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山本文緒 / 角川文庫 (38件のレビュー)
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総合評価:
てくのかにんひぇん
「捨てる神あれば拾う神あり」かな
「眠れるラプンツェル」「プラナリア」「恋愛中毒」「きっと君は泣く」その他にも何冊か読了済みだが、全ての作品と言わないまでも、山本さんの描く、痛いほどの絶望の中にある一条の光がクライマックスの辺りで見え…るのが好きだ。ただ、この「なぎさ」においては、全体的にとても大人しく感じた。上手にまとまっているというか、丁寧で、人間関係の「どろどろ」っとしたところも健在なのだが、諦めない人間にはいいことが待っているよ、みたいな。それはそれでいいのだが、山本さんの独特のヘビー級キャラクターの、のしかかってくる感じが無くて個人的には残念。でも、たぶん、弱っている人には元気が出る本だと思う。読んで損は無し。続きを読む
投稿日:2016.08.04
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フルフル
読み進めて行くうちにこのタイトルがついた理由がわかった。センスあるな〜。 しかし、内容的には個人的にもどかしく、結末は皆の想像にお任せします的な終わり方で今一つという感じだった。
投稿日:2024.03.16
四季子
大好きな作者、山本文緒さんの作品に読む前からワクワクしました。 家族の中でおこる一つ一つの出来事に、時には思いやる気持ち、憎む気持ち、支配しようとする気持ち、余裕のなさから相手に切り込んでしまう言葉の…数々に作者さんらしい作品だなと。 家族以外の登場人物もどう説明して良いのか、本人にも何故そうしてまうのか分からない所に人ってそうだよねと思ってみたり。 結局最後には相手を思う気持ちがあればそれが正解になるのかな。 続きを読む
投稿日:2024.01.14
さとう
爽やかな表紙につられて購入した。 でも本文は結構ドロリとシていた。私は山本さんの書くお話が大好きなので、「キタキタ!」と喜んだ。出てくる人物が驚くほど、私の苦手なタイプばかりで、あ……となりながら読ん…でいた。滞留した人間たちのそれぞれの再生を描いた作品。どんな理由があったとしても、のこらず歩き出せて良かった。そんなことを思いながら、表紙を見て、「あ。このシーン」ってなった。前向きになれる作品。続きを読む
投稿日:2023.10.26
ますたぁ
様々な事に振り回されながらも生きる人達のお話 メインの視点は、平凡な自分というものと生き方に迷っている女性と、芸人を諦めた男がちゃんとしたところで働けるようにする話 故郷とは違う、海沿いの見知らぬ…街で暮らす同郷の夫婦の冬乃と佐々井 そんな中、ここ数年連絡のなかった妹の菫が、住んでいるところがボヤ騒ぎを起こして転がり込んでくる。 菫はすぐに街に馴染み、元スナックを居抜きでカフェをやると言い出し、冬乃も巻き込まれていく。 一方、元お笑い芸人の川崎は、同窓会をきっかけに付き合い始めた彼女のために芸人をやめて働きだし、現在は佐々井の部下。 仕事は暇で佐々井が仕事をサボって釣りをするのに付き合い、冬乃が作る二人分のお弁当を食べるような伸び切った生活。 しかし、仕事が激減する事になった得意先の秋月の許しがあった事から、仕事が激増してブラック会社としての被害を受けていく事になる。 主な登場人物 冬乃、妹の菫、夫の佐々井くん 所さん(仮称) 佐々井の部下の川崎 川崎の彼女の百花、芸人時代に繋がりのあった杏子 得意先でいいように扱き使ってくる秋月 秋月に紹介されたナオミ そして、飽きる事を繰り返すモリ これは夫婦の物語なのか? 家族の物語なのか? 人の自立の物語なのか? 主眼がよくわからない それにしても読み進めるのが辛い物語であった 夫婦のすれ違いもそうだし 途中で事情が明らかになる家族の不和というか両親の依存だったり 川崎のブラック環境だったり、佐々井のメンタルだったり 著者の山本文緒さんもうつ病で苦しんだという話を聞いたので、ご自身の体験が反映されているのだろうなぁと思う 物語を通じてその苦しさやどうしようもなさが読者まで伝わってくるというのも、流石の文章力と言えるかもしれない 冬乃と佐々井の夫婦の絆の一つとして料理がある気がする 毎日お弁当を作って渡す冬乃 「食事の用意をすることでしか私は夫と繋がれないような気がしていた」とも感じていたけど 佐々井が会社を辞めて、自分の食事を用意する事に気を遣わなくて良いと言ったところが関係が断ち切られたように思ったきっかけかなと思う そして、冬乃が帰ってきたときに佐々井が挽き肉と豆のカレーを作っていたところが再び繋がろうとしたきっかけかな あと、二人でカフェをするという提案も、料理を通じて二人で同じ方向を向くという構図になっている気がする 菫もなぁ 最初は胡散臭い存在に思えてたけど 菫なりに冬乃の事を考えていたわけだし ボヤの原因に関しても口を割らなかったというのは、やはりそんな想いがあったという事でしょう そして、引っ越し先を両親に伝えていたというのも、冬乃ほど割り切れていないという家族の情を感じる モリに感化されていそうで、最後までは踏み切れてないんだよなー 特定の家を持たずに友人知人の家を渡り歩き、いつでも身の回りのものを捨てられるようにしてフィービジネスで生きているモリ 何かを始めてもいつか「飽きる」事を考えている このモリという存在がメインの主人公達以上にやたらと目立つ 様々な面で他の人達の対局の存在で、どうも読者の感情をざわつかせる役割 なのに、とある言葉には人生の秘訣の一つが含まれている気がする 「同じ悩みにそろそろ飽きろ。人生の登場人物を変えるんだ」 言われてみれば、人生の悩みは人に付随する事が多い 問題のある人との関わりを絶てば自然と悩みはなくなるのかもしれない まぁ、だからといって実践する気はないけどね そんなモリも最後には 「おれは、お前のようには絶対ならない」 と否定される でも、本人にはまったく響いてないんだろうなぁ続きを読む
投稿日:2023.10.23
ボアッソン・ハーゲン
横須賀市久里浜を舞台に、各人が交ざり会いながら、自身の悩みと『共存』していく様が描かれている。 登場人物の中で、私は菫に感情移入してしまった。私も退職する際に、上司からは冷淡だと非難された。菫さん、分…かる気がします。 久里浜に居住した経験があるが、とても忠実に街のことが描写されている。 本作の唯一の難点は、章ごとに視点が行ったり来たり切り替わる点。今誰の視点か迷子になってしまうことはあった。続きを読む
投稿日:2023.07.15
たゆ
佐々井くんと冬乃さん。 2人はふんわりした印象なのに、周りが強烈で、なかなかの波乱万丈ぶりだった。 所さんが唯一のオアシス。
投稿日:2023.05.17
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