになり、更に北島先生には生演奏の仕事を持ちかけられるなど、サトルは多忙であった。 更に、祖父の勧めで、ドイツに二カ月の留学に行くことになる。 チェロを学ぶためだ。 彼はそこで…気取った書き方をすれば、 『世界の大きさと自分の小ささ』を知ることになる。 そして、メッツナー先生の最後のレッスンで、音楽に対する認識も変わることとなった。 大きな成長だった。 しかし、その裏で進行する、不気味な旋律。 これまでいろいろな作品を読んで来たが、主人公の相手役というものは、とことん、彼を苦悩させるために存在するものだと思い知った。 彼を苦しめれば苦しめるほど、彼女は大きな存在になる。 そして、その点で南は素晴らしくいい仕事をした。 思えば、彼女はそういう性格だった。 彼女の不幸は身から出た錆である。 そして、自分が不幸になる事によって、サトルをも同じ淵に引きずりこむ。 彼女の行動は陳腐で、ありきたりな転落である。 なのに、どうしてこの小説は、こんなにも格調高いのだろうか。 金窪先生の「最後の授業」も印象的。 そして、佐伯先生を語る時だけは必ず敬語で通しているのも、何か、気になる。続きを読む
投稿日:2017.02.13
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