【感想】寂聴生きる知恵 法句経を読む

瀬戸内寂聴 / 集英社文庫
(4件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
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ブクログレビュー

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  • nakaizawa

    nakaizawa

    (2015.05.10読了)(2015.05.08借入)
    副題「法句経を読む」
    原始仏教の経典の一つである「真理のことば」とか「法句経」と呼ばれるものの解説書を読もうと図書館の蔵書検索で検索したら、以下の二冊がヒットしたので、
    「「いいこと」がいっぱい起こる!ブッダの言葉」植西聰著、王様文庫、2010.12.20
    「寂聴生きる知恵」瀬戸内寂聴著、集英社文庫、1997.03.15
    植西さんの本を先に借りて読んでみました。読みやすくて、人生訓となりそうなことがたくさん書いてあったのですが、仏教的な雰囲気があまり感じられなかったので、寂聴さんの本も読んでみることにしました、
    原典には、432の詩篇が収録されており、全訳を読みたいときは、以下の本があるようです。
    「法句経」友松圓諦著、講談社学術文庫、1985/3/6
    「ブッダの真理のことば・感興のことば」中村元翻訳、岩波文庫、1978/1/16
    友松さんのは、詩として訳し、中村さんのは、散文として訳しているそうです。
    この本では、22のテーマに分けて、60ほどの詩篇を紹介しながら解説しています。
    解説のなかに、執筆当時の時事問題などが織り込まれている部分があるのですが、当時を知らない人にとっては、分かりにくいのではないでしょうか。

    【目次】
    はじめに
    生と死
    愛と欲
    賢い人と愚かな人
    善と悪
    解説  柳美里

    ●法句経(11頁)
    釈尊の息吹が感じられ、その声をじかに聞くような気がします。
    法句経を読むと、原始仏教の精神、つまり釈尊の一番初心の精神にじかに触れられることでしょう。
    ●ブッダ(62頁)
    人間の真の幸福とは何か、永遠の生命があるのかないのか、それを解決したくて、王子ゴータマと呼ばれていた釈尊は城をぬけだしたのです。
    様々な難行苦行のはてに、ついに釈尊は役に立たない苦行を捨て、座禅をして悟りを開きました。ゴータマはブッダ(仏陀)となって生まれ変わったのです。ブッダとは悟れる者、覚者という意味で、固有名詞ではありません。
    ●法(76頁)
    如来の法というのは仏の教えで永遠に変ることのない真実をさします。
    (法句経の「法」もこの意味で使われているのでしょう)
    ●人生の三つの時期(107頁)
    人生にも三つの時期がある。
    第一の時期では遊戯に夢中になっている。第二の中間の時期には妻子を養っている。第三の最後の時期だけは少なくとも善をなすべきであるというのである。
    この三つはほぼ少年期、壮年期、老年期に相当するといえようか。
    ●釈尊の教え(109頁)
    釈尊の教えは、他から神の声や仏の声が聞こえてくるのではなく、あくまで自分の心の中からの声を聞けというものです。

    ☆関連図書(既読)
    「お経の話」渡辺照宏著、岩波新書、1967.06.20
    「釈尊物語」ひろさちや著、平凡社新書、1976.05.08
    「ブッダ『真理のことば』」佐々木閑著、NHK出版、2011.09.01
    「「いいこと」がいっぱい起こる!ブッダの言葉」植西聰著、王様文庫、2010.12.20
    「ブッダ『最期のことば』」佐々木閑著、NHK出版、2015.04.01
    「般若心経」佐々木閑著、NHK出版、2013.01.01
    「「色即是空」の研究」山本七平・増原良彦著、日本経済新聞社、1984.10.25
    「生きて死ぬ智慧」柳澤桂子著・堀文子絵、小学館、2004.10.10
    ☆瀬戸内晴美さんの本(既読)
    「美は乱調にあり」瀬戸内晴美著、角川文庫、1969.08.20
    「諧調は偽りなり(上)」瀬戸内晴美著、文芸春秋、1984.03.01
    「諧調は偽りなり(下)」瀬戸内晴美著、文芸春秋、1984.03.01
    「源氏物語の女性たち」瀬戸内寂聴著、NHKライブラリー、1997.11.20
    「白道」瀬戸内寂聴著、講談社文庫、1998.09.15
    「いよよ華やぐ」瀬戸内寂聴著、日本経済新聞・朝刊、1997.12.01-1998.12.13
    「釈迦と女とこの世の苦」瀬戸内寂聴著、NHK人間講座、2000.04.01
    「藤壺」瀬戸内寂聴著、講談社2004.11.24
    「秘花」瀬戸内寂聴著、新潮社、2007.05.15
    「日本を、信じる」瀬戸内寂聴・ドナルド・キーン著、中央公論新社、2012.03.11
    「月の輪草子」瀬戸内寂聴著、講談社、2012.11.01
    (2015年5月11日・記)
    (「MARC」データベースより)amazon
    人生をならう真理のことば。命を生かす真実の教え。法句経は最古のお経です。その知恵に照らして寂聴師が説く、生きるとは、愛するとは、自分とは。『寂庵だより』平成3、4年分に掲載の法句経を再構成したもの。
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    投稿日:2015.05.11

  • denmame

    denmame

    このレビューはネタバレを含みます

    本屋さんで目に留まり購入。仏教のこと、昔の教えを学びたかった上に、寂聴さんのことをもっと知りたかったので良いチャンスだと思った。
    「法句経(ほっくきょう)を読む」がサブテーマだ。
    お釈迦様とよく聞くけれど、本当の名前は釈尊・・・そして、本来はネパールヒマラヤの小さな国の王子として生まれたゴータマ。人間の真の幸せ、永遠の生命それを解決したくて城を抜け出し修行後、悟りを開き仏陀(ブッダ)となる。
    仏陀とは、固有名詞ではなく「悟れる者、覚者」のこと。
    法句経はお経の中でも古いもの。釈尊が亡くなってから弟子たちで書いたものとのこと。それをわかりやすく解説しながら、寂聴さんの想いが書かれている。
    釈尊が弟子に悩みの返事として「私もだよ」と話すところに感動した。釈尊も人の子、決して特別な人ではないと安心感を持たせてくれる。
    それにしても、寂聴さんは最後のほうで金丸信の醜態を非難していたが、どんな事件だったのか当時を知りたくなった。この本は1993年出版された。

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    投稿日:2013.11.26

  • fumi19850511

    fumi19850511

    お坊さんのありがたいお言葉。
    漢学的な感じが仏教ではするが、
    それは中国からきたというだけで。
    もともとはインドでの生き死にが元にあるのだ。

    頭を丸めるということは出家するという意味なんだよな。
    しゃれではなく、
    ましては反省なんかでもなく笑

    女性が頭を丸めるということはそれはもう尼さんになるという一言につきる。
    とても宗教的な行為なんだろう。
    続きを読む

    投稿日:2013.03.29

  • 偏食の嬢王様

    偏食の嬢王様

    怖い程に自分の現状(明らかな悪行だけではなく、怠惰であったり、貪る事なども含めて)を考え直せ、改めよ、と迫ってくるし、その言葉がストンと入ってくる、腑に落ちるのである。が、わかっちゃいるけど、変えられない。自分の平凡さを思い知らされた本。(2005.4.14)続きを読む

    投稿日:2007.11.05

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